Re: 粉砕された日常 ( No.31 ) |
- 日時: 2010/11/27 07:54
- 名前: 大樹
- チュンチュン…チュンチュン…
「だぁぁぁぁぁ!!!!?」 バサバサバサバサバサバサ!
「はぁ…はぁ…ゆ…夢…?」 久々に清々しい程の悪夢を見た… いくらなんでもなりきりでやってほしかった鬼畜捕食や消化の夢を見るなんて…しかも痛覚付きの夢
「はぁー…でも…夢で良かった〜♪」
夢だった事にほっと胸を撫で下ろしながら、俺は朝日を部屋に入れようとカーテンを開け
シャッ…
「ククク…おはよう♪」
シャッ!
そして閉めた
「あー…まだ寝呆けてんだなー…」
カリカリカリカリカリカリ…
「ヘゥッ…!」
網戸を引っ掻くような音に驚いて変な声を出しながらも 俺はカーテンを
開けなかった むしろ、開けてたまるか
カリカリカリカリカリカリ!
網戸を引っ掻くような音が段々大きくなるが、俺は開けない意地でも開けない。 開けたらいろんな物が砕け散る、そんな予感がしたから。
カリカリカリ……
網戸を引っ掻くような音も小さくなり、聞こえなくなった。
「…諦めたか…な…?」
「残念だが、諦めてはおらぬぞ?」
「ヒゥッ!?」
驚きながら後ろを向くと、ちょこんとお座りしている小さな黒竜神ラギア様がいた
「………………」
「どうした?我の顔に何かついているのか?」
俺の目の前には、約1m半程の小さなラギア様がいた、これだけちょうど良いサイズだと抱きついてみたくなるが そこはぐっと堪えた
「……は…!てかなななんでいるんだ!?あれは」
「夢ではない確かに貴様は我に食われ、死んだ」
「これは夢ーこれは夢ー」
自分に暗示をかけていたらスパァン!と勢いよく叩かれた
「いっ…!?」
「目が覚めたか?」
「むしろ、首が跳びそうでし」
「まだ寝呆けているようだな…」
「おはようございます、黒竜神ラギア様」
次に食らったら確実に首が吹っ飛んでいくので素直に挨拶をする というかなんでいるんだ、俺の平穏な朝を返してください黒竜神ラギア様
「ふむ…ここが大樹の部屋か…ポケ○ンとゴ○ラとキン○ギ○ラのぬいぐるみ…」
そして突然部屋チェックを始めないでください あんたはどうぶつの森のハッピールームアカデミーの審査委員か
「ほう…こんな所に…こんな本がな…ククク…♪」
なんでわざわざこちらを向いて笑うんですか そこに置いてある本はそんな風にニヤニヤ笑うような内容じゃないはずだ 少なくとも、ドラゴンの飼い方育て方以外は
「ほう…硝子細工の竜か…いくらした…?」
「え…?」
ラギア様が指をさしたのは机の上に飾ってある 俺が修学旅行で某夢の国へ、行ったときに自腹で貯めた小遣いをこっそり持って迄 欲しかった硝子細工を指差していた
「えっと…」
突拍子も無いことを聞かれきょとんとしながらも、実はまだ寝呆けている頭を回転させ 硝子細工の竜の値段を思い出していた。
「えっと…確か…13440円」 「!?」
なんでそんなに驚くんだ、硝子細工は普通その位の値段をするはずじゃないのか などと目を見開いたまま固まっているラギア様を見つめながら 心の中でひたすら突っ込みを入れていく。
「高いなら、砕いてみせよう、硝子竜」
パキーン
「だぁぁぁぁぁ!?」
目の前でいきなり硝子竜の羽をもがれた、と言うか 握り潰された
「な!何してんだー!!?」 「ククク…♪」
人の宝物(2番目)を砕いておいて、上機嫌に尻尾をフリフリ振るんじゃねえ
「おっとすまんな…手が滑ってしまった♪」
手が滑ってしまったとか、そう言うレベルじゃない 今のは悪意を持って握り潰したって言うんです
「……うっ……うっ……」
「すまんな…きちんと責任は持とう」
「じゃあ…一発殴らせてくださ」 「断る」
即答だった、少なくともあんたに断る権利は無いと思う
「直ぐに暴力を奮うのは辞めておいたほうがいいぞ?」
「なら…どう責任を持つんですか、もう同じ硝子細工はありませんよ…」
職人が手作りする硝子細工は形が一つ一つ微妙に違う だから、同じ種類の硝子細工はあっても同じ形の物は無いんだ。
「そうだな…ならば、その硝子竜の代わりに我が、大樹の傍にいてやろう」
「は…?」
ここから俺の日常は 平穏と言う2文字を無くした
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