Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.1 ) |
- 日時: 2010/04/02 18:19
- 名前: セイル
- 「んんっ・・・あ、あれ・・」
僕は不意に目が覚めた。 確か、黒狼の胃袋の中にいたはず・・ それなのに目をあけると自宅の白い天井が視界に入った。 「あはは・・・ゆ、夢か・・・」 まだ、生きていられる喜びと妙に現実感を持った正夢のような夢に自然と笑っていた。 しかし、そうあって欲しい心に対して、体はあれは現実だと言い張っている。 「夢なんだ・・あれは・・・うっ!」 そうであって欲しかった。もう二度と黒狼にあんな唾液まみれされて丸呑みにされるなんて御免だった。 唾液まみれにされた事をふと思い出し、衣服のにおいを嗅いだ。 ーー臭いーー 「うぇっ・・おえぇ・・」 獣独特の生臭い臭い。確かにあの黒狼の唾液の臭い。 それも吐き気を催すほどの高濃度の唾液が染み込んでいた 微かにツーンとする刺激臭がする。それは多分黒狼の胃液 そう・・それらは黒狼の丸呑みされた事を確立するのに十分すぎた。 「・・やっぱり・・僕は・・黒狼に喰われた・・・夢なんかじゃなかった・・・おええっ・・」 あの、高粘性の舌の触覚。狭い肉洞・・食道の生々しい感覚。唾液の臭い。ねっとりとした口内。胃袋の中の臭い、蒸し暑さ。そして・・胃液の痛み・・ それら全てが一度に身体に蘇り、悪寒と更なる吐き気が僕を襲った。 「はぁ〜」 溜息を一つ。とりあえず命が助かったと言う事でそれらをどうにか抑え込んだ。こんな服は着ていられない。 まず、服を着替えなければならない。そのあとにでもシャワーでも浴びよう。 「よいしょ・・・・!?痛ッ・・」 いつの間にか寝かされていた床から体を起こした時、背中に鋭い痛みが走った。 まさかと思い、洗面所に直行。鏡で背中を確認した。 服は胃液に触れたことで溶けており、皮膚は赤く、所々爛れていた。恐らく、何かに触れるだけで痛むだろうが、これは先にシャワーを浴びた方が良さそうだった。 「・・また、薬草・・取りにいかなきゃ・・」 服を慎重に脱ぎながらぼそりと呟いた。 自分でも分かっている。それは、自ら、丸呑みされに黒狼に会いに行く事だと。
* * *
数日前 少年が黒狼の胃袋で意識を手放した時。 「ふぅ・・・どうしたものかの・・・」 体を横した黒狼は顔だけを持ち上げた。いわゆる伏せ状態である。 「お主は、非常に美味じゃった。それを一度だけと言うものは何とも言えんのじゃな・・これがのぅ・・」 何を考えていたのか、コクリと一人頷くと、胃袋にいる少年を前脚で押し上げる。 黒狼の体内ではグチュ・・ヌチュッと粘っこい水音を立てながら、胃袋から押し上げられていく。 胃袋から噴門を押し広げ、食道へ。 お腹の膨らみは前脚と共に上り、黒狼の喉を登り切り・・ ゴプッ・・グパァッ・・ドチャッ・・ 大量の体液、胃液と共に少年を地の上に吐き出した。 「ハッ・・ハッ・・ぶ、無事なようじゃな・・」 ポタポタと黒狼の口の端からはまだ体液が滴っている。 消化はあまり進んでおらず、少年も少しだけではあるが、 服と肌を溶かされるだけで済んだ。 本来であれば、胃袋に流し込まれた獲物は数十分もたたない内に完全に消化され黒狼の糧になってしまうのだ。 少年がここまでで済んだのは黒狼が消化を意識して遅らせていたからであった。 「起きろ。起きるのじゃよ。」 黒狼は少年を揺すりながら声をかけた。しかし、少年は意識を失っており、返事はない。 「・・無理もないかの・・儂の胃袋に収まる事など初めてじゃろうしな・・」 ハクッ・・と少年を優しく咥えた。 トクン・・トクン・・ 規則正しく、優しい心拍が口を通して感じる。 気を失ってはいるが、生きている事を確認することができた。余計な心配だったようだ。 (さて・・家に送ってやろうかの・・) この少年の匂いをたどれば家を見つけるのはたやすい。 少年に負荷をかけないように、優しく、ゆっくり一歩を踏み出した。
* * *
(ここじゃな・・・) 森を抜けて少し行った所に少年の家を発見した。 辺りには他人の家、それどころか人間の気配も無い。 ホッ・・と安心するのと同時に一つの楽しみが消えた。 (別の人間がおれば、呑み込んでやろうと思ったんじゃがのぅ・・・興ざめじゃの・・・) 小さな溜息を一つ、少年の家に歩み寄る。 窓に鼻先を引っかけ窓を開ける。 鍵は掛かっておらず、簡単に開いた。 (不用心にも程があるぞ・・・全く・・) その窓から口あたりまでを家に入れ、咥えていた少年を優しく床に降ろした。 「これで主とはお別れじゃの。全く・・惜しいものじゃ・・・主は確かに美味じゃが、儂はのぅ、それだけじゃないんじゃがの・・これが。」 なんとも言えない表情を浮かべ呟くと、窓を閉め、その場を静かに去っていった。
短くてすみませんっ。それに捕食まで至ってません。急いで書いているんですが、ポメラで打っているので誤字、脱字、見にくかったりしますが、続きもよろしくです。 こんなに短くても感想を頂けたら嬉しいです。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/04/03 04:32
- 名前: くじら
- 黒狼さんのお話続編あったのか!!
超好きです。妖艶な台詞と描写の言葉がとてもツボです。 描写の際の個々の言葉の塊でいちいちどきどきしてしまいます。 続き楽しみにお待ちしてますw
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.3 ) |
- 日時: 2010/04/03 04:47
- 名前: セイル
- >くじら様
ご返信ありがとうございます 続きを早く書き込めるように頑張っています書いていて自分でこれはヤバイかも・・・と言う部分がありました 何卒、続きをお楽しみにっ。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.4 ) |
- 日時: 2010/04/03 06:37
- 名前: セイル
- 背中はまだ痛んだ。服を着替えてから森に入った。
「えっと・・・黒狼さんはどこだろ・・・」 目的の薬草は手に入った。あとは黒狼に許可を貰うだけ。 この前よりも深く森に入った。 「うわっ・・・き、綺麗・・・」 高くそびえる木々が途切れ、とても広い広場。 その夜空に浮かぶ満月。その月光がそこを照らす。 「え・・あ、あの・・」 その広場にいたのは、巨大な白狼。そして、その周りでは、森に住む動物が白狼を取り囲むようにして眠っていた。 白狼に声をかけようとした時、パチリと片目が開き、黄色の瞳が“黙っていろ”と訴えていたのが分かった。 ゴクリ・・・とその威圧に生唾を飲み、言葉を殺した。 そこから、何分たったかは分からない。 動物たちが目を覚まし、もといた場所に帰っていった。 「どうした?何のようだ?」 唐突に顔をあげた白狼が声をあげた。 「あ、あの・・・黒い大きな狼を知りませんか?」 「?・・黒い狼?」 「薬草を持っていきたいんですが・・許可を・・・っわあっ!?」 ポケットから先ほど摘んだ薬草を取り出そうとしているといつの間にか近づいた白狼に前脚で倒された。 「痛っ・・・」 爛れた背中が地面に触れ、痛んだ。 「ちょ・・な、なにするんですか!?」 「お前・・・美味そうだな・・・」 不気味な笑みを浮かべ、ピンク色の舌で口周りを舐めずった。 「え、ちょ・・嫌だ・・た、食べないで・・食べられたばかりなのにっ・・・」 少年は両手を前に突きだして首を何度も横に振った。 「喰われるのは嫌かの?お主は。」 「え?」 いきなり口調が変わった。どこかで聞いたことのある声。 「別に痛いことはせぬよ。胃袋に入ってもらうだけじゃよ? 若干、笑みを含んだ言葉。これは本気ではない事だ。 そして、この声・・・たしか・・・ 「こ、黒狼さん・・・・?」 「ふふふ・・・騙して悪かったの。また、呑まれに来たのかの?お主は?」 「い、いえっ・・ただ、薬草の許可をっ・・」 ベロリ・・・ 「う・・・」 「う〜〜んっ・・やはり、お主は美味いのぅ〜・・・」 大きな舌が頬を舐め、唾液をベッタリと残す。 「お主が何と言おうと無駄じゃ。儂はお主を丸呑みするんじゃ。」 「い、嫌ですっ!止めてくださいっ!」 「なに、呑み込んで胃袋に入って貰っても、消化はできぬから安心せい。」 「え・・ど、どういうこと・・・」 「儂は満月の夜は白狼。命を与うる者になる。じゃから殺生・・消化はできぬよ。」 「え?え、え・・ちょっと・・・わから・・」 「儂は我慢できぬ。詳しい説明はせぬ。覚悟は良いじゃろ?早く主の味を堪能したいのじゃ!」 「待って・・じゃなくて、嫌です!」 「主も気持ちよさそうじゃったではないか。」 「そんなことっ・・・」 「駄目じゃ。今回は消化ができぬ分、激しくゆくからな!」 少年を言い分を一方的に否定すると、白狼、いや黒狼の重舌が少年を弄び出した。 ベロリ・・ヌチュッ・・・ヌチャッ・・ グチュッ・・クチュ・・・ジュルルルッ・・ 「うはぁっ・・ぁぁ・・」 服がすぐに唾液を吸い取り、臭く、重くなる。 「美味いのぅ・・・グルッ・・ゥゥ・・グルルルゥ・」 「んっ!?んん〜〜〜」 こそばゆい舌の感触に悶えていた時、口に黒狼の舌先が問答無用で侵入してきた。 ヌチュヌチュッ・・・グチュ・・・ニチュアッ・・ 「んぐっ!?んんっ・・ん・・」 生々しい水音を奏でながら口内を黒狼の舌が蹂躙する。 生暖かく、気持ち悪い。 「んっ・・ん・・・んっっ〜〜〜!!」 舌がより奥へ侵入。喉を越え、食道へ。 そこから体内へ唾液を直接流し込まれた。 「んん〜〜〜〜〜っ!?ぅ・・ぇっ・・」 ジュルッ・・・ヌチャリッ・・・ 喉の筋肉が舌を押し返すのを感じた黒狼の舌が体が出ていった。 唾液が粘っこい糸を引き、舌は黒狼に帰る。 「かぇっ・・・ご・・ほっ・・げほぉっ・・」 「ふふふっ・・・まだじゃぞぉ・・・休みはやらぬぞぅ・・・」 激しく咳き込み飲み込んでしまったねっとりとした生暖かい黒狼の唾液をなんとか吐き出そうと苦しみ、首を押さえる少年を尻目に黒狼はクフフ・・と妖しく、小さく笑みを浮かべる。 「まだじゃ・・儂の舌を楽しませるのじゃよ!」 バッ! グチュッ・・・ヌチュッ・・ ジュルルゥ・・・ニチュニチュ・・・ もう一度、少年を前脚で苦しめない程度に押さえ、舌を這わせる。粘っこい音を上げ、柔らかな舌は少年を余すことなく味わい、唾液を練り込む。 唾液が体に泡を作り、地面に糸を引く。 「ぅ・・ぁぁっ!!・・はぅうっ・・・」 「ふふふっ・・どうじゃ・・気持ちいいんじゃろぅ・・?我慢せぬとも良いのじゃぞ・?」 「ああっ・・や、止めてっ・・・」 「ヌフフ・・止めぬ・・止めぬぞぉ・・・なんと美味で・・楽しいことよ・・・」 スルッ・・ヌチュヌチュ・・・クチュリ・・ グチャア・・・チャッ・・・ トドメとでも言いたそうに、舌は服の間に入った。 「ぁ・・あはぁっ!・・や、止めてぇ・・・」 「グゥウウゥ・・・グルルルルッ・・・」 黒狼はかなり興奮しており恐らく少年の声は届いていない グチュッ・・グチャッ・・ヌチュゥ・・・ ジュルッ・・・・ゴクッ・・・ 分泌される唾液は底知れず、飲み込まなければ自然にドバドバと流れてしまいそうだった。 その一方、少年の服の下で黒狼の舌が体を執拗に舐め回す。 「ぁぁッ!・・・あはっ!!・・そ、そこはぁっ!」 「ハッ・・・ハッ・・・ゥゥゥゥゥゥ!!」 上半身の一番敏感な所に遂に黒狼が手を出した。 ビクン!と体を大きく震わせ、喘いでしまう。 「ぁぁ・・主を・・早く・・・喰いたい・・・全てを呑みこんでしまいたいっ!!」 シュルルッ・・グイッ・・・ 「うぅ・・?」 舌が服から離れたと思うとそれは首に巻き付いた。 黒狼は顔を上げ、それにつられ、少年の体が浮く。 少年の体と黒狼の舌は月光を受けて唾液が煌めく。 ボタッ・・・ボトッ・・ 黒狼の口端から唾液がドロォッと垂れ、瞬く間に唾液の池を生む。同じように少年からも唾液が垂れていく。 「じゃが・・まだじゃ・・・まだ主を呑む訳にはいかぬぅ・・・次は口内で牙と戯れようではないか。」 舌を出したまま器用に喋ると・・・ ヒュッ・・バクンッ! 「う・・わぁっ!!」 舌ごと少年を引き込んで、口を閉じる。
さあ、始まりましたね。黒狼さんの舌と唾液責め。 ちょっとえっちぃ気がします。 今回は液の描写を多くしてみました。 体内描写メインで書いていないのでそちらを期待していた方はすみません。 体液描写でどうかお楽しみくださいませ。 次はなるべく早く更新できるように頑張りまーす。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.5 ) |
- 日時: 2010/04/03 16:15
- 名前: リオレイア
- おおっ!
黒狼さんはシリーズでしたか! 例え丸呑みされても死なないとは…一晩中呑まれ放題!! 僕はドラゴン派なんですが狼もいいかな?
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.6 ) |
- 日時: 2010/04/03 17:06
- 名前: セイル
- >くじら様
ご返信ありがとうございます 続きを早く書き込めるように頑張っています書いていて自分でこれはヤバイかも・・・と言う部分がありました 何卒、続きをお楽しみにっ。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.7 ) |
- 日時: 2010/04/03 21:02
- 名前: ケイル
- 狼さんとのベロチューえろす
と思いきや、その後もなかなかえっちぃ展開でしたねw 唾液なんかの、液体の動きの描写が非常に丁寧で素敵でしたっ 体の色が変わる設定もバリエーションが楽しめていいなーと思いましたw
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.8 ) |
- 日時: 2010/04/03 22:20
- 名前: セイル
- >リオレイア様
どうも、読んで下さりありがとうございます。 黒狼はシリーズです。と言うことは前作も読んで下さったんですね。ありがとうございます。
>ケイル様 コメントありがとうございます。 ケイル様からのご感想、嬉しいかぎりです。 是非、続きをお楽しみにっ。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.9 ) |
- 日時: 2010/04/04 15:28
- 名前: セイル
- 黒狼の口内。それは一度体験した。
ねっとりした高粘性の生暖かく、生臭い唾液が真下に溜まり、上からはゆっくり、降ってくる。 蒸し暑く、生臭い臭いが漂う最悪の空間。 餌食となった者を胃袋に流し込む直前の拷問部屋。 獲物をさらに苦しめ、味わう空間。 食い殺すことも出来る、凶悪な肉の檻。 一度閉じこめられてしまえば逃げられない。 食われるのみ。飲み込まれるのみ。 グチャアッ・・・ヌチュッ・・ヌチャァッ・・ 粘っこい水音を立て、上顎と下顎との間に無数の糸を引いて、舌、口が動き出した。 (ぼ、僕は・・どうなるんだろうか・・) ニチュッ・・ググググッ・・・ 舌が持ち上がり、上顎に押しつけられる。 さらなる味を欲しがる黒狼はグリグリと小さく舌先を左右に動かしながら上顎に少年を押しつけて、味わう。 「ぅぅ・・あぁっ!」 もう疲れきった体なのに声は上がる。信じられない程に。 クチュッ・・ニチュゥ・・ 今度は下顎と舌の間に寝かされた。そしてその上から・・ 「!?んっ・・んん〜〜!」 舌に押しつけられる。粘膜と唾液の混ざる肉に顔が埋まり呼吸が出来ない。 かろうじて動く両手で舌を叩く。 「んんっ!!・・んん〜〜〜!!」 しかし、舌は動かない。息ができない。 息が・・・く、くるし・・・い・・ グニュッ・・ 「!はぁっ!!」 酸欠の直前に舌が動いた。 顔を上げ、空気を貪った。 空に近い肺に生暖かく、生臭い、黒狼の吐息を取り込む。 「んごっ・・げほぁっ・・ごほっ・・」 当然のことながら、噎せた。 グチュグチュッ・・・シュルルルッ 一息つく暇なく舌が体に巻き付いた。 自由を奪われ、口内に入る僅かな光で行き先が照らされた ・・・牙だ・・牙がある・・・ シュルルルルル・・・グニィ・・アグアグッ・・ その牙で優しく舌が解かれ、牙の上に乗せられた。 考えがまとまる前に牙は動き、体を襲った。 「あがっ・・・んんっ・・・」 あの鋭い牙で甘噛みにされていた。 皮膚を食い破らない程度の力で体に牙は食い込んで来る。 何とも言えなかった。・・痛気持ちいい? グニィ・・アグッ・・アグアグ・・ゴクン・・ 甘噛み。場所を変えられては甘噛み。 繰り返される甘噛み。少年の体は噛み跡ばかり。 しかし、体は常に唾液に晒されていた。降ってくる唾液を飲み込み、直に浴び、噛まれない部分は下顎に溜まったドロドロの唾液に浸っていた。 時折、溜まりすぎた唾液を黒狼は飲み込む。 トンッ・・・ズルッ・・ズルッ・・・ ヒョイッ・・っと唐突に舌の上に戻されると舌に傾斜が付いていく。やっと丸呑みにしてくれるようだ。 舌も少年も唾液に包まれ、摩擦は存在しない。 いとも簡単に喉に滑り落ちていく。 ズルッ・・ゴクリ・・・ゴクリッ・・・ 足が食道まで飲み込まれると喉の筋肉が蠕動し、体を一気に引き込んだ。 (あぁ・・・やっと・・楽に・・) ングッ・・ゴパッ・・ 「!?」 ところが、少量の黒狼の体液と共に少し吐き出された。 そして、また喉、食道に滑り落ちていく。 そんな・・・まさか・・・・ 少年の予想は見事に的中した。 喉に滑り落とし、喉の蠕動で引き込むと少し吐き出す。 何度も飲み込む快感を味わおうとしているのだった。 「あぁ・・も、もう止めてょぅ・・・」 呑まれ、吐き出され、また呑まれては、吐き出される。 それが何十回と続いた頃・・・・ 「・・声一つだせぬほどお疲れのようじゃのぅ?ならば、そろそろ、胃袋の中に入って、休んでもらうとするかの。」 またもや器用に喋ると一気に舌が垂直になった。 やっと呑み込んで貰えるようだ・・・・ ズルッ・・・・ズルゥ・・ 少年の体はすぐに喉に滑り落ちていった。 「頂きます」 ゴクンッ!! グチュグチュッ・・ニチュッ・・ヌチャッ・・ 少年は生々しく黒狼の喉、食道に呑まれていった。
口内で弄ばれて遂に呑み込まれましたね。 実際にやられて見たいものですw 完成までもうすぐです。頑張ってます。 なんだかんだで体内描写も入れちゃいました。 お楽しみに。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.10 ) |
- 日時: 2010/04/04 18:56
- 名前: くじら
- 続き早っ!
狼って丸呑み動物として古来からメジャーなはずなのに、 こういう創作物となると少ないんですよね。嬉しい。 ねっばねばの舌責めごちそうさまです。 体色が変わっちゃうのも二度オイシイかんじ。 一作目よりも状況描写が細かくて、ラストまで楽しみです。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.11 ) |
- 日時: 2010/04/04 23:07
- 名前: リオレイア
- 狼さんの口内舌攻めにいつの間にかハァハァしていた自分。
しかし…少年も食われることを肯定しつつもどこかで嫌悪感がある…そんな心理が良く出ていて最高です! 羨ましいなぁ…
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.12 ) |
- 日時: 2010/04/05 06:19
- 名前: セイル
- ふぅ・・儂ながらみっともない喰い方じゃったの・・まぁ・・たまには良いか。」
ジュルリと口周りを舌で舐めずる。 唾液の量は凄まじいものだった。 口周りの毛が唾液に濡れるほど。 飲み込まれた少年の膨らみはゆっくり、低速で胃袋に向かって下っていく。 「ゲフッ・・・ふふふぅ・・満足、満足じゃ・・・」 少年と共に飲み込んだ空気を吐き出し、黒狼は自然と口元に笑みを浮かべる。 「主を消化できぬのは、惜しいかの?それでも良いかのぅ・・・どっちじゃかの・・・」 この少年を自分の物としたい。しかし、そうしてしまえばもう少年は味わえない。 黒狼の相反する心。欲望か食欲か。 今はどちらとも言えない。 白狼である間は殺生、消化は出来ない。 「ふぅ・・儂の腹には主がおる。くふふふ・・なんと嬉しいこと・・」 スッ・・と体を横にし、優しげな目で見つめながら、妖しい手つきで膨らんだ腹をまさぐった。 少年の暖かみが胃袋、胃壁、手を通じて確かに感じられる 狙った獲物の全てを自らが支配している。 それだけで今は十分だった。
* * *
ニチュ・・グチュッ・・・グジュル・・ 唾液と体液が何度も絡み合う。 もう聞き飽きた粘液の水音を共に率いて、真っ暗な肉洞、食道を下っていく。 蠕動時に肉に激しく締め付けられながら。 「はぁっ・・ぐぅ・・・」 黒狼が体を横にしたため、唐突に落下が遅くなる。 より長くその幸福に浸るためだろうか? 地上、口内でさんざん苦しめたと言うのに、体内でもまだ少年を堪能しようとしているのだろうか? グギュッ・・ヌチャァッ・・グジュ・・・ 蠕動。食道の肉が収縮、体を締め付ける。 少し胃袋に近づくとまた蠕動。締め付け。 ・・苦しい・・・辛い・・・ いくら何でも・・激しすぎる・・と、思う・・ グニュニュッ・・・グチャァァァ・・ドチュッ・・・ それでも時は過ぎて、噴門まで流し込まれるとそれを押し開いて、密着するほど狭い黒狼の胃袋に到着した。 「はっ・・・・はっ・・・ぅぅ・・」 極度の酸欠に陥りかけている少年の意識はぼやぁ・・としていた。 ムニュムニュッ・・ヌチャリ・・グチャリ・・ギュウッ! 「ぁあっ!?」 ただでさえ狭いはずの胃袋は今回、さらに狭かった。 少年の体に合わせて形をかえた胃壁は少年を取り込むかのようにくっつき、圧迫を始めた。 グギュ・・グチュ・・ニチュニチュゥゥゥ・・・ 胃袋がさらに粘っこい粘液を分泌し、練り込みながら体を押しつぶす。 粘液の肉たちに呑まれる少年。黒狼はこれさえも意識して行っているのだろうか? 「ぇぅ・・がっ・・ぉ・・・ぇぇっ・・」 粘液と肉が呼吸を許さず、その粘液を強制的に飲ませ、気道さえも潰してしまう。 (だ、誰かぁっ・・もう・・・む、無理っ・・・) 声を上げても粘液と胃袋が簡単に奪ってしまう。 体に酸素がついに回らない。少年は気を失った。 それは本来なら、死。 胃液が消化を始める。皮膚、肉、骨を容赦なく数分でドロドロに溶かす強酸の黒狼の胃液。 しかし、胃袋は胃液を出さない。 今の黒狼は白狼。 命を与うる者だから・・・
* * *
「んっ・・・ぅ・・」 唐突に目が覚めた。 目を開け、視界に入ったのは、真っ赤な何か。 その先に広がる暗い空間。 「え・・・く、口・・・?」 そう、開かれた口内。暗い空間は喉。 牙と口端から垂れる唾液が頬を掠める。 「う、うわぁっ!」 バッ!ガチンッ! 勢い良く顔を上げ、体を起こす。 生暖かい口内を越えた瞬間、牙が噛み合った。 「ぬ、主っ!危ないじゃろっ!?」 その声に振り返れば、すっかり黒毛に戻った黒狼が狼狽えていた。 「驚かせてやろうと思っておったのに・・・首を喰い千切ってしまうとこじゃったろうに・・」 笑えない冗談だ。 確かに加減は無かった。タイミングが合っていれば・・・・ガブリといっていたところだった。 「あ、あれ・・・僕・・・」 「ついさっき吐き出してやったところじゃ。黒狼に戻った今では主を消化してしまうからの。」 「あ・・・あ、ありがとう・・・」 「ふふ・・主からの礼は初めてじゃの。また、可愛らしいのぅ・・」 笑みを浮かべながら、ジュルリと舐めずった。 「は・・はは・・・」 「っと、主。これを受け取るのじゃ。」 「?・・これは・・?」 と、黒狼の大きな前脚から渡されたものは紐のついた鈴だった。 「主はここから自由に薬草を持っていってもかまわぬ事にする。」 「ほ、本当っ!?」 「うむ。じゃが、その時に主を見つけた場合は・・」 「・・・その場合は・・・?」 生唾を飲み込み、言葉を繰り返す。 「主を美味しく頂くかの。消化するかは分からぬが、胃袋には、しっかり入ってもらうからの。」 「え〜〜っ・・そんな・・・」 「文句を言うでない・・良いじゃろ?無償で儂の庭から持っていけるのじゃから・・・本来なら腕一本、足一本は貰うつもりじゃぞ?」 「で、でも〜〜」 「ん〜〜・・そうじゃな・・主がその鈴をつけておれば、丸呑みは止めて、呑み込む前に吐き出すと約束しよう。」 「・・・あの・・・食べるのは・・止めて・・」 「駄目じゃよぅ。それでは儂の楽しみが無くなるではないか。それに、あまり待ちを喰らわされると、今回みたいに喰わしてもらうからの。」 少し意地悪げに言う。 「・・・・・・・・・」 「まぁ・・儂はその鈴の音色を遠くからも聞き取れる。 無難に丸呑みを避けるか、丸呑み覚悟で喰われるのを避けるかは、主にまかせるからの。」 クルリと黒狼が身を翻す。 「え、何処に行くの?」 「帰るんじゃよ。儂の腹が減らぬ内に主も帰るんじゃ。」 「え・・・あ、うん・・」 「それともう一つ。」 「?・・・なに?」 「儂は主の事がどうやら、好きになってしまったようじゃ。味が美味い事もあるが、異性としての。」 「え、えぇ〜〜〜っ!?」 「主には親がおらぬじゃろう?」 「・・・・・うん・・・」 「それは儂も同じ。じゃから・・・主が愛しくて・・可愛くて・・ずっと一緒にいても良いくらいじゃ。食べてしまうかもしれぬが。」 「・・・黒狼さん・・・」 「主がここに来ぬなら、儂は主の家に行って主を味わうからの!!覚えておれ。・・さらばじゃ。」 頬を赤らめ、黒狼は少年に笑みを送ると、尾を揺らしながら、森の奥に消えていった。 「・・・・帰ろっ・・・」 少年もまた、身を翻し、帰路についていった。
* * *
バクッ!グチュッ・・・ヌチュヌチュッ・・・
ギュムッ・・アグアグッ・・グチャァっ・・
・・・・・ゴクリッ。
ーあぁ・・今宵も、なんと良きことよ・・・ー
To Be Continue?
ついに完結しました。たくさんのコメありがとうございます。最後はなんだか不思議な展開になりました。 本当にこの子が羨ましい限りです。 最後まで読んで下さりありがとうございましたっ! たくさんの感想お待ちしています。
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.13 ) |
- 日時: 2010/04/05 06:22
- 名前: セイル
- いちおう、最後まで途切れずに読みたいと言う方のために全部一気版をあげておきます。
「んんっ・・・あ、あれ・・」 僕は不意に目が覚めた。 確か、黒狼の胃袋の中にいたはず・・ それなのに目をあけると自宅の白い天井が視界に入った。 「あはは・・・ゆ、夢か・・・」 まだ、生きていられる喜びと妙に現実感を持った正夢のような夢に自然と笑っていた。 しかし、そうあって欲しい心に対して、体はあれは現実だと言い張っている。 「夢なんだ・・あれは・・・うっ!」 そうであって欲しかった。もう二度と黒狼にあんな唾液まみれされて丸呑みにされるなんて御免だった。 唾液まみれにされた事をふと思い出し、衣服のにおいを嗅いだ。 ーー臭いーー 「うぇっ・・おえぇ・・」 獣独特の生臭い臭い。確かにあの黒狼の唾液の臭い。 それも吐き気を催すほどの高濃度の唾液が染み込んでいた 微かにツーンとする刺激臭がする。それは多分黒狼の胃液 そう・・それらは黒狼の丸呑みされた事を確立するのに十分すぎた。 「・・やっぱり・・僕は・・黒狼に喰われた・・・夢なんかじゃなかった・・・おええっ・・」 あの、高粘性の舌の触覚。狭い肉洞・・食道の生々しい感覚。唾液の臭い。ねっとりとした口内。胃袋の中の臭い、蒸し暑さ。そして・・胃液の痛み・・ それら全てが一度に身体に蘇り、悪寒と更なる吐き気が僕を襲った。 「はぁ〜」 溜息を一つ。とりあえず命が助かったと言う事でそれらをどうにか抑え込んだ。こんな服は着ていられない。 まず、服を着替えなければならない。そのあとにでもシャワーでも浴びよう。 「よいしょ・・・・!?痛ッ・・」 いつの間にか寝かされていた床から体を起こした時、背中に鋭い痛みが走った。 まさかと思い、洗面所に直行。鏡で背中を確認した。 服は胃液に触れたことで溶けており、皮膚は赤く、所々爛れていた。恐らく、何かに触れるだけで痛むだろうが、これは先にシャワーを浴びた方が良さそうだった。 「・・また、薬草・・取りにいかなきゃ・・」 服を慎重に脱ぎながらぼそりと呟いた。 自分でも分かっている。それは、自ら、丸呑みされに黒狼に会いに行く事だと。
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数日前 少年が黒狼の胃袋で意識を手放した時。 「ふぅ・・・どうしたものかの・・・」 体を横した黒狼は顔だけを持ち上げた。いわゆる伏せ状態である。 「お主は、非常に美味じゃった。それを一度だけと言うものは何とも言えんのじゃな・・これがのぅ・・」 何を考えていたのか、コクリと一人頷くと、胃袋にいる少年を前脚で押し上げる。 黒狼の体内ではグチュ・・ヌチュッと粘っこい水音を立てながら、胃袋から押し上げられていく。 胃袋から噴門を押し広げ、食道へ。 お腹の膨らみは前脚と共に上り、黒狼の喉を登り切り・・ ゴプッ・・グパァッ・・ドチャッ・・ 大量の体液、胃液と共に少年を地の上に吐き出した。 「ハッ・・ハッ・・ぶ、無事なようじゃな・・」 ポタポタと黒狼の口の端からはまだ体液が滴っている。 消化はあまり進んでおらず、少年も少しだけではあるが、 服と肌を溶かされるだけで済んだ。 本来であれば、胃袋に流し込まれた獲物は数十分もたたない内に完全に消化され黒狼の糧になってしまうのだ。 少年がここまでで済んだのは黒狼が消化を意識して遅らせていたからであった。 「起きろ。起きるのじゃよ。」 黒狼は少年を揺すりながら声をかけた。しかし、少年は意識を失っており、返事はない。 「・・無理もないかの・・儂の胃袋に収まる事など初めてじゃろうしな・・」 ハクッ・・と少年を優しく咥えた。 トクン・・トクン・・ 規則正しく、優しい心拍が口を通して感じる。 気を失ってはいるが、生きている事を確認することができた。余計な心配だったようだ。 (さて・・家に送ってやろうかの・・) この少年の匂いをたどれば家を見つけるのはたやすい。 少年に負荷をかけないように、優しく、ゆっくり一歩を踏み出した。
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(ここじゃな・・・) 森を抜けて少し行った所に少年の家を発見した。 辺りには他人の家、それどころか人間の気配も無い。 ホッ・・と安心するのと同時に一つの楽しみが消えた。 (別の人間がおれば、呑み込んでやろうと思ったんじゃがのぅ・・・興ざめじゃの・・・) 小さな溜息を一つ、少年の家に歩み寄る。 窓に鼻先を引っかけ窓を開ける。 鍵は掛かっておらず、簡単に開いた。 (不用心にも程があるぞ・・・全く・・) その窓から口あたりまでを家に入れ、咥えていた少年を優しく床に降ろした。 「これで主とはお別れじゃの。全く・・惜しいものじゃ・・・主は確かに美味じゃが、儂はのぅ、それだけじゃないんじゃがの・・これが。」 なんとも言えない表情を浮かべ呟くと、窓を閉め、その場を静かに去っていった。
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背中はまだ痛んだ。服を着替えてから森に入った。 「えっと・・・黒狼さんはどこだろ・・・」 目的の薬草は手に入った。あとは黒狼に許可を貰うだけ。 この前よりも深く森に入った。 「うわっ・・・き、綺麗・・・」 高くそびえる木々が途切れ、とても広い広場。 その夜空に浮かぶ満月。その月光がそこを照らす。 「え・・あ、あの・・」 その広場にいたのは、巨大な白狼。そして、その周りでは、森に住む動物が白狼を取り囲むようにして眠っていた。 白狼に声をかけようとした時、パチリと片目が開き、黄色の瞳が“黙っていろ”と訴えていたのが分かった。 ゴクリ・・・とその威圧に生唾を飲み、言葉を殺した。 そこから、何分たったかは分からない。 動物たちが目を覚まし、もといた場所に帰っていった。 「どうした?何のようだ?」 唐突に顔をあげた白狼が声をあげた。 「あ、あの・・・黒い大きな狼を知りませんか?」 「?・・黒い狼?」 「薬草を持っていきたいんですが・・許可を・・・っわあっ!?」 ポケットから先ほど摘んだ薬草を取り出そうとしているといつの間にか近づいた白狼に前脚で倒された。 「痛っ・・・」 爛れた背中が地面に触れ、痛んだ。 「ちょ・・な、なにするんですか!?」 「お前・・・美味そうだな・・・」 不気味な笑みを浮かべ、ピンク色の舌で口周りを舐めずった。 「え、ちょ・・嫌だ・・た、食べないで・・食べられたばかりなのにっ・・・」 少年は両手を前に突きだして首を何度も横に振った。 「喰われるのは嫌かの?お主は。」 「え?」 いきなり口調が変わった。どこかで聞いたことのある声。 「別に痛いことはせぬよ。胃袋に入ってもらうだけじゃよ? 若干、笑みを含んだ言葉。これは本気ではない事だ。 そして、この声・・・たしか・・・ 「こ、黒狼さん・・・・?」 「ふふふ・・・騙して悪かったの。また、呑まれに来たのかの?お主は?」 「い、いえっ・・ただ、薬草の許可をっ・・」 ベロリ・・・ 「う・・・」 「う〜〜んっ・・やはり、お主は美味いのぅ〜・・・」 大きな舌が頬を舐め、唾液をベッタリと残す。 「お主が何と言おうと無駄じゃ。儂はお主を丸呑みするんじゃ。」 「い、嫌ですっ!止めてくださいっ!」 「なに、呑み込んで胃袋に入って貰っても、消化はできぬから安心せい。」 「え・・ど、どういうこと・・・」 「儂は満月の夜は白狼。命を与うる者になる。じゃから殺生・・消化はできぬよ。」 「え?え、え・・ちょっと・・・わから・・」 「儂は我慢できぬ。詳しい説明はせぬ。覚悟は良いじゃろ?早く主の味を堪能したいのじゃ!」 「待って・・じゃなくて、嫌です!」 「主も気持ちよさそうじゃったではないか。」 「そんなことっ・・・」 「駄目じゃ。今回は消化ができぬ分、激しくゆくからな!」 少年を言い分を一方的に否定すると、白狼、いや黒狼の重舌が少年を弄び出した。 ベロリ・・ヌチュッ・・・ヌチャッ・・ グチュッ・・クチュ・・・ジュルルルッ・・ 「うはぁっ・・ぁぁ・・」 服がすぐに唾液を吸い取り、臭く、重くなる。 「美味いのぅ・・・グルッ・・ゥゥ・・グルルルゥ・」 「んっ!?んん〜〜〜」 こそばゆい舌の感触に悶えていた時、口に黒狼の舌先が問答無用で侵入してきた。 ヌチュヌチュッ・・・グチュ・・・ニチュアッ・・ 「んぐっ!?んんっ・・ん・・」 生々しい水音を奏でながら口内を黒狼の舌が蹂躙する。 生暖かく、気持ち悪い。 「んっ・・ん・・・んっっ〜〜〜!!」 舌がより奥へ侵入。喉を越え、食道へ。 そこから体内へ唾液を直接流し込まれた。 「んん〜〜〜〜〜っ!?ぅ・・ぇっ・・」 ジュルッ・・・ヌチャリッ・・・ 喉の筋肉が舌を押し返すのを感じた黒狼の舌が体が出ていった。 唾液が粘っこい糸を引き、舌は黒狼に帰る。 「かぇっ・・・ご・・ほっ・・げほぉっ・・」 「ふふふっ・・・まだじゃぞぉ・・・休みはやらぬぞぅ・・・」 激しく咳き込み飲み込んでしまったねっとりとした生暖かい黒狼の唾液をなんとか吐き出そうと苦しみ、首を押さえる少年を尻目に黒狼はクフフ・・と妖しく、小さく笑みを浮かべる。 「まだじゃ・・儂の舌を楽しませるのじゃよ!」 バッ! グチュッ・・・ヌチュッ・・ ジュルルゥ・・・ニチュニチュ・・・ もう一度、少年を前脚で苦しめない程度に押さえ、舌を這わせる。粘っこい音を上げ、柔らかな舌は少年を余すことなく味わい、唾液を練り込む。 唾液が体に泡を作り、地面に糸を引く。 「ぅ・・ぁぁっ!!・・はぅうっ・・・」 「ふふふっ・・どうじゃ・・気持ちいいんじゃろぅ・・?我慢せぬとも良いのじゃぞ・?」 「ああっ・・や、止めてっ・・・」 「ヌフフ・・止めぬ・・止めぬぞぉ・・・なんと美味で・・楽しいことよ・・・」 スルッ・・ヌチュヌチュ・・・クチュリ・・ グチャア・・・チャッ・・・ トドメとでも言いたそうに、舌は服の間に入った。 「ぁ・・あはぁっ!・・や、止めてぇ・・・」 「グゥウウゥ・・・グルルルルッ・・・」 黒狼はかなり興奮しており恐らく少年の声は届いていない グチュッ・・グチャッ・・ヌチュゥ・・・ ジュルッ・・・・ゴクッ・・・ 分泌される唾液は底知れず、飲み込まなければ自然にドバドバと流れてしまいそうだった。 その一方、少年の服の下で黒狼の舌が体を執拗に舐め回す。 「ぁぁッ!・・・あはっ!!・・そ、そこはぁっ!」 「ハッ・・・ハッ・・・ゥゥゥゥゥゥ!!」 上半身の一番敏感な所に遂に黒狼が手を出した。 ビクン!と体を大きく震わせ、喘いでしまう。 「ぁぁ・・主を・・早く・・・喰いたい・・・全てを呑みこんでしまいたいっ!!」 シュルルッ・・グイッ・・・ 「うぅ・・?」 舌が服から離れたと思うとそれは首に巻き付いた。 黒狼は顔を上げ、それにつられ、少年の体が浮く。 少年の体と黒狼の舌は月光を受けて唾液が煌めく。 ボタッ・・・ボトッ・・ 黒狼の口端から唾液がドロォッと垂れ、瞬く間に唾液の池を生む。同じように少年からも唾液が垂れていく。 「じゃが・・まだじゃ・・・まだ主を呑む訳にはいかぬぅ・・・次は口内で牙と戯れようではないか。」 舌を出したまま器用に喋ると・・・ ヒュッ・・バクンッ! 「う・・わぁっ!!」 舌ごと少年を引き込んで、口を閉じる。
* * *
黒狼の口内。それは一度体験した。 ねっとりした高粘性の生暖かく、生臭い唾液が真下に溜まり、上からはゆっくり、降ってくる。 蒸し暑く、生臭い臭いが漂う最悪の空間。 餌食となった者を胃袋に流し込む直前の拷問部屋。 獲物をさらに苦しめ、味わう空間。 食い殺すことも出来る、凶悪な肉の檻。 一度閉じこめられてしまえば逃げられない。 食われるのみ。飲み込まれるのみ。 グチャアッ・・・ヌチュッ・・ヌチャァッ・・ 粘っこい水音を立て、上顎と下顎との間に無数の糸を引いて、舌、口が動き出した。 (ぼ、僕は・・どうなるんだろうか・・) ニチュッ・・ググググッ・・・ 舌が持ち上がり、上顎に押しつけられる。 さらなる味を欲しがる黒狼はグリグリと小さく舌先を左右に動かしながら上顎に少年を押しつけて、味わう。 「ぅぅ・・あぁっ!」 もう疲れきった体なのに声は上がる。信じられない程に。 クチュッ・・ニチュゥ・・ 今度は下顎と舌の間に寝かされた。そしてその上から・・ 「!?んっ・・んん〜〜!」 舌に押しつけられる。粘膜と唾液の混ざる肉に顔が埋まり呼吸が出来ない。 かろうじて動く両手で舌を叩く。 「んんっ!!・・んん〜〜〜!!」 しかし、舌は動かない。息ができない。 息が・・・く、くるし・・・い・・ グニュッ・・ 「!はぁっ!!」 酸欠の直前に舌が動いた。 顔を上げ、空気を貪った。 空に近い肺に生暖かく、生臭い、黒狼の吐息を取り込む。 「んごっ・・げほぁっ・・ごほっ・・」 当然のことながら、噎せた。 グチュグチュッ・・・シュルルルッ 一息つく暇なく舌が体に巻き付いた。 自由を奪われ、口内に入る僅かな光で行き先が照らされた ・・・牙だ・・牙がある・・・ シュルルルルル・・・グニィ・・アグアグッ・・ その牙で優しく舌が解かれ、牙の上に乗せられた。 考えがまとまる前に牙は動き、体を襲った。 「あがっ・・・んんっ・・・」 あの鋭い牙で甘噛みにされていた。 皮膚を食い破らない程度の力で体に牙は食い込んで来る。 何とも言えなかった。・・痛気持ちいい? グニィ・・アグッ・・アグアグ・・ゴクン・・ 甘噛み。場所を変えられては甘噛み。 繰り返される甘噛み。少年の体は噛み跡ばかり。 しかし、体は常に唾液に晒されていた。降ってくる唾液を飲み込み、直に浴び、噛まれない部分は下顎に溜まったドロドロの唾液に浸っていた。 時折、溜まりすぎた唾液を黒狼は飲み込む。 トンッ・・・ズルッ・・ズルッ・・・ ヒョイッ・・っと唐突に舌の上に戻されると舌に傾斜が付いていく。やっと丸呑みにしてくれるようだ。 舌も少年も唾液に包まれ、摩擦は存在しない。 いとも簡単に喉に滑り落ちていく。 ズルッ・・ゴクリ・・・ゴクリッ・・・ 足が食道まで飲み込まれると喉の筋肉が蠕動し、体を一気に引き込んだ。 (あぁ・・・やっと・・楽に・・) ングッ・・ゴパッ・・ 「!?」 ところが、少量の黒狼の体液と共に少し吐き出された。 そして、また喉、食道に滑り落ちていく。 そんな・・・まさか・・・・ 少年の予想は見事に的中した。 喉に滑り落とし、喉の蠕動で引き込むと少し吐き出す。 何度も飲み込む快感を味わおうとしているのだった。 「あぁ・・も、もう止めてょぅ・・・」 呑まれ、吐き出され、また呑まれては、吐き出される。 それが何十回と続いた頃・・・・ 「・・声一つだせぬほどお疲れのようじゃのぅ?ならば、そろそろ、胃袋の中に入って、休んでもらうとするかの。」 またもや器用に喋ると一気に舌が垂直になった。 やっと呑み込んで貰えるようだ・・・・ ズルッ・・・・ズルゥ・・ 少年の体はすぐに喉に滑り落ちていった。 「頂きます」 ゴクンッ!! グチュグチュッ・・ニチュッ・・ヌチャッ・・ 少年は生々しく黒狼の喉、食道に呑まれていった。
* * *
「ふぅ・・儂ながらみっともない喰い方じゃったの・・まぁ・・たまには良いか。」 ジュルリと口周りを舌で舐めずる。 唾液の量は凄まじいものだった。 口周りの毛が唾液に濡れるほど。 飲み込まれた少年の膨らみはゆっくり、低速で胃袋に向かって下っていく。 「ゲフッ・・・ふふふぅ・・満足、満足じゃ・・・」 少年と共に飲み込んだ空気を吐き出し、黒狼は自然と口元に笑みを浮かべる。 「主を消化できぬのは、惜しいかの?それでも良いかのぅ・・・どっちじゃかの・・・」 この少年を自分の物としたい。しかし、そうしてしまえばもう少年は味わえない。 黒狼の相反する心。欲望か食欲か。 今はどちらとも言えない。 白狼である間は殺生、消化は出来ない。 「ふぅ・・儂の腹には主がおる。くふふふ・・なんと嬉しいこと・・」 スッ・・と体を横にし、優しげな目で見つめながら、妖しい手つきで膨らんだ腹をまさぐった。 少年の暖かみが胃袋、胃壁、手を通じて確かに感じられる 狙った獲物の全てを自らが支配している。 それだけで今は十分だった。
* * *
ニチュ・・グチュッ・・・グジュル・・ 唾液と体液が何度も絡み合う。 もう聞き飽きた粘液の水音を共に率いて、真っ暗な肉洞、食道を下っていく。 蠕動時に肉に激しく締め付けられながら。 「はぁっ・・ぐぅ・・・」 黒狼が体を横にしたため、唐突に落下が遅くなる。 より長くその幸福に浸るためだろうか? 地上、口内でさんざん苦しめたと言うのに、体内でもまだ少年を堪能しようとしているのだろうか? グギュッ・・ヌチャァッ・・グジュ・・・ 蠕動。食道の肉が収縮、体を締め付ける。 少し胃袋に近づくとまた蠕動。締め付け。 ・・苦しい・・・辛い・・・ いくら何でも・・激しすぎる・・と、思う・・ グニュニュッ・・・グチャァァァ・・ドチュッ・・・ それでも時は過ぎて、噴門まで流し込まれるとそれを押し開いて、密着するほど狭い黒狼の胃袋に到着した。 「はっ・・・・はっ・・・ぅぅ・・」 極度の酸欠に陥りかけている少年の意識はぼやぁ・・としていた。 ムニュムニュッ・・ヌチャリ・・グチャリ・・ギュウッ! 「ぁあっ!?」 ただでさえ狭いはずの胃袋は今回、さらに狭かった。 少年の体に合わせて形をかえた胃壁は少年を取り込むかのようにくっつき、圧迫を始めた。 グギュ・・グチュ・・ニチュニチュゥゥゥ・・・ 胃袋がさらに粘っこい粘液を分泌し、練り込みながら体を押しつぶす。 粘液の肉たちに呑まれる少年。黒狼はこれさえも意識して行っているのだろうか? 「ぇぅ・・がっ・・ぉ・・・ぇぇっ・・」 粘液と肉が呼吸を許さず、その粘液を強制的に飲ませ、気道さえも潰してしまう。 (だ、誰かぁっ・・もう・・・む、無理っ・・・) 声を上げても粘液と胃袋が簡単に奪ってしまう。 体に酸素がついに回らない。少年は気を失った。 それは本来なら、死。 胃液が消化を始める。皮膚、肉、骨を容赦なく数分でドロドロに溶かす強酸の黒狼の胃液。 しかし、胃袋は胃液を出さない。 今の黒狼は白狼。 命を与うる者だから・・・
* * *
「んっ・・・ぅ・・」 唐突に目が覚めた。 目を開け、視界に入ったのは、真っ赤な何か。 その先に広がる暗い空間。 「え・・・く、口・・・?」 そう、開かれた口内。暗い空間は喉。 牙と口端から垂れる唾液が頬を掠める。 「う、うわぁっ!」 バッ!ガチンッ! 勢い良く顔を上げ、体を起こす。 生暖かい口内を越えた瞬間、牙が噛み合った。 「ぬ、主っ!危ないじゃろっ!?」 その声に振り返れば、すっかり黒毛に戻った黒狼が狼狽えていた。 「驚かせてやろうと思っておったのに・・・首を喰い千切ってしまうとこじゃったろうに・・」 笑えない冗談だ。 確かに加減は無かった。タイミングが合っていれば・・・・ガブリといっていたところだった。 「あ、あれ・・・僕・・・」 「ついさっき吐き出してやったところじゃ。黒狼に戻った今では主を消化してしまうからの。」 「あ・・・あ、ありがとう・・・」 「ふふ・・主からの礼は初めてじゃの。また、可愛らしいのぅ・・」 笑みを浮かべながら、ジュルリと舐めずった。 「は・・はは・・・」 「っと、主。これを受け取るのじゃ。」 「?・・これは・・?」 と、黒狼の大きな前脚から渡されたものは紐のついた鈴だった。 「主はここから自由に薬草を持っていってもかまわぬ事にする。」 「ほ、本当っ!?」 「うむ。じゃが、その時に主を見つけた場合は・・」 「・・・その場合は・・・?」 生唾を飲み込み、言葉を繰り返す。 「主を美味しく頂くかの。消化するかは分からぬが、胃袋には、しっかり入ってもらうからの。」 「え〜〜っ・・そんな・・・」 「文句を言うでない・・良いじゃろ?無償で儂の庭から持っていけるのじゃから・・・本来なら腕一本、足一本は貰うつもりじゃぞ?」 「で、でも〜〜」 「ん〜〜・・そうじゃな・・主がその鈴をつけておれば、丸呑みは止めて、呑み込む前に吐き出すと約束しよう。」 「・・・あの・・・食べるのは・・止めて・・」 「駄目じゃよぅ。それでは儂の楽しみが無くなるではないか。それに、あまり待ちを喰らわされると、今回みたいに喰わしてもらうからの。」 少し意地悪げに言う。 「・・・・・・・・・」 「まぁ・・儂はその鈴の音色を遠くからも聞き取れる。 無難に丸呑みを避けるか、丸呑み覚悟で喰われるのを避けるかは、主にまかせるからの。」 クルリと黒狼が身を翻す。 「え、何処に行くの?」 「帰るんじゃよ。儂の腹が減らぬ内に主も帰るんじゃ。」 「え・・・あ、うん・・」 「それともう一つ。」 「?・・・なに?」 「儂は主の事がどうやら、好きになってしまったようじゃ。味が美味い事もあるが、異性としての。」 「え、えぇ〜〜〜っ!?」 「主には親がおらぬじゃろう?」 「・・・・・うん・・・」 「それは儂も同じ。じゃから・・・主が愛しくて・・可愛くて・・ずっと一緒にいても良いくらいじゃ。食べてしまうかもしれぬが。」 「・・・黒狼さん・・・」 「主がここに来ぬなら、儂は主の家に行って主を味わうからの!!覚えておれ。・・さらばじゃ。」 頬を赤らめ、黒狼は少年に笑みを送ると、尾を揺らしながら、森の奥に消えていった。 「・・・・帰ろっ・・・」 少年もまた、身を翻し、帰路についていった。
* * *
バクッ!グチュッ・・・ヌチュヌチュッ・・・
ギュムッ・・アグアグッ・・グチャァっ・・
・・・・・ゴクリッ。
ーあぁ・・今宵も、なんと良きことよ・・・ー
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Re: 闇夜の黒狼 満月の章 ( No.14 ) |
- 日時: 2010/04/05 19:41
- 名前: ケイル
- 外、口内、喉、体内と、満遍なく狼の捕食描写を見れて非常に楽しませてもらいましたw
普段は死を司る強大な捕食者が、主人公にだけ見せる優しさっていうのはやはり素敵ですね。 力を失っている白verの日に、可愛がってもらえるっていうのも なかなかレアな体験をさせてもらってるようでうらやましいですw
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