Re: 迷い人 第4話 ( No.19 ) |
- 日時: 2010/07/08 07:22
- 名前: 孤人
- 『いや僕が使うよ』
僕はカッターナイフを片手に慎重に蔦を切り始める
『なぜそこまで慎重に切るのかしら?』 『このナイフは脆いから…紙を切るためのナイフだし…』
僕の使ってたカッターナイフは事実上使い込まれてかなり脆かった…下手に力を加えるといつ折れてもおかしくない…
『これでよし』
人が一人抜けられそうな穴ができると僕は下を見る
『でもどうやって逃げるのかしら…?飛び降りれば死は確実よ?』
冷静に辺りを見渡すと人がぶら下がっても耐えれそうな蔦が辺りにぶら下がっていた
『あの蔦まで届けば…』 『私がやるわ』
そういうと彼女は檻の穴から外に出て簡単に蔦へと飛び移った
『手を伸ばして…!』
そう言った瞬間突然蔦が巻き上げられ始めた…!
『やばい…!』
僕は慌てて檻の穴から抜け出して彼女がぶら下がる蔦とは別の蔦へ思いっきり飛び移った…
『危ない…』
なんとかぶら下がり檻ははるか上まで巻き上げられいった…
『のんびりしてる暇はないわね?早く抜け出すわよ?』 『そのつもりだ…』
蔦を飛び移り巨木にしがみついてなんとか降りることに成功した…
僕達が地面に降りるころには大騒ぎになっていた…
『やった〜!無事逃げ出せるなんて!』
彼女ははしゃいでいた…そういえば名前もまだ聞いてない
『あの…あなたの名前は?』
彼女が振り返る…そしてなぜか抱きついてくる
『あなたのおかげよ!あなたがいなかったら私とっくに食べられてたわ…』
僕の質問を聞かずになぜか泣き始める…
『…それで名前は?』
冷静に聞くと彼女は離れた
『私はシィナよ!獣人族のシィナよ♪助けてくれたお礼に私達の村へ案内するわ♪』
急に元気よく僕の手を引いて連れて行かれる… どうやら助かったようだ…
to be continued
|
|