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君と見た空
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七つもの地球の記憶の力が、アルセウスの肢体を虹色に輝かせる。あちらこちらに地割れが発生し、溶岩がドポドポと吹き出し始めた。
カイオーガは異常に落ち着いたまま、いつになく真面目な瞳でエターナルメモリを眺めていた。昼過ぎの太陽にさらすと、鏡のように眩しく光った。
「(もう助けてくれない…自分でやる…味方はこれだけ‥…か…)」
しかし油断が許されたのはその一瞬までだった。アルセウスの
前足に冷気が生み出され、壮大な吹雪の嵐となってカイオーガに襲いかかった。
「…!!」
ザァァ…ドッパァァァン!!!
避けようもない吹雪の規模に、カイオーガはごくりと生唾を飲む。両腕を十字架のように広げると、洪水級の波で応戦した。水流と吹雪が島を半分に分かち、真夏の温度は一瞬にして冷え込んだ。
「うっ…ぐ…」
「ば、バカな・・貴様の何処にこんな力が・・」
互角の勢いながらも、お互い微塵も力を抜きはしない。
何しろ二匹の間には衝撃波の塊のようなものが生まれ、敗れた方を吹き飛ばそうと待ち構えていた。カイオーガも再び高威力の技を受ければ、間違いなく死ぬだろう。
「ぬぅ・・しつこいぞ!!」
「あっ…う…くっ…」
無駄に思える抵抗に怒りを覚え、アルセウスの吹雪の威力が増した。メモリの力も充分すぎる程に加わって、カイオーガをじりじりと追いつめていく…
「(……ギラ…ティナ…)」
一騎打ちの最中だというのに、無意識にカイオーガはギラティナの方に顔を向けた。しかし視界が眩しすぎるためかギラティではなく、血の付いた大木しか見えなかった。
「二度と触れてほしくない…‥もう…絶対に…!!」
拝めなかった友の姿を考える間もなく、自分の津波が押し負けている事にカイオーガは気づく。握りしめていたメモリを、吹き飛びそうになりながら突き刺した。
『ETERNAL_マキシマムドライブ(MAXIMUM DRIVE)!!!!』
ガチャン…パキィィィィィィィン…!!
<2011/05/15 16:17 ロンギヌス>
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