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ICE AGE − 旧・小説投稿所A

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ICE AGE

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「あー……だりぃ…」

リゲルがだらけきった様子で、トレーニングルームからのっしのっしと怪獣みたく出て来る。ドイルはその後ろについてきていたが、リゲルよりも顔は爽やかそうだった。

「先輩…たかがテストでうなだれてたらマズいんじゃ…」

「う…うるせぇ…たまたま疲れた時に当たっただけだ。」

「上官はそんな言い訳聞く間もなくこれですね。」

ドイルは喉を掻き切る動きをする。……「クビ」


「わわ、分かってる……それより今夜、分かってるよな?1時だぞ。」

「…でもなんで1時なんですか?」

「教官どころか草木も眠るうしみ…」

「うしみつ時は2時ですよ。」




………






「と、とにかく今夜だ。遅れるなよっ!?」

リゲルはそのまま兵室へと直行し、あっと言う間に姿を消した。







〜〜1時〜〜


「やべぇやべぇ……遅れるってヤバい…」

地下への階段をガンガンとけたたましく降りていくリゲル。あろうことか、自分が約束を忘れてしまっていた。


階段を進んでいく毎に、段々光が薄れていく……実のところ地下2階より下は殆ど使用されておらず、現在は小さな廃墟となっていた。

巨大冷凍庫が老朽化し冷気が漏れているのか、階段を降りるにつれて寒くなってくる…

「地下 3」と描かれた札の前で、リゲルは急停止した。腰から2枚のカードを取りだす。


「…使うか……流石に。」

ライバーに2枚とも挿入し、ガチャリと蓋をスライドする。





…カチッ「Ride…RUMOS、PROTECT」



不気味な機械の声が鳴り、リゲルは透明な光のような物に包まれる。また、ライバーから光の球が飛び出し、リゲルの行く道先を照らした。

これでリゲルは、光と保温効果を手に入れた。



ほっと一息はつけない。遅れてきて変な目で睨まれたら困る……再び爆走しはじめた。







「…ったく!もうちょい良いカード支給してくれてもいいじゃねえか…」

こういうカードは殆ど軍隊、政府が所持し、階級に相当してカードは配られる。
リゲルは一等兵……まあまあと言えばまあまあだ。ドイルは入隊ホヤホヤ二等兵だが、ある程度の実力は認められており、いずれ抜くかもしれない…



「地下 4」のボロ札の下を通り、チカチカしている蛍光灯の道を一直線にリゲルは進んでいく………何だか幽霊でも出没しそうではあるが、そこはそれ。






ふと時計に目をやる。AM1:06……

既にリゲルは目的地、冷凍室のまん前に辿りつく。ドイルはまだ来ていないらしく、辺りはがらんとしていた。

すっかり老朽化している鉄扉を見やると、どこぞの悪ガキが描いた落書き…「KEEP OUT」のかすれたテープ…意味の無い文字列など、多種多様な30年の歴史が刻まれていた。

再び時計へと目を移す。AM1:11…

「わーゾロ目だー♪」とはしゃぐ歳でもないので、未だ来ないドイルの事を考える。



何をやっているんだろうか……趣味のモンハンとかいうゲームに熱中したか?女垂らしか?教官にこっぴどく叱ら…

「うわああああああああぁぁぁ………」

ビクッと体を震わせる。冷凍室の中から、何やら聞き覚えのある声だ……





すぐさまカードを取り出しライバーへと突っ込む。慌てていたせいか、拍子で他のカードが5枚程、バラバラと散らばり落ちる。


…カチ「Ride…POWER」


ライバーを着けている方の手で、鉄の扉を強く押すと、なんと150kgはあろうかというのに簡単に開く。


もちろんリゲルはそんな事には眉一つ動かさず勇気と好奇心故に、漆黒の闇々へと足を踏み入れた。



<2011/05/15 15:10 ロンギヌス>消しゴム
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