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少女と怪物と猫鼬と兎達 − 旧・小説投稿所A

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少女と怪物と猫鼬と兎達

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爆発まであと30秒。

ザグが自力で時間をカウントしている向こう側で、スザがポツリと呟いた。

「まさか、こっちにも爆弾がある…なんて事は…」

その言葉に全員が息を呑み、一応アリルが壁を確認した。
すると、

ピッ…ピッ…ピッ…

と電子音がする丸い物体があり、時間のカウントダウンを行っていた。
今、『00:40』と表示されている。

「…逃げろぉぉぉぉぉぉぉ!」

アリルがそれを爆弾だと認め、そう叫び、長い洞窟の出口へと全力で走っていった。

その尋常じゃ無い様子を見た残りのメンバーも、悲鳴を上げ、全力で逃げ出した。

リュイは自慢の翼で低く飛んで、スザはアリルと同じように走り、パニシュは、器用に捻挫した右前脚を使わずに走り、エシアはその背中にしがみついた。

ザグ達の爆弾の爆発まであと10秒。

向こう側のパニックを知らない二人は、あと三秒の瞬間を待つ。
そして、

「10…9…8…7…6…5…4…3!」

ザグがミナを抱いて、ゴム紐を握って飛び降りた。

あと二秒。

二人はどんどん下に向かっていき、とうとうゴム紐が伸びきった。

あと一秒。

二人はどんどん上っていき、飛び降りた高さより大分上の位置に来た。
そして、

ボォォォォォォォォン!

一斉に爆発した為、一回の大きな爆発のように聞こえたが、そうではない事を爆風の威力が語っている。

爆弾のある位置より少し上にいた二人は、爆風に押され、上へ上へともの凄い速さで上っていった。
ザグはその瞬間にゴム紐を離した。

その勢いが弱まり出したのは、噴火口が見えはじめてからだった。
二人は徐々に遅くなり、噴火口が腰に来た時に完全に停止した。

「やべっ!」

ザグがそう言いながらゴム紐を握っていた手を使い、片手で噴火口を掴む。
ザクに抱かれていたミナも噴火口を両手で掴み、自力で這い上がる。
そのお陰で両手で噴火口を掴めるようになったザグも自力で這い上がった。

「な。何とかなったろ!」

きつい斜面に座り、ザグが笑顔でそう言った。
すると、ミナは、

「何が『何とかなった』よ!あたしは抱かれて下になったから、一瞬マグマに触れそうになったし、背中爆風に煽られて大変だったんだから!普通兄が下になるべきでしょー!」

一気にそう捲し立てた。
しかし、再び身を小さくしたザグを見てため息をつき、

「まあ、助かったから、許してあげる。……この件だけは」

そう言った。
その瞬間、くぐもった爆発音が聞こえ、あの洞窟の入り口から残りのメンバーが転がり出てきた。

「じゃ、行こうぜ!」

そう言って逃げる様に走り出したザグの後を、ミナは笑顔で追いかけて行った。

ただし、黒い笑顔でw



1056文字です。(爆発音を平仮名で書いてたので修正しました)

ウインドさん、おいしい所ばっか持ってってすみません!

<2013/01/07 14:38 ウインド×ラムネ>
消しゴム
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