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信じてた
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「大したものだな…4年も耐えてくれるとは」
「別に? 結構楽しかったし…」
「どうした…情でも芽生えたか」
「ククッ…今考えればバカらしいかな?」
時計の針が2時を示し…ひっそりと冷たい風が吹き抜ける部屋。
決して快適とは思えないその空間に、人間ではない姿が2つ…向かい合って佇んでいた。
一方が、もう片方に話しかける。
「まぁ…今夜はもう遅い。続きは明日決めるとしようか…?」
「はぁい…」
渋い黒をイメージさせる声と、眠たそうに応える高めの声…
一方が部屋を無音で出て行くと、高い声の持ち主は天井のシャンデリアを見つめた。
「バレちゃうんだ…いずれ…」
埃に覆われた床を通り、彼もまた同じように扉を抜け出て行く。
バタンと閉じた後の部屋の中は、彼らが来る前に充満していた、普通の夜がもたらす空気に戻っていた。
<2011/05/15 15:55 ロンギヌス>
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