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研究所の大トカゲ − 旧・小説投稿所A

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研究所の大トカゲ
− 生きてきた゛アカシ゛ −
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トカゲは、馬をクチャクチャと噛み始めた。
馬は、口の中で転がされるだけだった。
唾液がまとわりつき、馬の体は徐々に濡れていった。
あちこちで、筋肉が馬の体を持て余すかのように揉んだ。
「ブルルンッ…」
たまに馬は小さな声で鳴き、苦しんだ。
馬は、口内の生温かい空気を吸いながら、
ゴクリッ…
と、飲み込まれた。
暑苦しく、長い食道を抜け、辿り着いたのは、大きく広がる胃袋だった。
胃袋は早速、胃液を出し、今から消化され、栄養になる馬を、歓迎しているようだった。
馬は、胃袋に押し込まれ、まるで監禁室に入れられたようになった。
胃は、狭く、窮屈だった。
飲み込まれた馬が大きいからか、胃は、いつもより狭くなった。
筋肉質の胃の壁から、胃液が噴出し更に胃の活動は活発化した。
馬は、またもや、筋肉に揉まれていた。
もう抵抗しても無駄だろうと思った馬は、自分の体を見た。
今まで生きてきた証が、この体に詰まっている。
しかし、今はもう見ても悲しくなるだけだった。
ビチャッ…シュウ…
という音を立て、馬の体は、どんどんと溶かされていく。
皮膚も、何もかも…。



<2012/05/21 05:14 エヴァンゲリオン弐号機>消しゴム
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