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消えた理性 〜番外編〜 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性 〜番外編〜

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「やばい…柔らかすぎる…」

ジュカインの体には余すことなく胸が張りつき、ジュカインに温かさと柔らかさをプレゼントする。

だが…



ジュプウ…グニュ…ムグゥ…

「な、何の音だ…?」

突然耳に入ってきた、怪しげな音。まるで
何かがこの胸に潜り込んでいるような…


…ギュムギュム…グニグニ…
段々近づいてきている…

ジュカインは身をよじらせ、後ろを向いた。



「し…舌ぁ!?」

見慣れた舌が、カイオーガの胸に潜り込み、自分に近づいてきていた…

「あ…ちょっ…やめ…」

舌はジュカインの目の前で停止し、ジュカインを観察するように一舐めする。

「ひゃう!」
白い空間にピンクがよく映え、そのピンクが体にとりつく。

「あぅ…や、やめろぉ…」

狭い空間で舌と密着し、唾液を体中に塗りたくられる。

「ひ…ひぃぃ…」

すると…


舌が体からは離れ、ジュカインの頭だけを
集中的にいたぶり始めた。

「むぐぅ!うぐむう!…ぐぁ…」

一方体は…

…ぐにゅん♪むにゅう…♪
「あ…え!?まって…」

待機していた胸が体を優しく包み込み、唾液ローションを塗る。

「あぐぁ…むぐぅ!?ぐもぅ…もごぉ…」

舌肉、乳肉、唾液の三段攻撃に、ジュカインの意識は吹き飛びそうになる…

「ヵィォー…助け…くれぇ…」

分厚い舌の壁に声は塞がれ、自分にすら聞こえない…

助けを求めたジュカインの頭にはお仕置きのように、舌が頭を埋めつくし、ジュカインの緑色はどこにも見えなくなってしまった…

「ぐぐむぅ!がむぐごぉ〜!!」
(苦しい!助けてくれ〜!!)



40分後…

…もうだめだ…眠い…

体は休息などもらえず、ただ舌と胸の愛撫を受けている。眠くなるのも当然だ…

だが眠くなってくると、あまり苦しみを感じなくなってきた。いやむしろ柔らかいものに囲まれているのだから、気持ちいい。


…もう…いいや…どうとでも…

大好きなカイオーガの胸の中にいる。それだけで嬉しい。後は……任せよう。


ジュカインは体から力を抜き、大きなため息をついた…


すごい…力を抜いただけでこんなに心地よい空間に変わるんだ…


舌と胸は、降伏したジュカインを抱きしめ、それぞれの温かみで優しく圧迫する。






もう…出たくない…

考えてみれば、外での出来事を思いだす。
ハブネークに追いかけられた事…
ロイスを見捨てた事…
メモリで大乱闘した事…
全部嫌な事ばかりだ…

それなら、一滴の危険もない、肉の海で。
ずっと優しく介抱してくれる、この中で。

…生きて…いたい…


優しくなった舌の圧迫を外し、ジュカインはカイオーガを呼んだ。

「なぁに?ドMクン♪」
「…それでもいい。オスにもどってくれないか?」

「気が済んだ?じゃあ出て…」
「いや、このまま…」
「え…?」

カイオーガはオスに戻る時、胸を体に取り込む。その胸と一緒にいるという事は…


「取り込め…って事?」
「………ぁぁ。」

睡魔がジュカインの声を小さくさせる。
今になってものすごく眠い…

「どういう事か分かってる?」
「…お前がたまーに敵にやってる事だよ。
…多分。」

誰かを取り込まずにこんな大きさになるはずがない…

「でもそれは…」
ジュカインは敵じゃない、というか大切な
親友だ。
もし失ったら、「友達」はたくさんいるものの、「親友」は1人もいなくなってしまう…

しかしその親友の望み…叶えてあげたいのもある。


「早く…して…くれ…」
ジュカインの瞼が段階下がってくる…


「そんな…ボクは…」
いくら残酷になろうとも、それだけはできない…


「もう…1回死んでるんだ…怖くないさ…」

「でも…」

「…この命だって、お前がくれたようなもんだぜ…?」

「ちがう僕じゃない!あれは…」

エターナルメモリ、カイオーガは使っただけだ…
しかし使う事を考案したのもカイオーガ…


「今まで…世話になってきたしな…」
「…バカ…」

「こういう雰囲気苦手なんだ…やってくれ…」

「…………」

自分がカイオーガじゃなかったら…
自分がもっと優しかったら…
ずっと一緒だったのかもしれない…

カイオーガの加虐心は、最終的にカイオーガ本人を苛んだ。


「………わかったよ…」

カイオーガはついに決心した。


<2011/05/15 14:32 ロンギヌス>消しゴム
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