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【保】とある竜医と女王竜の記録 − 旧・小説投稿所A

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【保】とある竜医と女王竜の記録

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「やっと帰って来れたわ」

城へ戻り、ゴルダは派遣された竜医と話をしていた。セイグリッド城で会った、羽毛に覆われたあの飛竜がチラチラとこちらを見ていたが、ゴルダは無視して話を進める。

「まあ、皆よろしく頼むぞ」

ゴルダはそう言うと、部屋を移動する。

「飯食ってねえわ」

と言って、台所の方へと歩いていると一人見かけた事のある男が前から歩いて来た。

「ん?」

「お?」

しばらく互いに顔を見た後。2人は一斉に

「兄貴か?」

「バハムードか?」

と言う。

「いやはや、お前まで竜医になるとはな」

ゴルダは弟のバハムードの肩をポンと叩く。

「へへっ、結構大変だったぜ」

2人で立ち話をしていると、後ろから見覚えのある飛竜がやって来て

「バハムード、さっさと仕事終わらせないとまたドヤされるわよ」

とバハムードに言う。

「分かったよ、ああ兄貴。こいつ俺の相棒のセレノア、口悪いのは気にしないでくれ」

バハムードはセレノアを紹介し、どこかへ行った。

「ああ、セレノアよ。よろしく、捕食なんか興味ないから大丈夫よ」

と言うと、荷物を持って診察室になる予定の部屋へ行ってしまった。

「俺は朝飯を・・・」

キッチンへ行くと、しばらく姿を見なかったシスイが食べるものを探していいた。

「おい、飯なら作るぞ?」

「む、悪いな手伝おう」

シスイと朝食を作りながらゴルダは

「お前の姓って何だ?」

と聞く。シスイは少し黙ったが

「アルディリス、シスイ=アルディリスだ」

と答える。

「お前もやはり親居ないのか?」

ゴルダが再び聞くとシスイは頷き

「村八分で殺されたよ、闇竜国アルヴァスに居た時にな」

と答えた。



<2011/07/25 22:08 ゴルダ>消しゴム
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