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【保】敵討ち
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少女はその騎士を軽々と持ち上げた。
もちろん騎士は抵抗したのだが、竜の握力には到底かなわなかった。
「お、お前は、何者なんだ……?」
「自分の胸に聞いてみろ。2年前のこと、忘れたとは言わせないからな!」
『2年前』という単語を聞いた騎士はビクッと体を震わせる。
「ま、まさかあの時の、召喚士の生き残り……?」
「そうだ!」
少女の手に力が加わり、鉄の軋むような音がし始めた。
「私の両親は貴様に殺された。その仇、今ここで晴らしてやる!」
「待て!ちょっと話を聞いてくれ。確かに我々はあのジェノサイドに加担した。だがあの時のことは心の奥底から悔いてるし、謝罪したい気持ちでいっぱいだ。本当に悪いのはあの女狐と、女狐の言葉にあっさりとそそのかされて我々にあんな命令を下した馬鹿な王だ!」
少女の騎士を握る手が緩んだ。
『女狐』というのは、この国の魔法使いたちのドンとも言うべき女の魔法使いのことだ。
まあニックネームからも分かるようにいわゆる悪女というやつで、自分の利益のためなら平気で汚い手を使うような輩である。
<2011/12/09 22:20 とんこつ>
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