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【保】とある竜医と女王竜の記録 − 旧・小説投稿所A
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【保】とある竜医と女王竜の記録

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「やれやれ、とんでもない奴だった」

呆れ口調でゴルダは言う。
用事があるからと、早めに切り上げて帰ってきた二人だったが。
持って行けと言われて、一見何の変哲もないケーキを土産に持たされ。それをどうするか悩んでいた。

「捨てるか?いくらなんでも怪しすぎるだろ」

キッチンで2人でそのケーキを眺めながら、ゴルダは言う。
シスイはやや首を横に振って

「絶対にあいつはちゃんと食ったかどうかを聞いて来る、捨てたなんて言ったら今度は何されるか分からん」

と、捨てれば何をされるか分からないと答える。

「何をしている?」

そんなこんなで30分あまり考えていると、エルフィサリドがひょっこり入って来る。

「これ、もらうぞ?腹が減って仕方がない」

ケーキに気付いたエルフィサリドが聞くので、2人は勝手にしろと言う顔でエルフィサリドを見る。

「では遠慮なく」

エルフィサリドはケーキを丸ごと持ってキッチンを出た。
シスイとゴルダは、これで一件落着だなと言う顔をし、キッチンを出て部屋へ戻る。

「しかし、どうも嫌な予感がするな」

部屋で調合関係の本を読みながら、ゴルダはふと呟く。
淫竜と聞いていたので変な薬をケーキに混ぜて居ないかが心配だったのだ。

「捕欲促進剤と言うおかしな薬もあると言う話だ、何も起こらなければいいが」

と、その薬の調合法が書いてあるページを開きながら言った。



<2011/07/25 22:17 ゴルダ>消しゴム
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