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豪雨の夜に
日時: 2010/05/10 22:05
名前: セイル

Wyvern-D様の影響を受けて書いてみました。
モンハンでクシャルダオラです。
グロはあるかもしれないです

Page: 1 |

Re: 豪雨の夜に ( No.1 )
日時: 2010/05/10 22:07
名前: セイル

ザァァァァァァーーー
もの凄い豪雨が密林に降りしきる。
・・・スコールと言うやつだろう。
そのスコールは薬草を探していた僕にも降りかかった。
手持ちが無く、店も閉まっていたために、夜遅くにクエストを受け、薬草を取りに来ていた。
「よいしょっ・・・と。」
薬草は十分に見つかったので、重い腰を上げた時だった。
「おい、お前。」
「はいっ?・・・っ!?」
唐突に声をかけられた。ゆっくりと後ろに振り返って、
声を失い、息を飲んだ。
「こんな夜遅くに客人とは・・珍しいものだ。」
「え・・あ・・ぁ・・ク、クシャルダオラ・・・」
クックックッと間抜けな表情の僕を見て面白そうに笑っている。
「っッ・・・」
慌てて後ずさり、武器に手をかけようとするが、体が上手く動かず、武器を持てなかった。
その蒼い竜眼に見据えられただけで体が重圧に耐えられなくなっていた。
「おやおや?どうしたのだ?そんなに強ばって?」
しかし、そんな僕をよそに飛んできた声は恐ろしいものではなかった。
「ハハッ、私が恐いのか?」
プツリと緊張の糸が切れ、ペタリと地面に腰をおろしてしまった。クシャルダオラの罠かもしれないのに。
「運が良かったな。私は今、お前を狩る気にはなれない。
まぁ、お前にその気がないならな。」
僕は慌てて首を横に振った。
「だが、このまま見逃す・・・と、言う訳にはいかんぞ?
私は最近、お前ら人間に少し興味があってな・・」
クシャルダオラがこちらを見据えたまま、周りを回り始める。
「少し・・遊ばせてもらおうか・・」
長い体が巻き付くようにジリジリ近づいてくる。
「ひぃ・・ま、待ってっ・・」
「なに、痛い事はしないさ。大人しくしていればな。」
「えっ・・ちょっ・・た、助けっ・・・」
強靱な前脚で地面に押し倒され、そのまま、上に脚が乗せられた。苦しい・・息が詰まる。
「おっと・・すまん。ちょっと、強いな。」
胸の圧迫が緩くなった。呼吸ができる。
恐らく、この手加減がなければ、ペシャンコだ。
ベロリ・・・・
「ぅひぃ!!」
僕の首筋をピンク色の舌が舐め上げた。
ゾクゾクと寒気が一気に体を駆け上がる。
その反応を見て、またクシャルダオラが笑う。
「フフフフ・・これはどうだ?」
アグッ・・ムグッ・・・・アグアグッ・・
「!!!?」
今度はその首筋に酷く鋭利な牙が突きつけられた。
絶妙に加減されており、皮膚に食い込むだけ。
口内の舌と唾液を感じる。気持ち悪い生暖かさだ。
「あわわわっ・・・・」
まだ、血は出ていないが急所に牙を突き立てられ今にも喰い千切られそうで、本能として暴れてしまう。
「こ、こら!大人しく・・・」
ブッ・・ジワ・・・
大人しくさせようとしたためか牙に力がこもり、皮膚を喰い破り、血が流れ出す。
「うわあぁぁぁぁぁっ!!」
ヒュッ・・・ゴッ!
「がっ・・・」
クシャルダオラが僕の何倍もの質量を持つ前脚を僕の腹に勢い良く振り下ろした。
腹部に凄まじい衝撃を受け、僕は気を失った。

 * * * 

やってしまった・・・・
人間の首からは血がじわりと滲み出ており、気絶していた。鬱陶しかったために手加減したつもりだったがこの結果だ。が、反省はしない。
「取りあえず・・・持って帰るとしよう・・」
遊ぶだけだったのだが・・こんな事になるとは・・・

 * * * 

「ぅん・・・ん・・・」
僕が目を覚ますと、そこは見慣れない場所だった。
腹が痛い。多分、凄まじい痣が出来たと思う。
「起きたか。」
と、溜息を付く何か。
「ひっ!た、助けっ・・・」
「大人しくしていろといっただろう?」
「ひゃあっ!?」
思わず振り返り、さらに悲鳴を上げた。
クシャルダオラの口から血がボタボタと滴っていたのだ。
「ぼ、僕の体っ!た、食べられたっ・・・?」
腕を見た。腕はある。足も、体も。・・全部ある。
「・・・何故、お前を喰わなければいけない?お前の首を咥えていたからだ。止血する為だ。」
言われて気付いた。首に血が止まっていた。
「さて・・お前に一つ聞きたい。答えたら返してやろう。」
「本当?」
「ああ。嘘を付いてどうする。」
「・・そだね。それで?」
僕はその言葉を聞いて背筋が凍った。

ー人間は喰ったら美味いのか?ー

「そ、それは・・つまり・・ぼ、僕を・・・た、食べるつもり・・?」
「ん?駄目か?そのつもりだったんだが・・・」
「だ、駄目!」
再び、クックックッと笑うクシャルダオラ。
まずい、ここから逃げなければ!
「質問には答えたから・・・」
「逃がさんっ!!」
クシャルダオラの反応は速かった。
バサァッと翼を使って、小さく飛び上がると、前脚で僕を簡単に捕まえた。
また、強靱な前脚に下敷きにされてしまった。
「さ、最初からそ、そのつもりで・・・」
「いや・・ここに戻ったらふと思い出してな。前から興味があってな、何時もは鉱物を食べるんだが、たまにはな。」
この時のその笑みはとても冷徹に見えた・・・
Re: 豪雨の夜に ( No.2 )
日時: 2010/05/11 18:01
名前: リオレイア

うおーっ!
クシャル氏も登場ですか!セイルさん、此処まででも美味しいです!
どうしよう…モンハンネタで捕食かいてみようかなぁ…
続きが楽しみですぅ。
でも羨ましいな、彼。興味があってならば消化されずにすむかも…
Re: 豪雨の夜に ( No.3 )
日時: 2010/05/11 20:19
名前: リーフ◆xxB7HlIeckU

クシャルダオラ…ですかw

すごいですw
Re: 豪雨の夜に ( No.4 )
日時: 2010/05/11 22:32
名前: ケイル

モンハンはよく知りませんが、ドラゴン系のモンスターが多いようなので、
こういうネタは色々と作れそうですねw
人間とドラゴンの関係っていうのはいいですねー
圧倒的な強者が、人間の次元で話しているようなこの感じっ
Re: 豪雨の夜に ( No.5 )
日時: 2010/05/12 17:01
名前: リーフ◆xxB7HlIeckU

なんというか すさまじいですぅw

そのうちミラルーツとかラオシャンロンとか使われそうです…w
Re: 豪雨の夜に ( No.6 )
日時: 2010/05/13 20:06
名前: セイル

お待たせいたしました。続きです。
ここ最近眠いのでいい作品にならないかもです。

「そんなに恐がる事はないぞ?別に殺そうと言う訳ではないのだぞ?」
「ぅう・・で、でも・・・」
「安心しろ。特に痛い事をするつもりはないからな。」
「ほ、本当っ・・・・?」
「ああ、約束する。だから・・・いいな。」
ガパッと粘っこい音を立てて、クシャルダオラの大口が開かれた。唾液の糸を引き、ピンク色の舌が忙しく動く。
その奥に広がる喉と言う暗闇。
ゆっくりとそれが近づくにつれ、影が全身を覆う。
「ぅぅ・・・あ、あぁ・・」
今、約束を交わしたとは言え、流石に恐怖を覚える。
自然に体が震え、体が上手く動かない。
「んんっ!?ん〜〜!!」
突然、クシャルダオラが顔を横にしたかと思うと、その舌が口の中に差し込まれ、そのまま顎の後ろ骨まで口で塞がれた。
グチュッ・・ヌチュ・・ニチャッ・・
僕とクシャルダオラの唾液が混ざりあい、不快な音が頭にまで嫌に響く。
「んっん〜〜・・・う・・ぇっ・・」
舌は恐らく喉まで侵入しており、無理矢理その唾液を飲まされる。生暖かく、生臭い、不快感の固まりを。
ヌチャァ・・・ドロォ・・
押し返そうともクシャルダオラにかなうはずもなく、
さらに唾液を飲まされてしまう。
「んっ!んん〜〜〜!」
顎の後ろ骨と共に、口と鼻まで塞がれているので、呼吸がきつくなっている。
前脚に押さえつけられていない両足をばたつかせた。
と、牙にグッと力がこもる。
大人しくしていろ。と言う意味だろうか?
仕方なく足でばたつくのを止め、大人しくした。
すると、牙から力が抜けた。
ジュルルッ・・・ドロォッ・・ポタタッ・・
舌が口から抜かれ、離れた顎に戻っていった。
その間に唾液が糸を引き、その口元から滴る唾液と共に地面に垂れていった。
「ふぅ・・久々の感触だな。」
「うぇっ・・ごほっ・・げほっ・・」
僕は慌てて咳き込んだ。でも飲んでしまった唾液は吐き出せなかった。あの生暖かさがまだ残っているーーー
気持ち悪い。その一言だ。
「駄目だ・・・お前を見ているとどうも、食欲を抑えられないな。今すぐお前を喰らいたいぞ・・」
ペロリと舌が現れ僕をジッと見つめたままクシャルダオラが舌舐めずった。
「待ってっ・・・助けて?おねが・・・」
立ち上がろうとして言葉を失った。体がやけに痺れる。
「私の唾液を飲んだのか?」
「・・う・・・んっ・・・」
声も出しにくい。と、言うかあの状況で飲まないほうがおかしいと思う。
「主食である鉱物の中には人体に悪影響を引き起こすものがあったような気がするが・・・いいだろう?」
「いいわけない・・・」
ベロリ・・・・
「ぅひぃっ!!」
首筋にゆっくり舌を這わせ、体温と味を奪い取る。
「私に喰われて気を失うのだから構わないはずだ。」
「えっ・・・・・」
「それにしても・・・お前は良い味をしている。もう喰いたくてウズウズしているのだ。覚悟はいいな。」
グッと僕の目前にまで顔を近づけて重々しく言い放つ。
その表情には冷徹ではなく、確かな笑みが浮かんでいた。
ベロリッ・・
滑らかなピンクの舌が頬を撫でた。
生暖かい・・・いや、冷たい・・?
(・・感覚まで・・おかしくなって・・る?)
意識がぼやけ、いまいちハッキリしない。
だが、次の瞬間に現実に引き戻された。
右腕に鋭い痛みが走った。
「う・・うわぁ!」
よく見れば右腕の皮膚をクシャルダオラの牙が喰い破っていた。鮮血が流れ、腕と口を紅く染める。
ペロ・・ペロペロッ・・・
しかし、出血量は少しだ。どこかを少し切ったぐらいの。
クシャルダオラはその血を欲するかのように、腕を咥え、血を吸い出し、それを執拗に舐め取っていた。
「痛いよ・・・痛い事はしない・・って・・・言ったでしょ・・?」
「・・少しぐらいは我慢出来るだろう?」
「うぅ・・うう・・ひっく・・えぐっ・・・」
痛みと恐怖が複雑に入り交じり、僕は遂に泣き出してしまっていた。冷たい涙が頬を伝い、地に落ちる。
「・・・・分かった、分かった。私が悪かった。だから・・・な?泣くな。」
僕の冷たい涙をクシャルダオラの舌が舐め取る。
「うう・・ひっく・・っぐ・・」
「悪いが・・私の好奇心に付き合ってくれ。付き合ってくれたら、必ず帰す。今度こそ約束しよう。」
「ひっぐ・・ほ、本当っ?」
「ああ・・だから、もう少しだけ・・・な?耐えてくれ。」
「う・・ん。絶対・・だよ・・」
分かりにくかったが、その表情には確かに優しい笑みがあった。
アグッ・・・ムググッ・・・
クシャルダオラが左腕を甘噛みし始める。
「んっ・・・あぁ・・・あう・・」
牙が皮膚に食い込んで、時折、ちくりとした痛みが襲って自然と喘いでしまう。
その声に反応し、クシャルダオラが心配そうな目を向ける。
「大丈夫か・・・?」
「う・・うんっ・・・」
苦しげな声が漏れた。だが、甘噛みの加減は変わらない。
体のあちこち甘噛みされて・・数十分。
「・・・そろそろ、いいな?」
「はっ・・はふっ・・う、うん・・・」
互いの息は荒い。クシャルダオラはすでに興奮しており心配そうな目はもう向けてこなくなっていた。
ハクッ・・
口が僕の両足を咥え、宙に持ち上げられた。
クッ、クッと何度も咥え直しながら口内に僕を引き込んでいく。
そして、バクンという小気味のいい音を立てて、クシャルダオラの巨口が閉じられた。
口の中という暗闇に一人放り出された。
Re: 豪雨の夜に ( No.7 )
日時: 2010/05/14 02:05
名前: リオレイア

甘噛み数十分www
羨ましい…
それにしても可愛いなぁ、このクシャル君…
もし逢えたらペットにしたい…いやペットにされたい
Re: 豪雨の夜に ( No.8 )
日時: 2010/05/15 00:05
名前: ケイル

え、エロイww
食欲を抑えられないと舌を突っ込んじゃう子なのか
しかし性格は意外と律儀そうで可愛いですねw
Re: 豪雨の夜に ( No.9 )
日時: 2010/05/16 17:51
名前: セイル

>リオレイア様
モンハンネタ・・是非書いてみては?
結構楽しいですよ。

>ケイル様
コメントありがとうございます。
モンハンを知らないとは・・とても驚きです。
た、楽しんで頂けますか?
この子は律義じゃないんですよ〜
この先ですが。
Re: 豪雨の夜に ( No.10 )
日時: 2010/05/16 17:56
名前: セイル

続きです。

ヌチャリと唾液の水音を響かせて、舌が動き、僕を弄ぶ。
ヌチュ・・ヌチュ・・・グチャッ
グニュッ・・・グチュ・・ニチュッ・・・
「う・・はっ・・・うふっ・・・」
薬草を取るだけだったので防具は着ていなかった。
服が粘っこい唾液をすぐに吸って、ねばねばになり重くなる。
服が体が、口内と同じ獣特有の生臭さを放っている。
「っ・・・う・・わっ・・」
顔も唾液に包まれ、再び唾液をいくらか飲んでしまっていた。ドロッとした唾液が喉に詰まり、呼吸が妨げられる。
そんな僕を舌が高粘性の唾液のたまった下顎にふりおとした。ドチャッと生々しい水音を上げて、唾液風呂に首まで一瞬で浸かってしまった。
自力で這い上がろうにも、鉱物の悪影響で体は麻痺し、上手く動かない。
体は粘つき、生暖かさが直に体に伝わる。
グチュチュ・・・グググ・・
「っう・・・は・・・っ・・」
その上から舌が腹部を中心に強く押さえつけてきた。
虫の息に近い呼吸が・・・止まる。
「かぁ・・っ・・・や・・・やめ・・・てぇ・・」
声を絞り出す。だか、それはとても小さく人間でさえ多分聞き取れないほどだった。
「っ!げほっ!がはっ!う・・えぇっ・・・」
腹部の圧迫が消えると同時に激しく咳き込んだ。
喉に詰まった唾液を吐き出し、大量の生臭く、生暖かいクシャルダオラの吐息を吸って・・・噎せた。
さらなる吐き気を催し、目に涙が浮かんだ。

 * * *

人間を口に引き込んでから数十分もの間、私はただ口をモゴモゴしていただけだった。
この人間は非常に美味だった。私の好奇心を満たすのに十分過ぎていた。どんな鉱物でもこのような上品な甘さの中に後を引く微かな苦みを私に与えてくれるモノはなかった。私はこの幸福をもっと堪能していたかった。
だが、私の欲望でこの人間をこれ以上苦しめるわけにはいかないのだ・・・どうしたものか。
そんな中、舌はさらなる味を欲して、本能で忙しく蠢いている。
口内からあふれた唾液は涎となって、顎から地面に滴っていった。
そして、私は一つの案を思いついた。

ーこの人間を長く味わいたいのなら、傷つける事なく、この人間を丸ごと呑んでしまえばいい。ー

 * * *

グチュッ・・・ニチャァ・・
舌が僕を唾液風呂から拾い上げ、束の間の休息があたえれた。乱れた呼吸をどうにかしようとしていると、突然舌にゆっくり傾斜が付いていく。
「わ・・・あわわ・・・」
唾液まみれで摩擦のない僕の体はズルズルと抵抗できないまま舌をゆっくり下っていく。
落下を止めようと何かを掴もうとしても、掴む物は何もなく落下は止められない。
グチュ・・グチュ・・んぐ・・・んぐっ・・
喉の筋肉が生々しく動き、先に下る唾液が何度も燕下されている。
「うぅ・・・誰か・・た、助けて・・・」
クシャルダオラに言われて覚悟はある程度は決まっていたはずなのに、いざそうなると思うとやはり恐い。
もう、呑まれるしかないと分かっていても救いを求めてしまっていた。
しかし、無情にも、喉の筋肉が僕の足を包んだ。
んぐ・・んぐ・・と僕を喉へと強く呑み込む。
ろくな抵抗もできない僕は簡単に引き込まれ・・・
ゴクリッ・・・
そのまま呑み下されてしまった。

蛇が体を絞め付けるように食道の肉が粘液を纏って、体を蠕動として体を絞めつける。
また、呼吸が妨げられる。さらに喉から唾液が降り、いくらか唾液も飲んでいた。
グジュ・・ニチャァ・・・ジュブッ・・
生々しい水音を上げゆっくりと長い食道を燕下されていく。
クシャルダオラの体内にあとどれだけ酸素があるかは分からない。頭がぼーっとしている。
グチュ・・・ニチャァ・・ドプッ・・・
グジュグジュ・・・ニチュッ・・・ジュルル・・
食道を下る速度が遅くなっているのが分かる。
もうすぐ、この肉洞は終わりそうだ。
グジュルッ・・ドチャッ・・
足が噴門を押し広げ、そこから唾液よりも最悪な、高粘性の胃液の上に落ちた。
・・・クシャルダオラの胃袋に到着した。

 * * *

ゴクリッ・・・
人間を初めて呑み下した。その行為に体が震えた。
いつも冷たい喉に人間の温もりを感じる。
あぁ・・暖かい。
今日は冷たい噛み砕いた鉱物が通る狭い喉を暖かい人間が通っている。とても気持ちよく、幸福だ。
さらに唾液が分泌され口内から溢れた唾液がボタボタと滴り続けている。
「もっと早くに人間を喰らうべきだった・・・こんな美味いモノを味わなかったとは・・・」
体を横に倒し喉の膨らみに手を当てた。
人間が私の喉を生きながらに確かに下っている。
その膨らみを妖しい目で見つめながらさする。
もう、約束などどうしたものか・・・
膨らみ、人間が食道を下りきり・・・
「あぁ・・・」
胃袋に落ち込み、腹を膨らませると体がまた震える。
満足感に満たされ、気分が高揚し頬がほんのり赤くなった。
「人間・・・なんと美味い食い物よ・・・」
腹の膨らみを妖しい手つきで愛しそうにまさぐっていた。

 * * * 

クシャルダオラの胃袋は鉱物を溶かすため超強力な胃酸が分泌、そのために刺激臭がきつく、鉱物と相まってガスが胃袋内に充満していた。
すぐに意識がぼやけ始める。さらに温度も高い。さらに湿度も高い。もはや、サウナ状態だ。
汗がドッと分泌され、喉が乾く。
(もう・・・溶かされてもいいから・・・早く・・楽に・・なり・・た・・・)
次の一瞬で・・・意識は飛んだ。
Re: 豪雨の夜に ( No.11 )
日時: 2010/05/16 18:52
名前: リオレイア

うわぁ…なんて鬼畜…
人間を喰らいたいのならお次は僕を(マテ
そして、その強力な胃酸でドロドロに溶かして下さい!!
Re: 豪雨の夜に ( No.12 )
日時: 2010/05/16 20:39
名前: ケイル

人の味を覚えてしまったモンスター・・・恐ろしい!
結局欲望に負けて人を食べてしまうあたり、
人外っぽさがでていてすごく好きです。
そして液体描写が非常に丁寧で、こちらまで唾液風呂に浸かってる気持ちになりますw
Re: 豪雨の夜に ( No.13 )
日時: 2010/05/17 20:10
名前: Wyvern-D  <yusei@mxi.netwave.or.jp>

ぉ・・・凄・・・凄過ぎ・・皆文章書くの上手いなぁ・・・・
そういえばクシャルだけですね、前脚使えるの。
(・・・・翼じゃ前脚で押さえつけてもらえないなぁ・・・
Re: 豪雨の夜に ( No.14 )
日時: 2010/05/17 21:21
名前: IK

古龍系ですかww いいですねー
Re: 豪雨の夜に ( No.15 )
日時: 2010/05/18 07:40
名前: セイル

いよいよ最後の更新です。

ハッ・・・いつの間に・・
私は不意に眠りから覚めた。
満足感に満たされててから知らぬ間に眠っていたようだ。
さて・・どうしたものか・・
重い体を起こし、腹の膨らみに手を当てた。
まだ、温もりを感じられる。
どうやら、消化しきってはいないようだ。だが、消化途中でもないとは言い切れない。もしかすると体の一部はもうないかもしれない。
「・・・吐き出すか・・」
溜息を一つ。私はこの人間を吐き出すことにした。
この近くには小さな村がある。そこを襲えば、何十人もの人間を味わうことができるが、その全員がこの人間のように美味いとは限らない。
それなら、この人間を飽きるまで好きなだけ味わうほうがいいと考えたのだ。
(・・・どうやって・・・吐き出すのだ?)
しかし、困った事に食べたものを意図的に吐き出す方法を私は知らなかった。体調不良の時のように吐き出せばよいのだろうが今はそうもいかない。
「ん・・・・んぐっ・・・っ・・」
使いなれていない胃と喉の筋肉をぎこちなく動かし、手も使ってどうにか押し上げようとするも・・・
ゴクリッ・・
すこしでも油断すると再び呑み下してしまう。
このまま、この人間を消化してしまえばこの極上の美味を味わう事が二度とできなくなるかもしれない・・・・
そうはいかない。
呑み込んだ人間を吐き出そうと、試行錯誤すること数十分。一度呑み込まれてから何度も胃袋と食道を行き来したのはこの人間が初めてだろう。
「んぐっ・・・おぅ・・・」
人間が胃袋から噴門をこじ開け、食道、喉を戻ってきているのを確かに感じられる。
もうすぐ、人間を吐き出せる。
んぐっ・・・ゴプッ・・・ドチャァッ・・
大量の胃液、粘液、唾液と共に意識のない人間がクシャルダオラの体内から吐き出された。
「ハッ・・・ハッ・・ハッ・・何とか間に合ったようだな・・・クフフ・・・」
服の大半がドロドロに溶かされ、粘つく糸を地に引いているが体に胃液がかかり、溶かされた様子はなく。
ただ意識を失っているだけだ。
とりあえず、この食い物の命の無事は確認できた。
「この人間が目覚めるまでもう一眠りするとしよう。」
人間に巻き付くように体を寄せ、目覚めたら向き合う形になるように眠りついた。
 
 * * * 

冷たい・・・体がひんやりと冷える。
そうか・・僕は死んだんだ。
クシャルダオラの胃液にドロドロに何一つ残されずに消化されて、糧となって死んだのか。
ここはこの世ではない。目を開けたくない。
開けたらそれは自分の死を肯定する事になる。
空気は冷たい。目を開けたくない。
だけど、目を開けない事には始まらない。
恐る恐る目を開けた。
「わっ!?」
目を開けるとすぐ目前にクシャルダオラの顔がある。
「む・・目が覚めたか?」
「え・・あ、あれ・・・僕っ・・・っ!?」
何故、現実にいるのかを確かめようとしてすぐに気付いた。
服の大半が胃液で溶けて恥ずかしい部位がちらりと見えそうである。
だから僕は頬を赤らめてクシャルダオラを見た。
「私はそういう趣味はないぞ。」
「えへへ・・・そうだよね・・」
「・・全く・・村に帰って仕度をして戻ってこい。」
「えっ・・ど、どうして・・?」
冷たく、潜められたその声に嫌な予感が・・
「お前の味が気に入ってしまってな。私は人間を喰うことにしたのだ。次の人間が見つかるまではお前が私に喰われ続けるのだ。」
「そ、そんなの約束にないよっ・・・」
「別に構わないぞ?その時は、お前に村に行って全員丸呑みにして私の腹の中で皆に逢わせてやることもできるのだぞ?」
「・・・っ・・そ、それはっ・・・・」
「なに、次の人間が見つかるまでは丸呑みにしても殺しはしない。まぁ、苦しい思いはしてもらうがな。」
クシャルダオラがにやりと笑い顔を近づけてきた。
ベロリッ・・・
「う・・・ひぁ・・・」
「早く私の舌を・・腹を・・胃袋を満たさせてくれ・・」
頬に生暖かいねっとりとした唾液が塗り込まれる。
早く味わいたいが為に愛おしそうにじっくりと舌が首から頬を這っていった。

あぁ・・どんな未来が待っているんだろう・・・
・・どんな未来だって、暗いものなんだろうな・・

 * * * 

ボタタッ・・・ボタッ・・・ドロォッ・・グチュァッ
今日も僕の頭上にスコールが降る。
でも、いつもとは違う。
生暖かくて、生臭くて、ねっとりと粘性の強い雨。
僕を喰らいたくて待ちわびるクシャルダオラの唾液のスコール。
「クフフ・・今日もお前をたっぷりと味わって丸呑みするとしよう。」
ジュルリッ・・・ベロ・・
口内にたまる唾液を飲み込みながら舌舐めずりして、じっくりと舌を這わせ、唾液を擦り込み、その間に唾液が無数に糸を引く。
「クフフ・・まだお前を味わえる。なんと幸せな事だ。それではまたせたな。頂くとしよう。」

バクッ・・ムグッ・・アグッ・・ジュルルッ
・・・ズリュッ・・・・

ーゴクンッー

ー人間は美味い。ー
Re: 豪雨の夜に ( No.16 )
日時: 2010/05/18 13:00
名前: リオレイア

う………羨ましい………
何度でも飲まれては吐き出されるなんて……
もし、その人に飽きたら是非とも僕を………
Re: 豪雨の夜に ( No.17 )
日時: 2010/05/18 17:58
名前: Wyvern-D

自分が美味いのか気になる・・・・・・
Re: 豪雨の夜に ( No.18 )
日時: 2010/05/18 20:59
名前: ケイル

生かされはしたものの家畜状態になっちゃいましたねw
ドラゴンとの半愛情半鬼畜みたいな関係っていうのはいいなぁ
そして全体的に粘液描写もさることながら、
竜の体温を感じさせるような描写が、臨場感を味わえて素敵でしたっ

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