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君と見た空
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に出て行っちゃったし……誰と遊べっていうのさ…」
「わ、分かった……分かったから機嫌直してくれ…」
こういった雰囲気には滅法弱いギラティナ。
カイオーガもそれを熟知しているのか、ニヤッと心の中で笑った。
「じゃあさ……遊んでくれる…?」
「(昨日もこうだった気がする…)分かった・・」
いつもの戦法に敗れ、ギラティナはやれやれと後ろを向く。
カイオーガは自分にはない黒光りの翼に目をやりながら、ヒョ
イとその背中に飛び乗った。
「おおっ…と…‥!! ゆっくり乗れといつも言って…」
「まあまあ♪ さあ空の旅にレッツゴォー!!」
「・・・お前振り落とすぞ・・」
悪態をつきながらも、ギラティナは地を蹴って大空へと舞い上
がった。それと同時に旋風が発生し、辺り一帯は砂煙に荒れる。
〜
「んん〜っ…きもちいい〜・・!!」
「ああ・・これだけは私も飽きないな」
ギラティナは雲が漂う高さまで上昇し、それからスバメのよう
に急降下した。風が頬を切るように走り、夏の暑さなど一瞬に
して失われる。
「いいなぁー‥…僕も翼ほしいよ…」
「フフ…今は楽しむときだ。サービスしてやるから我慢しろ」
海面スレスレでギラティナは急激に方向を変え、水の上を滑るように飛ぶ。
これにはカイオーガも大満足のようで、心地よい海風に笑顔をこぼした。
「わああ…落ちちゃう落ちちゃう…」
「・・私だって羨ましいものだぞ? 自由に泳げるお前が」
「え、ギラティナ泳げないの?」
「ああ…生まれつきの体質でな」
さすがに暗い表情は見せなかったが、ギラティナは未だ見た事
のない水中を眺めていた。陸と空でしか生きられない事の辛さ
は、カイオーガには分かるはずも無かった。
「あ…‥悪いなこんなつまらない話して…」
「いいんだ♪ 今は楽しむとき・・でしょ?」
「……そういう事だ!」
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←<2011/05/15 16:02 ロンギヌス>
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