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消えた理性 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性

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話を聞いた後のカイオーガの顔は凄まじいものだった。
まさに悪魔だった。
自分の暮らしとコラッタの暮らしにこれほど差があるとは思っていなかった。
大型ポケモンの首領であるバンギラスに対する怒り、酷い仕打ちを受けたコラッタに対する深い悲しみがカイオーガの海のように雄大な心に深く突き刺さっていた。
『そうか.......』
『う、、うん......』
悲しみのあまり、コラッタはカイオーガの体を借りて大泣きしていた。




突然、カイオーガが口を開いた。
『ねえ、コラッタ君。そのバンギラスの居場所、分かる? 知らなければいいんだけど』
コラッタは、赤く腫れ上がった目を拭きながら小さな声で答える。
『あ、ああ、一応.....でも、知ってど、どうするんだ?』
『いいから........ね?』
もうカイオーガの目からは、優しさも穏やかさも消え失せており、有無を言わせない怖さと、怒りにまみれた狂気しか映っていなかった。
そしてコラッタは、彼に耳打ちをした。










次の日、カイオーガはコラッタが起きるより早く目を覚ますと、目を閉じ、どこで習得したのか「サイコキネシス」を使って体を浮かせると、森に向かって信じられない速さで進んでいった。





森の中、カイオーガはコラッタが教えたとおり、島の中央部に来ていた。石の城のような物が建っており、この辺りを領地として支配しているらしい。しかしカイオーガはそんな事に興味はない。門の前までくるとエルレイドの門衛にストレートに話しかけた。
『ねえ、通してくれないかな?』
『要件を言え、さもなければ帰れ』
『どうしても?』
『当然だ』
『ふーん......それじゃあ仕方ないね』
なんとエルレイドの目の前でカイオーガは大きな口を開けたのだ。
至近距離でハイドロポンプでも撃ってくる気かと思ったのか、エルレイドは防御の体勢に入った。しかしカイオーガは口を閉じ、大きなあごでエルレイドを挟み込んだ!



<2011/05/15 13:03 ロンギヌス>消しゴム
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