|  プロローグ ( No.1 ) | 
| 日時: 2010/06/25 00:06名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>
 
どーせ僕は気まぐれでしか動いてませんよ。。
 自分の成分をパーセントで表すなら、20パーセントの微妙なプライドと、80%の気まぐれだと思う。
 
 気まぐれに動いて、プライドが邪魔をすればそっちを優先するし。
 
 その自分の気まぐれに振り回されるのが、僕の配下。レオンだと思う。
 
 
 レオンにいきなり、〜〜やろうよ! とか、〜〜ってできる? って聞いちゃったり。
 
 レオンはそれをできる限り手伝ってくれる。
 僕のもってる、全知全能の石を使えば簡単にできるが、例の20パーセントの微妙なプライドが邪魔をする。
 
 何故拒否なのかが分からないから"微妙な"プライドなのである。
 
 
 
 
 とある日、レオンが言った。
 
 「たまには、私の気まぐれにも付き合ってくださいね。」
 
 そう言われて、猫姿でまどろんでいた僕はレオンに抱きかかえられてどこかへ連れて行かれるのだった。
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|  Re: 5日間の気まぐれ ( No.2 ) | 
| 日時: 2010/06/25 00:38名前: ケイル
 
うーむ、部下の反逆でしょうか。どうなるんだろうw
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|  Re: 5日間の気まぐれ ( No.3 ) | 
| 日時: 2010/07/04 15:24名前: 吉祥  <cheeeeeeeen@hotmail.co.jp>
 
〜第1日〜
 四方が窓のない茶色い壁。
 床は木張り。少し古くなっている。でも一応頑丈だ。
 天井には、これまた古くなった窓があり、そこから光が差し込んでいる。
 
 「ここどこ?」
 「部屋です。」
 
 分かってるって。
 
 「レオンの気まぐれなんて、珍しいじゃない? レオンって欲が無いから。」
 「私だってたまにはありますよ。今みたいに。」
 
 分かってるって。
 
 「んで、既に嫌な予感はしてるけど、この部屋で何をするの?」
 「当ててください。」
 「僕を食べたい。」
 「正解です。」
 「それ、絶対、気まぐれじゃなくて、欲望だと思うんだ…。」
 「人のこと言えないですよ。」
 
 分かってるって。
 
 「ルールは、5日間。この部屋で過ごします。 それだけです。」
 「…はぁ。」
 「嬉しそうですね?」
 「僕を食べる前にはいつもそう言ってるじゃん。」
 
 何気にしょっちゅう襲われている。
 
 「さて、そろそろ始めますよ。 今日から5日間です。」
 「5日間終わったらいいことあるの?」
 「何もないです」
 
 ですよねー
 
 
 今のレオンは龍姿。僕は猫姿。
 
 …圧倒的。
 
 
 普段僕の我が儘に付き合ってもらってるから、お礼はしなきゃならない。
 でも、普段食べられてるのに加えて5日間も…。
 
 そんなことを思ってる内に、レオンは長い尾を僕の後ろに忍ばせていた。
 
 そして、僕がそれに気づいた途端、僕はもう尾に縛られていた。
 
 「ルールはもう一つ。 1日の内、1回しか私は食べません。 逃げても同じですよ。」
 「はっ、、 離せって!!」
 「よろこんでますね?」
 「だからそれも毎回言ってるって。」
 
 尻尾から抜け出せぬまま、自分ごと高く持ち上げられる。
 
 「知ってますよ? 胃の中に入ると、気持ちいいって思ってること。 喉もいいなぁ とか、 口の中も〜 とか、 あとは・・・」
 「わーーっ! 黙っといてえ!!」
 尻尾から片腕が抜けたので、その片手で尻尾を叩く。
 「例の微妙なプライドですか?」
 「…///」
 
 図星。
 
 確かに、食べられるのは大好きだし、胃の中も気持ちいいし・・・
 でも、それを認めたくない意思がある。
 恥ずかしいから… なのやら…?
 
 「とっ・・・ とりあえず嫌だからっ!!」
 すぐに空間移動を使って尻尾から抜け出す。
 
 「ふふふ。 ツンデレですねツンデレ。」
 「うっさい!! 余計なこと言うなっ!!」
 
 図星・・・ なのかな…?
 あんまし認めたくないかも。
 
 「さっき、斜線3本引いた時点で…」
 「いやそこじゃねえだろ。」
 それは言わない約束。
 
 
 「それはともかく、逃げたら体力の無駄ですよ? 食べられに来るのが一番正しい選択ですよ?」
 「嫌なんだってば!!」
 
 レオンの尻尾が追いかけてくるので全力で逃げる。
 レオンは楽しそうに尻尾で追う。
 
 
 
 …5分後…
 
 「諦めないですね。」
 「そりゃあ・・・ もちろん・・・  嫌だもん…」
 
 そんなこと言いつつ、もうあきらめるべきだと頭の隅で言っていた。
 
 レオンは尻尾を振るだけ。 僕は術まで駆使してとにかく逃げる。
 
 しかし、もう決着がついた。
 
 僕は、レオンの上手い話術によって、気力を削がれ、もう術など使える状態じゃなかった。
 体力も限界だったので、レオンの尻尾に再び捕まった時には、もうぐったりと、抵抗することもできなかった。
 
 「おしまいですか?」
 「うぐ・・・  好きにしてよ…。 何とでも言うがいいし、どう食べたってかまいやしない。。」
 「フフフ。 1日は長いのです。 楽しんでいきましょう…?」
 レオンは、尻尾の束縛を解き、地面に僕をおろした。
 
 逃げる気は起こらなかった。
 
 レオンは、大きな足を僕に向かってゆっくりとおろす。
 
 まさか・・・
 
 「レ・・・ レオン・・・? いや、捕食欲はあっても、 破壊欲というか、グロ系は・・・  前まで無かった…   よね…?   ぐはっ!!!!」
 僕の話など全く聞く気はない様子で、足で僕を踏み潰してしまった。
 地面は堅い。 レオンは加減してるんだろうけど、僕はもう半分死にかけている気分。 いや気分じゃなくでマジで・・・。
 
 「苦しむ姿を見るのも、楽しみの一つだったりします♪」
 
 人姿で踏み潰されたらとっくに骨が何本も折れているだろうが、猫姿の場合は、さすがに柔軟性にたけている。 骨は折れることはなさそうだが…。 結局、痛いことに変わりはない。
 
 「僕は… これは僕はムリっ…」
 「フフフ。いいですよ…。」
 そう言うと足をどける。
 意思は残っていたものの、もう体は動かなかった。
 荒く息をつく事しかできない。
 
 レオンを視界の隅に捉えた。
 
 舌なめずりをし、恐ろしい顔で笑う。
 ただのニヤリという笑いだったのだろうが、僕にとって、体中の毛が一気に逆立つような笑いだった。
 
 今度は、尻尾を使わなかった。
 
 地面に横たわる自分にむかって、首を伸ばしてくる。
 
 見たくなくなって目を強く閉じた。
 
 
 
 このまま意識が途切れればどんなに良かったことか…。
 
 僕は意識は強く保たれたままだった。
 
 
 「ハァ・・・・」
 レオンの生臭い息吹きが体を包む。
 逃れようと体をひねると。痛みが体を走る。
 
 「私はまだ物足りません。 あなたの苦しむ顔がもう少し見たいのです。 食べられるときの苦痛の顔が一番いいのですが、食べてるのは私ですからそんな顔見たくても見れないのですよ。。。  ならば…。」
 
 僕の体に、先ほどの痛みとは比にならないほどの痛みが走る。
 「あ"あ"っ!!… ぐぅ・・・・・ うわああああああっ!!!!」
 しかも一瞬ではなく、痛みは継続し続ける。
 逆らいきれず、目を開く。
 
 レオンの目が目の前にあった。
 
 レオンは僕に牙を立てて僕を咥えているのだった。
 噛みつく力を強めるたびに、僕の体に牙が食い込む。
 
 僕は悲痛な叫びを繰り返す。
 「その声、その顔が私の求めていたものなのです!! もっと叫んでください。。 もっと。。」
 レオンは顎の力を強める。 僕はさらに叫ぶ。
 
 顎の力が緩む。
 
 僕は痛みに涙を流している。
 苦しすぎて気が付かなかった。
 
 
 
 
 
 「・・・死にたい。」
 僕は自分の呟きに耳を疑う。
 
 僕は、こういった言葉は絶対に言いたくなかった。
 何もかも、すべての事は、乗り越えられるもの。
 自ら死を望むなんてことは、僕の中ではとてつもない恥であった。
 
 
 視界が涙か、苦しみかでぼやける。
 レオンの口の中。 思考が素早く巡る。
 
 その時初めて、レオンが魔法を使っていたことに気付いた。
 
 レオンは僕に、気を失わないように、そして苦しみを増幅させるように魔法を使っていた。
 苦しみが増幅しすぎて、「死」の苦しみを超えてしまったのかもしれない。
 そして自分が無意識にそれを呟いたのだろう。。。
 
 
 これは…。
 
 
 
 ……りま…た…? ……目。………しみ………るこ…。
 
 
 
 頭の中に言葉が響くが、意識が遠のき始め、聞きとれなかった。
 誰の声かも分からない。
 
 「では、私のものになってください…。」
 レオンは、口を開き、咥えていた僕を口に落とした。
 
 
 龍の舌。
 別の視点から考えるのなら、舐め殺すための部位ではないか…。
 そんな死に方は大いに御免だが。
 
 
 その舌が、僕を味わい、楽しむかのように僕の体を這い回った。
 唾液はご馳走を前に無限に湧き上がり、僕はその唾液を何回も飲んでしまう。 もちろん不味い。
 レオンの口の中は広い。
 その中を、飴玉のように転がされ、動くたびに僕は体の痛みに悲痛な声を上げる。
 
 
 しばらくすれば、僕はもう粘液の塊となっていた。
 
 「ほら。 私の吉祥。 私のものになりなさい。。」
 その声は優しい。
 母親のような温かさ。(間違っても、肉壁による温かさではなく。)
 その度に、眠りそうになるが、体の痛みで急に現実に引き戻される。
 
 
 そしてついに、感覚が遠のくのを感じた。
 
 体の痛みが離れていき、温かい言葉と、肉壁の生々しい感覚だけを感じる。
 
 
 アタタカイ。 ネムッテシマイタイ…。
 
 
 
 レオンは舐めるのをやめた。
 
 そして、飲み込もうと顔を上に傾ける。
 
 
 レオンのかけた力。 気を失わないようにしている力が残っているようだ。
 感覚が麻痺して、体の痛みは感じなくなったが、意思は残っている。
 
 
 
 舌の上で力尽きる僕。
 
 それを弄び、仕舞いに自分の物にしようとするレオン。
 
 
 僕は舌の上をズルリと滑り、喉の穴に落とされた。
 
 グチュウ… ブチュリ…
 
 喉の肉壁によって、体内へと運ばれる。
 
 
 そして、ついに少し広い空間に出た。
 
 
 胃袋だ。。
 
 
 胃袋に落とされ、僕は夢想と現実の狭間を彷徨っている気分だった。
 
 頭はまともに回らず、体も動かせない。
 
 
 ただ自分の毛皮から、胃壁と胃液を感じるだけ。
 
 
 
 
 頭の奥で、プチンと音が鳴り、僕はすぐに気を失った。
 
 
 レオンが気を失わないように使っていた力を解いたのであった。
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|  Re: 5日間の気まぐれ ( No.4 ) | 
| 日時: 2010/07/04 22:11名前: ケイル
 
レオンくんは意外とひどい人なのかも知れないですねwしかし主人公も食べられたい願望がある子なので、
 このくらいで釣りあいが取れてるのかも・・・?w
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|  Re: 5日間の気まぐれ ( No.5 ) | 
| 日時: 2010/07/05 00:29名前: リオレイア
 
主人公いいなぁ…レオンに食べられてみたい…
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|  Re: 5日間の気まぐれ ( No.6 ) | 
| 日時: 2010/07/06 23:53名前: 吉祥(れす)  <sho.horn@hotmail.co.jp>
 
>ケイルさん明らかなる自分の中のキャラ崩壊ww
 まあ、自分の中だけなので問題なしww
 食べられたい願望と、食べられたくないプライドの葛藤を書きたかったけど、ただのイジメに・・・ww
 
 >リオレイアさん
 実はそういうコメが付いたのがほぼ初めてだったりするのですよww
 ちょっと嬉しいですwww
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