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暗翳の空 解き放たれし竜 − 旧・小説投稿所A

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暗翳の空 解き放たれし竜
− 復讐ノ兆 −
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<<イスト視点>>



それからというもの、人を一人抹殺していても、心持ちは至って穏やかだった。
じわりじわりと襲ってくる喜びを噛み締めながら、帰途につく。


さて、最後の仕上げだ。

先に見える町の灯かりを遠く見据え、関所を通って行った。




================
<<第三者視点>>



「おう、お疲れ。あれ?クオールは?」
「あれ?先に帰ったんじゃないのか?」
イストと城の入り口に立っている護衛とが話をしている。
「あれ?クオールのお父さんの容体が急変したって…」
「あぁ、あの体の上に結核にかかったらしい。お気の毒だ。」
「そ、それで先に帰るって言って…」
「ま、まさか…近道でもしたのでは?」
「あ…、あぁ。“早く会いたいから、近道する!”って言い張って、俺の話なんて聞かなかったさ。
だから、そのまんまあの森に…」
「そりゃあ大変だ!」

イストは王の前でも同じことを話した。
「何故止めなかった。」
「クオールが言う事を聞かなかったからです。俺はちゃんと止めました!…しかし……」
「…そうか、こうなってしまってはしょうがない。
捜しに行かせようにも、あの森では実際に人が居なくなっている…」
「…無闇に捜しに行くのは無謀です。」
「仕方がない。ここは様子を見るしか無さそうだな。」
イストは礼をして、王室を出ていった。



=================
<<イスト視点>>



ガチャリ…
俺は家に戻ると、ベッドに突っ伏した。

フフフ…
“あの事”を考える度に、嬉しさのあまり顔が歪んでしまう。
あいつの哀れな最期を見てみたかった、そんな気がした。
一体どんな顔をして死んでいったのか、それを想像するだけでも心が躍る。

そんな事を考えているうちに、すっかり寝てしまった。



ここで気付いておくべきだったのだ。

二つのモノが無くなっていることに…









次の日、俺は王に呼ばれた。
まさか…、いや、あの計画が知られることは無い。
あの計画は上手くいったのだから…


緊張した面持ちで行くと、兵士たちが慌ただしく走っている。
「おお、イスト様!」
「王がお呼びです!」
「クオールの救出作戦のことだそうです!」

なるほど、それで…
もう生きている筈が無いのに…
心の中で嘲笑しつつ、王の部屋へとつながる扉を開いた。


「おお、よく来てくれた。」
王の部屋、要は王室である。
奥の窓からは町の様子が見渡せるようになっている。
「ご用件とは?」
「それはだな…」
と、王が何か言おうとしたその時、

バンッ

「何だ?」
「ク、ク、ク、クオール様が、戻ってきました!…あぁっ…」
兵士を押し退けて入ってきたそいつは、

森の中に消えて逝った筈のクオールだったのだ。

俺は何が何だか分からなかった。
目を見開いたまま、氷のように固まって動けずにいた。

「驚いているようだな、イスト。」
「な…何でお前が…」
「戻ってきたのだ。復讐するために。」
「な、何の事だ?お、俺は何もしていない!」
「おや?何故僕がイストに復讐すると分かったのかな?
僕は今、王の方を見ていた筈だが?
普通なら、王がその言葉を言う筈だろう?」
「っ…!」
「これは何だ?」
俺の目の前に見せられたのは、見覚えのあるカプセルだった。
「何だこれは?」
俺は勿論、とぼけたふりをする。
「フフッ とぼけるのか…愚かな奴め。
これはお前の部屋にあった、結核菌の入ったカプセルだ。
これを父親に飲ませただろう?」
「そのようなことをする筈がない!」
「いや、お前はしたんだ。でなければ、あの日に僕の家に来た理由は何?」
「それは…」
“お前と一緒に仕事をするので親に挨拶する為”と言おうとしたが、それでは“何故あの日だけ?”と言われてしまう。
「お前は父にこのカプセルを飲ませ、結核にかからせたんだ!」
「そんな事してどうするんだ?」
「そうして僕にあの森を通らせた!」
「その証拠は?」
「証拠?」
「当たり前だ!そんなもの、ただのデタラメだ!」
「フフフッ 証拠も無しにこんな事言うとでも思ったのか?」
「な、何?」
体の至る所から冷や汗が吹きだす。
「この紙は何だ?」
俺は突きつけられた紙を見て、目を見開いた。
「ハハハッ 驚いているみたいだな。
そうだ、これはお前が書いた、僕を抹殺するシナリオだ。
まぁ、策士策に溺れる、と言ったところか。」
「イスト…まさか…」
王が俺に話しかけてくるが、返事をする余裕もない。
先程から冷や汗が止まらない。
「体というのは実に正直ですね。」
「…う、うるさい!黙れ!!」
「これから死ぬというのに、ずいぶん威勢がいい。」
「な、何の事だ!?」


パラパラパラ…


少し地面が揺れ、天井から小石が降ってくる。

「な、何だ?」


ガラガラガラガラッ!!


なんと、クオールの後ろの壁が崩れ去ったではないか。

そして、そこには、



「嘘だろ…」

「り…竜だと…」



紫色の鱗を持った竜が現れたのだ。




ひぇ〜www
<2012/10/26 16:58 長引×どんぐり>
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