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消えた理性 Second 〜VSヤマト〜 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性 Second 〜VSヤマト〜

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「お前、入隊して何年になる?」

「10年です。いまだに階級は兵長ですが…」

「きにするな。もし生きて帰れたら昇進させてやる…いや、絶対に2人で生きて戻ろう。そしてこの忌々しい魚を…」

「そ、そうですよね!絶対に生きて…」


その時、胃壁が動きだした。

「う、うむわあああ!」

「お、おい!まてよ!」

胃壁はちょうど∞の形になり、二人を隔離した。お互い相手の姿が見えない。

「おい!戻って来い!おい!」

「か、壁が締め付けてきて…」

「くそう!まってろ!今そっちに…」

「だ、だめで……いぎゃあああああ!!」

「どうしたんだ!おい!」

「やめろおおおおお!!!!やめてくれえええええ!!ぎゃあああああ!!」

グニュン!ギュムリ!グムム!

胃壁が動く音と悲鳴が、司令官の叫びをかき消した。

「アガアアアアア!!!たすけてくれえええええ!!!」

「くそ!開けぇ!このおおおお!!」

必死に胃壁の穴を広げようとするが、
もの凄い力で閉まっているためびくともしない。

「あ、ああああああ……あがぁぁ…」

だんだん悲鳴が小さくなっている。いったい何をされているのだろうか?

「ぁぁぁぁぁぁ…ぁ…………」

「お、おい!諦めるな!今助ける!」

「…………………」
返事はない。

「返事しろぉ!おい!応答するんだ!」

「……………」

「おい!」

「…………」


その時、胃壁の穴が緩み、司令官は向こう側に倒れ込んだ。


「うわ!……くそ…ん?…」

司令官は言葉を失う。そこに倒れて、いや
落ちていたのは、兵士の物だった金属製の
銃、それだけだった。


「お、おい…」

司令官は銃を拾い上げ、叫ぶ。

「お、おい!隠れてるんだろ!?
出て来いよ!」

しかし誰も答えない。聞こえるのはドクドクという心臓の音と、壁が軽く動く音だけだった。
司令官は少し歩きながら探し続ける。

「た、たのむ!出てきてくれぇ!
……あっ!」

「…嘘…うそだろおお!?」

そこに落ちていたのは、溶けた人間のかけら、それが司令官の希望を消す。

「あ、あああああああ!!」

刺激の強い物を見たせいか、司令官は言葉が出ない。

「お、おえええ…」




司令官が気づく訳が無い。
胃壁はカイオーガの意思に支配されているが、今その主は睡眠中。自由に動く。
獲物を2人見つけた胃袋は、既に溶けやすい体になっていた兵士を、先に消化した。

しかし、もう先も後もない。

ペタ…ブニュリ…

司令官の体に、柔らかい肉壁が張り付いてくる。少しも隙間のないよう、逃がさないよう…


「あ、あああああ…」

抵抗出来ない体は、壁に容赦なく覆われていく。

「い、いやだ…あ、あああ…」

ギュム…グニグニ…プニュ…

もう覆われる所はない。すると…

ジュプ…ジュプリ…ジュルル…

「え、あ…だめ…」

胃壁は獲物を消化しようと、遂にある液体の分泌を始めた。

「ぐう…ぐわああ…た、たす…むうう!」

グニョリ…グププ…ネトォ…ピチャ…

「い、いや…だ…こんな死に方あああっ!」

ヒリヒリとした痛みが、液体の触れた所全てに走る。

「う、うむううう…出して…くれよ…」

しかし悪魔は夢の中。小さな餌の叫び声など、聞こえるはずがない。

ジュウ…ジュムウ…ギュウウ…

「か、体がぁ…」

酸っぱい臭いと共に、体中が痺れてきた。
体は動く事など許されず、痙攣するだけだった。

「あ、あが…あがが…」

しかも更なる恐怖が、司令官の目に映る。

「え、い…や…そん…な…」

ポタ…ポタポタ…タラタラァ〜…

自分がいる空間の上から左から右から、胃液が軽い雨のように降り始める。
その内の一滴が、司令官が握り締めている懐中電灯に落ちた。

ジュウウ…バチ、バチバチ!…パチ

「う、うそだろ…?」

明かりが消えた。それだけではない。
金属製の電灯が一瞬で消えさり、電池がバチバチとショートしている。
こんなのが体に降りかかったら…

「か、かみ…さま……助け…てぇ…」

神が、欲深い男の望みを叶える事は無かった。

ポタ…ポタポタポタポタザアアアアアアア…


「ぎゃあああああああああああああぁぁぁぁ……!」


<2011/05/15 13:20 ロンギヌス>消しゴム
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