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白銀の出会い
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− 襲来 −
パニシュ目線になります。
話をし終えたエシアは、泣き出していた。
「ひぐっ……えぐっ………」
エシアの泣きじゃくる姿を見ていると、怒りが込み上がってくる。
エシアは、他人のために頑張れる素晴らしい少女だ。
褒められこそすれ、今、こんな風に泣くほど苦しむ必要などない。
自分のためだけにエシアを売った彼女の父親を噛み砕きたい。
そこまで考えたときだった。
エシアが口を開いたのは。
「ねぇ、パニシュはずっと私と一緒に居てくれるよね?ずっと優しくしてくれるよね?」
そう言われて気付いた。
エシアは、父親に復讐することを望んでいない。
これまでの話で、『怖い』とは言っても、『嫌い』とは一度も言っていない。
ただ、平穏な暮らしをしたいだけなのだ。
ならば答えは1つだ。
【勿論だ。実は私も一人ぼっちだから、誰かと一緒にいたいと思っていた。】
実は、私は強大な力と通常種と違うことが重なり、生まれた時からずっと独りだった。
孤独には馴れたつもりだったが、心のどこかで寂しさを感じていたのかもしれない。
エシアが泣きながら抱きついてきたときに、私を少しだけだが泣いた。
しかし、そんな時間は長くは続かなかった。
パァン!!
短い発砲音が鳴る。
振り返ると、全身黒スーツに身を包んだ男が数人いた。
一人が前に進み出て、一言。
「探したぞ。俺のエシアよ。」
エシアはその声を聞くと、顔面蒼白になり、私により強く抱きついてきた。
『俺の』と言ったことから、多分、父親だろう。
後ろの数人は恐らくテロリストだろう。
…一応確認するか。
【なぁ、エシア。】
エシアが私の顔を見る。
【あいつら、喰っていいか?】
エシアは一瞬驚いたが、直ぐに頷いた。
…夜食にしては、少し豪華か?
■作者メッセージ
書いてて思いました。
…エシアちゃん天使だな〜
あと少し!頑張ります!
<2012/11/11 12:57 ラムネ>
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