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大食い選手権 − 旧・小説投稿所A

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大食い選手権

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司会「レシ…ラムさん…?」

レシ「す、すみません遅れちゃって………参加、できます?」

司会「それは勿論構いませんが……」

トゲキッスは選手席の方を向く。レシラムもつられて見ると、ルギア、ガブリアス、ラオシャンロンが突き刺すような睨みをきかせていた。乱入者に対する怒号を思い切り飛ばしたがっているようにも見える。


司会「と、とと…取りあえずステージへどうぞ。」

レシ「ありがとうございます♪」

レシラムは小さく会釈すると、なんと勇敢にもラオシャンロンの隣へと移動した。


シャンロン「……よう。お前なんでここに来た?」

レシ「え…な、何かまずいんでしょうか…?」

シャンロン「いや………いい。」


司会「た、大変お待たせしました!!いよいよ第10回大食いコンテスト、決勝戦です!」

観客席から怒号のような歓声があがる。司会席の後ろの電光掲示板から、記されていたコマーシャルが消えさり、新たな文字が浮き出てくる。

_______________________________________

1.ガブリアス  0
2.ルギア   0
3.カイオーガ  0
4.ミロカロス  0
5.ベロベルト  0
6.ギラティナ  0
7.ラオシャンロン 0
8.レシラム  0

_______________________________________


司会「制限時間は30分。それではレディー………GO!!!」

カーン!!

スタートのゴングが響き渡る。選手達は一斉に段ボールへと手を伸ばし、入っている餌を口へと放り込み始めた。

イーブイ、ココドラ、リオル、ヨーギラス。食い物は多種類に渡ったが、当然選手達に慈悲をかける暇は無い。




リオル「うっ…?ここど…」
バクッ…ゴクリ……バクッ…ゴクリ。

レシ「とっても美味しいです♪急がないと…」

レシラムは急な明るさに怯む餌たちを見境なく取っつかみ、悲鳴と共に呑み込んでいた。



バクン……ゴキュ…
ルギア「確かに美味い……どこから捕まえてきたんだか。」

ぶらぶらと翼にしがみつくヨーギラスを口へと落とし、無表情に呑み下すルギア。落ち着いているとはいえ、その早さに彼の喉は絶え間なく動いていた。



カイオーガとベロベルト……
彼らは顔ごとダンボールへ突っ込み、その長い舌で十数人を一気に絡めとると、有無も言わさず喰い漁っていた。

そのため、現在ポイントは最高の36匹…


カイ「へー強いんだね……でも負けないよ?」

ベロ「………」

ベロベルトは箱から顔を出さず、一心不乱に貪っている。カイオーガも負けじと唾液を振りまき、巨大な口で20匹ほどすくいとる。

ごくり……ごくり……ごくり……ごくり…

イーブイ「わ、わたし……い、いやああっ!!」

ごくり。




ラオシャンロンは余りの巨体ゆえに、1体喰う毎に入るポイントは皆の半分……0.5。

しかし箱ごと潰しそうな勢いで喰らっていくため、順位は2位を死守していた。



ココドラ「ぼ…僕にてだししたらパパが黙っ……う、うわあああんっ!!」

ガプ……ヌチュ…ゴクリ。んぐ…んぐ…

シャンロン「やかましいガキが多いが……肉は最高だなぁ?……そう思うだろ?」

シキジカ「し、知らないわ……き、きゃっ……いやああっ!!」

ネチュ……ゴクゴク…ごくり。




減っていく箱の中身に対して、少しずつ膨らんでいく8つのお腹。選手のポイントは既に60を超え、一向に衰える気配は無い……



しかし試合開始から10分を過ぎた頃……









ガブ「う……ゲフツ…!!」

体型的にも不利なガブリアスが膝をつく。お腹ははちきれんばかりに膨れ上がり、消化を急ごうと蠢いていた。

ミロ「あら……もうおしまいかしら?」

ガブ「なに………!!ぐっ…ぅ…」

挑発的なミロカロスの言動に再び立ち上がろうとするが、強烈な満腹感に襲われ、脚が立たない…


ミロ「フフ……苦しそうに…」

ガブ「ばっ……何を………ぁ…やめ…ぐぷっ…」


ぽよんと余裕のありそうな蛇腹が迫ってくる………目を上げると、ミロカロスが大口を開けていた。

ミロ「楽にしてあげましょうか…?」

ガブ「な…やめ……ろぉ…うぶっ…!!!」

急にガブリアスは口を抑え、身をのたうち回らせる。ミロカロスはニコリと微笑みかけ、自分のダンボールへと戻った。


<2011/05/15 15:14 ロンギヌス>消しゴム
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