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【保】特生3課 − 旧・小説投稿所A

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【保】特生3課

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「助けてー!」

「人間なら食べないって嘘じゃんか!」

男の子たちは必死で舌の上で暴れた。
君たちからすればそれは抵抗のつもりなんだろうけど、オイラからすると寧ろ食欲をくすぐられるだけなんだけどね。
あー、呑み込みたいけど我慢だ。
オイラはまず舌で男の子たちを絡めるように何度も何度も舐める。
うーん、これだけでも美味しいな。
唾液が絶えずに出続けていることがそれを物語っている。
オイラは舌のあちこちに転がしては、男の子たちの味を楽しむ。
しばらくそうやって楽しんでいると、悲鳴すら聞こえなくなった。
そろそろ潮時かな。
オイラは最後に舌で男の子たちを潰さない程度に締め上げた。
うん、やっぱり美味しいや。
後味に名残惜しさを感じつつ、そっと優しく地面に吐き出した。
男の子たちは唾液まみれで、目を真っ赤に腫れさせていた。

「君たちは以前から何度も何度も注意されてきたよね。そのたびに大人たちからこう言われたはずだよ。『ここには恐ろしい怪物がいて危ないから入ってきちゃ駄目』って。大人の注意はちゃーんと聞くもんだよ」

なるべく優しい口調で諭すように言った。



男の子たちは泣きじゃくりながら謝ってきた。
助かった安心感と、30メートル級の生物が動くのを目の前にしての恐怖が入り交じったんだろうな。

「あれ?」

オイラは男の子のうちの一人が全く泣いていないことに気付いた。
こいつなかなか神経が図太いな。

「君、反省してる」

オイラはその子に顔をグッと近付けて聞いた。

「うん、ちゃんと反省してます。……でも、もう少し中にいたかったかも」

その子の答えにオイラは思わず吹き出しそうになった。

「いやいや、そんなことで強がらなくていいからね」

どう考えたって嘘でしょ。
だって自分よりも遥かに大きな生き物、しかも肉食獣の口の中に閉じ込められるなんて悪夢以外のなにものでもないだろうに。
現に他の子供たちは泣いている。

「もう一回いいですか?」

しかしその泣いていない男の子はあろうことか自らオイラの口の中に入ろうとしてきた。
オイラはそれを手で制する。
まさかオイラは何か自分でも知らないフェロモンを出していて、それがこの子を惑わしたのだろうか。
もしそうだとしたらどうしよう……。
オイラは呆然とその場に立ち尽くした。



<2011/12/05 22:50 とんこつ>消しゴム
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