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魔力の聖剣 − 旧・小説投稿所A
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魔力の聖剣
− 逆襲の狼煙 −
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 差し込んできた朝日に目を覚ました。胸のあたりがひどく痛む。
 「ウゥ!」
 起き上がろうとして、体の節々の痛みに思わず声をあげてしまった。
 まだ休息が必要なようだ。あまりにも衰弱していたせいか、腹の痛みもまだ取れてはいなかった。
 
 
 「また目を覚ますことが出来るとはねぇ。」
 あの悪夢のような夜から何日目の朝かなど知る由もないが、自分が生きている幸せをかみしめて、もう一度眠りについた。








 あれから何時間たったのだろうか、ドラゴンが目を覚ました時にはもう外は真っ暗になっていた。
 
 「もう夜かい?早いねぇ。」
 朝よりも少しだけ楽になった体をゆっくりと起こし、洞窟の入り口から空を眺めてみると、何百年見てきても未だ飽きずに見られる星空が広がっていた。

 美しい星空を見上げるドラゴンの目は、復讐に燃えていた。自分が生きてきてあれほど死を意識させられた戦いはなかった。あれほど自分が苦しめられ、ドラゴンとしての恥を感じた戦いはなかった。この恨み、必ず晴らす。

 夜の星空に向かって、ドラゴンは咆哮を上げた。胸の痛みは酷いものだったが、傷口は・・・すでにふさがっていた。澄んだ山の空気を目いっぱい吸うことが出来る。



 しかし、弱り切った体を回復させるためには、魔力が足りていなかった。こうなれば他の生物を贄にするしかない。
 ちょうどその時、一匹の鹿が目の前を通り過ぎた。ドラゴンの咆哮を聞きあわてたのだろうが、逃げる方向が間違ったようだ。
 
 「感謝するよ。」
 ドラゴンはそう言ってドラゴンは腹ばいになり、蛇のように体をくねらせ目的の獲物を追った。
 体の痛みに動きが止まりそうになったが、なんとか鹿を捕まえることが出来た。
 
 暴れる鹿をそのまま喉に通す。生きたまま呑み込まなければ魔力が得られないから丸呑みにするのである。
 
 「グルルルルル。」
 生きた獲物が暴れながら喉を通り過ぎる感覚は気持ちいい。病みつきになる。

 しかし、獲物が喉を通り過ぎるときに思い出したのは、あの小娘の顔だった。

 あの小娘・・・!私の心臓に初めて穴をあけた人間!
 「次こそは私の腹の中で死んでもらう!」
 しわがれた声が夜の帳を引き裂いた。



 
 
 


 






 次の日の朝、ドラゴンは腹の違和感に目を覚ました。昨夜は鹿を3匹、熊を2匹食ったため、消化に手間取っているのだろうかと感じたが、何かおかしい。どんな獲物もいくら遅くとも二時間以内には消化されるはずである。
 なのに今は、何か小さなものが腹の中に残っていて、それが消化不良を起こさせているように感じられた。
 ギュルルギュル・・・
 やはり消化不良を起こしているようだ、腹の中で蛇がのたうつような感覚がドラゴンを襲う。
 「グゥ!なんだかわからないけど一旦吐き出してみるかねぇ。」
 その異物だけを吐き出せるよう細心の注意を払ってドラゴンは胃を動かした。せっかくの獲物を吐き出すわけにはいかない。
 

 昨日食べた獲物の残りカスはほとんど腸の方に移動していたようで、その異物だけを簡単に吐き出すことが出来た。

 出てきた物体を見て、ドラゴンの頭は真っ白になった。
 
 ろうそく・・・!?
 

 そのろうそくは、カッツとジムがドラゴンの胃の中を照らすために使ったものだった。

 「なんてものを奴らは私の腹の中で使ってくれたんだい!?もう許さないからね!」
 
 ドラゴンの怒りはついに抑えられないものに変わってしまった。

 

 ドラゴンはろうそくが大嫌いであった。どんなものでも溶かしてしまうドラゴンの胃が唯一消化できないもの・・・それがろうなのだ。ろうを食えば消化不良を起こし、それを吐き出したとしても平常通り消化できるように回復するまで数カ月を要する。その間は、消化不良の苦しみを味わい続けなければならない。獲物を喰らう楽しみが奪われることは、ドラゴンにとって毒を食うよりも数倍嫌なことだった。
 
 ろうそくの燃える匂い、吐き気を催すあの煙、全てが嫌いだった。

 
 魔法生物であるドラゴンは、大気中から魔力を吸収することが可能であるため、獲物を捕る必要はない。しかし、捕食の虜になってしまったこのドラゴンには、捕食を我慢することは到底無理な話だった。


 ギュルッ・・・ギュルギュルルルル・・・
 それにこの、消化不良に陥ってしまった恥ずかしい腹の音と、これから数カ月付き合わなければならない。
  

 「まったく!いやだねぇ!」
 
 ドラゴンの脅威の回復能力によって飛ぶことが出来るまで回復したドラゴンであったが、それでも万全の体調というわけではない。


 しかし、怒りを抑えられなくなったドラゴンは、あのセナたちを探すため洞窟を後にした。


いろいろ勝手にドラゴンの設定をしてしまいましたが、なんの根拠もない自分勝手な設定です。すみません(汗
<2012/08/04 18:19 又人>
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