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鏡 − 旧・小説投稿所A

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− もの −
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『ウガビア・・・何人なんだ?』

「二人よ・・・パキア、ちょっといいかしら」

『はい・・・なんd!?』

私は途中パキアを呼び止める。
そして、彼はいつもの通りに私と視線を合わせる為に振り返る。
そこに私は近づき、彼の口に自らの口を合わせる。
彼は、最初は同様こそしたものの、すぐに落ち着き・・・目を閉じる。

「・・・パキア、私は貴方が大好き。・・・一生、一緒に居てね」

『・・・ウガビアが、望むなら・・・それは、叶うと思います』

「じゃぁ、行ってきてね♪」

彼は
『ハイ』
と、静かに答えると、いつも私に見せる優しそうな顔ではなく、獲物を求める肉食生物のような顔だった。
でも、私は恐怖は感じない。
感じるのは喜びだけ・・・。
パキアなら、私を・・・。




















『ウガビア・・・私は、お前の為なら・・・』

私はウガビアの大切な装飾品を汚した、愚かな人間を処刑する為に、ある場所に向かう。
彼女が望むことは私の望むこと。
彼が私を必要とするのなら、私はそれに答え、傍に居る。

『・・・ここだな・・・ククク』






暗く、空気の冷たい部屋に私は入る。
中には、男が二人。
歳はどうでもいい。
私が行うことは、この者達の処刑。

「ヒィィイ・・・人間じゃなく」
「ダダダ・・・ダイケンキってことは、そんな・・・」

男達は私が何もしていないのに、恐怖に怯え振るえ、動けずに居た。
人間ほど、愚かなものは・・・ウガビアは別だが・・・。
さてと、ちょうど腹も減っていることだ。

『言葉は通じないのが不便だな・・・。まぁ、いいか』

私は右前脚の剣を左前脚で抜き、持つ。
そして、男二人に近づいていく。
しかし、彼らは完全に逃げる気0だ。
恐怖に腰が抜け、脚が震え、身動きできないようだ。

「お、お助けをぉぉ」
「ヒィイ・・・」

『貴様らの・・・不協和音を、響かせてくれよ・・・』

グシャァァア・・・ザァァア・・・

「えっ?・・・うわぁぁあ、俺の腕がぁああ!?」
「ギャァァア!・・・」

片腕を斬られた男はその場で動かずに、叫びという不協和音を響かせている。
切断部位からは大量の紅い液体が噴出し、壁や床を・・・そして、私の剣と体をその紅き鮮やかな液体で、染め上げる。

一方、もう一人は必死に逃げようとしている。
私はもう片方の剣を抜くと、男の背中に向けて

ヒュゥンッ・・・グサッ・・・

「グハッ・・・」

投げた剣は男に見事に刺さった。
しかし、狙いがずれたようで、一発で絶命したようだ。
残念だなぁ、不協和音を聞けないのは・・・。
しかし、人間はまだいるではないか。

私はわざと生きている男から離れ、死んだ男に刺さっている剣を抜く。
すると、さっきよりも凄い勢いで紅い鮮血が噴出する。
凄い勢いなので、それは低い天井をも紅く染め上げる。

『これの・・・味は・・・』

ベロッ・・・

私は引き抜いた剣についている血を舐め取る。
すると、今まで味わったことの無い味だった。
これは病みつきになってしまうだろう。
・・・おっと、まだメインディッシュが残っているではないか。

『ククク・・・さぁ、貴様の旋律を奏でろ!』

今度は、生きている男の両足を切断する。
勢いはさっきよりは劣るが、血はかなりあふれ出している。
私の体に目をやれば蒼かった体は、血に染め上げられ、所々が紅くなっていた。
それを、できるだけ舐め取る。

・・・ん?
男の叫びが聞こえないな。

『・・・チッ、死んだのか』

どうやら、死んだらしい。
残念だ。
しかし、腹を満たすにはいいだろう。
私は片腕両足の無い人間の腹に牙を突き立てる。

グチャァァア・・・

人間は脆い。
容易く牙は通り、肉を食いちぎれる。
しかし、味は最高だ。
私は自らの口周りが血で完全に染まるまで、人間の死骸を喰らう。

ここで、止めとけばよかったのかもしれない、
後に、あんなことになるのなら・・・。
しかし、私の食欲は抑えられず、結局人間の姿はどこにもなくなり、残ったのは血だけだった。

『これで・・・いいよな、ウガビア』

「うん、良いよ♪・・・わぁあ、パキア・・・お風呂行こうよ」

『ハイ・・・行きましょう』

私はウガビアの言うままに、大浴場に向かう。
勿論、体が紅い鮮やかな液体で、紅く染まっているからだ。
ウガビアはそんな私の姿を気にすることもなく、歩いていく。

私とウガビア・・・。


うーん、大丈夫かな?
<2013/02/05 23:45 ヘリオス>
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