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Re: 吹雪の島 ( No.10 ) |
- 日時: 2009/12/25 00:08
- 名前: ジイア
- 「ふぅ・・・ごちそうさまでした・・・・・・」
「は〜い じゃぁささっと準備して出かけましょ〜」
「無駄にテンション高いねぇ ゆっくりしたいとか言ってなかったっけ〜? このサボり魔が〜・・・」
少しは言い負かしてやる そんな気持ちでマニューラは仕事上の悪口を言い、ベイリーフのお腹をちょんちょんつつく
「なにお〜この・・・・・・この・・・・え〜・・・・と・・・・」
ベイリーフが口を詰まらせたのを見て嬉しがるマニューラ
「あ〜はっは♪駄目だなぁベイリーフったら〜自分から仕掛けてきたくせに〜」 「うぅ・・・・・・」
マニューラは笑いながら食器を片づけるためにキッチンへ歩いていく
まさかの仕返しに悔しがるベイリーフだったがすぐに何かを企んだかのようにニヤリと笑うと
「ねぇマニューラ・・・」
わざと雰囲気を暗くし 片付けを終え自分の部屋に戻ろうと階段を登りかけているマニューラの背中に声をかけた
「なに〜? ッ・・・!」
マニューラが声に振り返ったその瞬間にベイリーフはその上体に前足で蹴りを入れ後ろに押し倒すとすぐさま動けないように両腕を前足で押さえつけた
「ぐぅ・・・何すんのさ・・・・・・」 抵抗しようと試みるマニューラだったが二の腕の辺りを押さえられ手が動かせない 唯一動く足をバタバタさせるがマニューラの体が小さいせいでベイリーフの体には全く届かない
「あ〜はっは♪駄目だな〜マニューラったら〜探検隊ともあろう者がいつ何時と油断しては・・・ハハハハ・・・」
態度をコロッと変えマニューラの口真似をしてベイリーフが静かに笑う
「せこいよねぇ・・・そうゆう根拠のない理由で暴力す・・ウグッ・・!・・・・・・わかったわかった・・・・・・ごめん・・・」
マニューラは何か文句でも言おうとしたが腕を押さえる力がいきなり強くなり観念したように謝る
「分かればいいの♪ あら・・・もうこんな時間だ早く準備しなくちゃ!」
そう言うと ベイリーフは足早に階段を上っていった
「・・・・・・・・・・・・はぁ・・・まったく・・・・・・」
ゆっくり立ち上がり友人のわがまま性格に呆れながらマニューラも部屋に向かった
二匹の日常は大体こんな感じである
真面目で少し物事の決まりにうるさく怒りっぽいマニューラ マイペースでなんとなく気が抜けているベイリーフ
考え方の違いからケンカすることも多かったがマニューラはベイリーフの事が好きだった
たたったたたたた・・たったん!
起きて来た時より早いリズムでマニューラが階段を降りてきた
すでにギルドにいく準備を終え玄関で待っていたベイリーフ 首から小さめのポシェットをかけている
マニューラは背中にリュックサックを背負っていた
これらは[トレジャーバッグ]と言うもので探検隊には必須の装備品である
「準備できたかい?」
「うん 行こっか」
上から少し慌てて降りてきたマニューラに出発の確認をとり二匹は家を後にした 外は相変わらず晴れたままだった
ー今日はずっと晴れるのだろうか・・・それだったら噂のあそこにでも・・・まぁギルドについたらベイリーフと相談して決めよ・・・ー
二匹は朝とは思えないほどに賑わっている商店街にたどり着いた
そこら中にクリスマスツリーやリースなどが飾ってある
お店ではクリスマスセールの文字 行き交う人々も子供を連れた大人のポケモンや寄り添いながらゆっくりと街を歩く若いカップルなど・・・・・・ 誰が見ても分かるまでに商店街はクリスマス一色に染まっていた
ゆっくり飾りを見ながら歩いていたマニューラが慌てて走り出す
その先には逆に飾りなどを見たくないかのようにスタスタと早歩きしているベイリーフがいた
追いついてからベイリーフの顔を覗き込むマニューラ そこにはもう今年のクリスマスは楽しめないだろうなぁ・・・とがっかりした表情の顔が見えた
しばらく歩き続けると商店街を抜け開けた空間に出た みんなの憩いの広場である
その真ん中には巨大なクリスマスツリーがあった
高くそびえる塔のような大きさに広場にいるポケモン全てが歓声を上げている
「立派だねぇ〜昨日までは何にも無かったのに・・・」
「・・・・・・・・・」
「ベイリーフ?・・・」
「マニューラはクリスマスぐらいゆっくりしたいとか思わないわけ?」
いきなり困ったような表情でマニューラを見つめるベイリーフ
マニューラは突然のことに驚いた
いつものベイリーフなら「いやぁ〜ホントやんなっちゃうよね〜 ギルドに辞表でも出しにいこうかなぁ♪」なんて言ってくれる筈なのだが今回ばかりは本当に滅入ってしまっているらしい
「うん・・・・・・」
マニューラはかすかに答えたがすぐさま言った
「まぁ自分もさ・・・確かにクリスマスをベイリーフとゆっくり過ごしたいなぁ と思うけども・・・・・・・・・思うけどもね・・・」
「思うけども?」 ベイリーフが期待しているような目でマニューラを見つめる
「その・・・・・・」 少し恥ずかしそうに顔を背けるマニューラ
「じれったいなぁ・・・・・・なんなの?」
「そのぉ・・・・・・・・・自分にとっては・・・・・・それ以前にベイリーフと一緒にいるだけでいいのよ・・・・・・ベイリーフといると毎日が楽しくてさ・・・」
「・・・・・・・・・」
ベイリーフもマニューラから目を背け顔を赤らめる
「いきなりそんな・・・なんか照れるじゃない・・・・・・」
「ベイリーフが言えっていったんでしょ・・・・・・」
「言えなんて言ってない・・・・・・言ってないけど・・・・・・・・・気になるじゃない・・・・・・ああ言われたら・・・」
「・・・・・・」
二匹は下にうつむきながら広場を歩きギルドの有る方へ向かった 互いに顔を赤らめて・・・
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