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【保】恨み憎しみ − 旧・小説投稿所A
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【保】恨み憎しみ

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この世の中で 最も恐ろしいものといえば・・
食べ物の恨み とよく言いますね

でもボクが思うには もっと恐ろしいものがあると思います
それは・・
捕食者と被食者が であったとき・・・


仮に、この世で最も恐ろしい その二つが重なると
一体どうなるのでしょうね・・・?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お、お前・・よくも・・!!」
「ご、ごめんなさい・・」

今 カンカンに怒っているのがハブネーク
そして謝っているほうが ブイゼルというポケモン

この二匹は 数年前から友に暮らしている親友・・なのだが・・・

どうやら このブイゼルが、
ハブネークの大好物であるスターの実という木の実を 勝手に食べてしまったらしい・・

「あれが オレの好物だということは お前も知ってるはずだろ!」
「・・だ、だって・・君が美味しそうに食べてるところを見てつい・・
 それに あれが最後の一個だったなんて知らなくて・・」


数十分ほど口論が続いた末
仕方なくハブネークも一時 怒気を抑えた

・・しかし ハブネークの怒りは 何日経とうと収まらなかった・・













ハブネークの怒りが収まらないまま 一週間が過ぎ・・
ブイゼルも 流石に忘れかけていたころ・・
ついにハブネークが あることを実行しようとしていた・・



気持ちの良い昼過ぎ・・
昼飯を食べたばかりのブイゼルは のんきにうとうとと眠りかけていた・・
そのとき・・ハブネークの温厚だった目が突然 獲物を見るような形相に豹変した

ハブネークは 無防備なブイゼルに背後から近づいていった・・
もちろんブイゼルは 全く気付いていない・・

ブイゼルとの距離が 1メートル足らずまで縮まった・・・次の瞬間!
まさに目にも留まらないほどのスピードでハブネークは 長い体をブイゼルに巻きつけた・・!
突然の事態に ブイゼルは何が何やらわからず、しばらくじたばたともがいていた・・


「・・!? ハ、ハブネーク・・!?」

自分に巻きついているのがハブネークだと分かった瞬間
ブイゼルは いったんもがくのをやめた

「・・ど、どうしたの・・? ふざけてるの・・?」

返答はない・・

「まさか・・まだあのスターの実のことを・・?」

ハブネークは ブイゼルの言葉に全く耳を貸そうとはせず
今まで見たことがないような恐ろしい目つきで ブイゼルを睨みつけている・・


しばらくして・・
おもむろにハブネークは 顎の骨を外し、大口をこれでもかというほど開いた
締め付けも だんだんときつくなってくる・・
ブイゼルは これがハブネークが獲物を食べるときの態勢だと知っていた
・・しかし・・気付くのが遅すぎた・・・

「・・あわ・・わわ・・!!
 ご、ごめんハブネーク・・!
  あ、謝るから 許してぇ・・!!」

謝罪を並べるほか ブイゼルにはどうすることもできない・・が、
やはり ハブネークには 一言も聞いてもらえなかった・・・・











・・そして
ついにブイゼルの体は ハブネークの口内に すっぽりと収まった
ぬめぬめとした何とも言えない感触が 常に体中を襲い、
生温かく臭気のある唾液が 口の中にまで侵入し、この上ない吐き気を及ぼした・・
しかも、もがけばもがくほど ハブネークの舌が刺激され、更に口内の唾液の量が増してしまう・・

そうして十分滑りやすくなったブイゼルの体は
暗い喉の奥へ ゆっくりと運ばれていった・・・

「・・いや・・だ・・・た・・すけ・・・て・・」

助けを求める小さな声は・・・
奥へ 奥へと沈んでいき・・


しばらくすると 完全に途絶えた・・・





























「オ、オレは・・
 なんてことを・・・」


数時間後、我に返ったハブネークは
いま やってしまったことが 自分でも信じられなかった・・

なんとかして出さなければと 必死になって試みたが・・


無駄だった・・・






















その後 ブイゼルとハブネークが 楽しく遊んでいるところを見た者は・・
・・一人もいない・・・






END



<2011/12/22 22:17 闇銀>消しゴム
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