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英雄は極悪人となった − 旧・小説投稿所A

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英雄は極悪人となった
− 喰って喰われて −
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『ここが、私の部屋?・・・すっご〜い!広い』
『それじゃ、夜にな』
ピチューは笑顔でシビルドンと別れ、部屋に入っていった。あんな顔を、私はしたことがあっただろうか?
『それじゃ、俺の部屋に行くぞ』
『誰・・・が行く・・・か』
私は何も抵抗出来ずに、シビルドンの部屋(食事場)に引きずられていくのであった。

『よし、着いたぞ』
シビルドンは自分の部屋に、私ごと入り、鍵を閉めた。
『実はな、俺はまだ昼飯を喰っていないんだ』
『それ・・・が、ど・・・うした』
つまり、これから昼飯を食べる。しかし、この部屋には事実、食べ物は無い。否、私という食べ物があったか。
『俺の昼飯になってくれるよな』
『・・・嫌、と言って・・・もど・・・うせ食べ・・・るくせに・・・よ』
『まぁ、そうだな』
体の痺れは消えない。こいつの麻痺は無駄に長いからな。それに、麻痺が消えても私はすぐに奴の餌食だろう。
『消化し・・・なけ・・・れば、幾らだ・・・って喰わ・・・れてい・・・てやる』
『なら、今日一日だ』
しまった、そう来たか。しかし、まぁ良いだろう。やることも無いのだから。それに・・・。
『それでは』
シビルドンは私の顔が、正面にくるように胴体を掴んだ。正面を覗くと、シビルドンの口内が見えた。歯が口に沿って円周に生えている。そして、桃色の肉。奥までは光が届かないのか、暗く・・・永遠に続いているのではと、思えるほどだ。また、口からは涎がだらしなく垂れている。私という食事を喰らえて嬉しいのだろうか。
『いただきます』
ガブッ・・・ゴックン・・・
前足までをくわえられたかと思えば、シビルドンは天井見た。そして、食したという証拠の音をたてて、私を胃へと送った。
ズリュリュ・・・
肉壁は常に奇怪な音をたてる。私を胃へと送るために広がっては縮まっての繰り返しだ。もうすでに、私の体は体液が万勉なく付着していた。ヌルヌルするようなベタベタするような、変な液体が。
ズリュリュ・・・ズリュ・・・
肉壁の動きが止まった。そして、私はさっきよりも柔らかい肉に歓迎された。
グニュッグニュッ・・・
胃の肉と思える肉壁は、私を包み込むようにして、迫ってくる。
『うっ、はぅ〜♪』
つい、変な声が出てしまった。しかし、それは我慢できないことだ。胃壁は私を包み込むと、激しい揉みほぐしを始めた。顔にも密着するものだから、窒息しそうにもなるが、大丈夫だ。
グニュッ・・・
肉壁は突然潰れてきた。かなりの圧力が体にかかる。シビルドンが眠ろうとしているのだろ。
グニュッ・・・グニュッ・・・
それでも、肉壁による揉みほぐしは終わらない。本来、ここは命に絶望を与えるとこだが、今の私には、体液と心地よさと快楽と睡魔、そして、落ち着きを与える。
グニュッ・・・グニュッ・・・
何故か、こうやって柔らかい物に包まれていると、とても落ち着く。
瞼が重くなってきた。起きているのは限界のようだな。
グニュッ・・・グニュッ・・・
どうせ、自力での脱出は不可能だろうし、シビルドンは夜まで、ピチューが来るまで起きないだろう。
なら、私もしばらく寝させてもらうか。貴様は私の肉体で腹を満たすのなら、私は貴様の体内で心を満たそうではないか。
グニュッ・・・
私は深い眠りについた。それを悟ったのか、肉壁は動きを止めた。


『約、半日を胃袋で眠るのか?』
良いな!
『私も好きでやられている訳では』
でも、嬉しいんでしょ?
『えっ、否、まぁ』
誰か僕を一日胃袋に幽閉しろ〜!
『なら、私が永遠に』
ぎゃぁぁあ!?
<2012/09/20 21:56 ヘリオス>
消しゴム
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