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チビカナの生活
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「ん〜…どうしよう。」
目を瞑り腕を組み、考える。いくら人間嫌いでも、小学生に満たない小さな子供を見捨てるほど自分は鬼では無いし……あと収容所って事は…犬とか猫等の収容所と同じなのかな…同じだとすれば……
私は、一気に青ざめガチガチと歯を鳴らす。最終的にここの子供は、殺される。
そう思うだけでも怖かった。
生まれて数年、何もしないで殺される。やはり、大人は醜い、憎い憎い…
私は決心する。ここの子供…いや、全ての子供を連れて帰る。第二の故郷に…
そうと決まれば早速準備する。
「まずは…ここの施設を見て回らないと…」
私は魔法を唱え、姿を透明化する。ゆっくりと扉を通り抜け、施設内を見て回る。ところどころに、大人が…
大人を見る度に憎しみが増してくる。
一通り、見終わると私は元の場所に戻る。
「ふぅ…大人が30か…ここの他に、9この部屋に子供が沢山ね…」
一人でブツクサブツクサ言ってる。
脱出することは、今の自分では不可に近かった。子供の姿では、沢山の魔法を操る事が出来ない。下手したら、自分が壊れてしまう。
すると、
「おい、知ってるか?」
扉の向こうから大人達の声が…
一体何の話かしら…
「ああ…ボスが薬を作ったそうだな。あの薬を飲めば大人になったり、子供になったり…」
大人に……!それだ!!
大人になれば、今までよりも強力な魔法を使える。
そうと決まれば!
また、透明化して研究室へ向かう。
彼奴らが言ってた薬は、青いビンだわ…
ー研究室ー
「ここだわ…どこにその薬が…」
ペタペタとそこら辺を歩いていると、大きな棚にぶつかる。
ガン!
「ッッッッッ!!!」
タンスでは無いが、小指をぶつける。
スッゴク痛い。言葉にならないほど痛かった。
ガン!
今度は頭にビンが…
踏んだり蹴ったり……ん?
コロンと足元に有るのは青いビン!
やったあ♪
早速薬を飲んで……
バタン!
!!
一口薬を飲んだ瞬間、研究室の扉が開く。私は焦ってしまう。捕まる!!
「お?お前、何をしている?服がビリビリじゃないか…大丈夫か?」
「へ?」
私は一瞬、大人の声を疑う。なんで、捕まえないの?
自分の体を見ると、大人!?になってた。
服が小さい過ぎて、ビリビリに。幸い、胸と腰回りは隠れてる。ホッと一息…
「大丈夫です。ちょっと子供になれる薬を…へへ♪」
あらら、ズル賢さも良くなって…
「そ…そうか。しかし、いい体してるな〜…しかも、可愛いし…胸も大きいし…名前は?」
デレデレしてる男に自分の名前を言うなんて…ちょっと困るな…
「私は…カナだけど。」
「そうか、カナか……って!カナぁ!?」
しまった!と思う。地球では、行方不明のままだから…どうしよう…
「カナなのか!?…俺だよ。」
俺…?…何処かで聞いた事が有るような…思い出せない。
「あー!!俺だよ!小学生の時に何度も告白して殴られた荒川タクトだよ!」
あ〜…いたな。何度も告白してくる男の子が、しつこいから殴ったっけ?
「お久しぶりだね」
<2013/03/26 10:52 シャビー>
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