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rain tears -心の涙-
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− 逆鱗 −
「うわぁ!?」
パリンと薄い何かが割れ、崩れる音が木霊する。
その音に振り向けばソーマだった。
念のために掛けておいた光の保護膜が銃弾を防いでいた。
「!? 貴様らァ!!」
慌ててソーマに魔術で光の障壁を張って脅威から遠ざけ、魔力を解放する。
そして、月光の如き竜に転身する。
「そうやって……私から何かを奪おうとする!!」
近くの人間を踏み潰して、肉塊に変える。
「今日は……客人の前だ。 楽に死ねると思うな」
憤怒の咆哮を上げ、大きく息を吸う。
「ブレスっ!? にげ……」
罪人を灼く業火を容赦なく吹き付ける。
普通なら耳を塞ぎたくなるような断末魔も、
今の私には心地よくも聴こえていた。
「!?」
続けざまに一人を尾で巻き取り、顔前に寄せる。
「喰って欲しいか?」
「ひぁ……く、喰わないでくれっ!」
「分かった。絞め殺してやる」
邪悪な笑みで絶望に叩き落とし、尻尾を覆う程に巻き付ける。
そのまま強く締め付け、体を破壊していく。
ひ弱で強欲な人間の骨が容易に砕けていく。
苦しみを味わわせるようにゆっくりと砕いていく。
僅か……人間にとっては長かったかもしれない。
その一分間果てしない激痛に晒された小さな命は尽きた。
尾のとぐろからぐにゃりと驚異的に曲がった死体が地に落ちた。
■作者メッセージ
閲覧数2000
皆様ありがとうございます
<2011/09/24 18:35 セイル>
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