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肝試し − 旧・小説投稿所A

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肝試し

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サバ「・・・『桃』・・・桃色か・・・」

ガチャ・・・・ギィィィィィィィ・・・・・・・

サバ「ナイドは次の階は気をつけろって言ったけど一体何が待ってるんだ?まあ行けば分かるだろうし・・・今は気にしないとこ。」

コツコツコツコツコツ・・・・



ここは迷宮の地下7階。
地下7階は普通の迷路だが1つだけ違う場所がある。
それは・・・・壁に無数の武器が飾られていることだけ・・・・
そんな階をサバランは全速力で走り回っていた。

ダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!

サバ「ハァハァ・・・この階はどうなってるんだ!何で悪霊が俺に触れるんだ!?」

確かプルートはこの服を着てれば悪霊は俺に触れることが出来ないって言ったのに・・・


悪霊「貴様の体をよこせ!」

サバ「嫌じゃ!悪霊の貴様に渡す体なんて無い!」

ヒュッ・・・・


サバ「・・・・・!?」

い・・・今何が起こった?俺には一瞬ナイフが顔をかすめたように見えた・・・
ってやっぱりかすめてるし!頬から血出てるよ!

悪霊a「よこせ・・・よこせ・・・・」

よこせとしか言ってこない悪霊が後ろから追ってくる・・・

サバ「こんなところで悪霊なんかに殺されてたまるか!」

ガシッ・・・・

悪霊b「よこ・・・せ・・・体を・・・よこせ」

サバ「!!!!!」

別の悪霊が俺の脚を掴んだ。
そして・・・

ギリギリギリ・・・・・

サバ「痛い痛い!!悪霊って意外に握力強いって!骨折れる!!!!」

悪霊b「よこせ・・・・よこせ・・・」

サバ「さっきから『よこせよこせ』って五月蝿い!」

ガシッ・・・ガチャ・・・・・・・・ドン!!!

俺は壁にあった銃を手に取り悪霊の頭に一発打ち込んだ。
打たれた悪霊の頭には風穴ができ、そのまま掴んでいた手を離した。

悪霊a「よこせええええ!」

後ろから追ってきた悪霊が来た。

サバ「うるせええええ!悪霊はサッサと成仏しやがれ!!!」

ガチャ・・・ドン!!!!

悪霊a「よ・・こ・・・せ・・・・・・・・・・・」

ドサ・・・・・・・

今度は喉に命中。
悪霊は最後にそう呟いて倒れ、俺もそのまま背中から倒れた。

ドサ・・・・

サバ「ハアハア・・・・疲れた・・・・ハア・・・・」

ほんとにどうなってるんだ?ナイドが言った意味が分かったよ・・・・確かに罪竜より悪霊共のほうが危険だわ・・・

???「何ださっきの銃声は?」

そう言いながらひょっこり現れた罪竜・・・・銃声で気づくって・・・俺、結構叫んでたけど・・・それには気づかなかったのか?

サバ「今度は罪竜のおでましか・・・」

???「ん?お前は所長の言っていた『肝試し』参加者か?」

サバ「そうだけど・・・・・?」

???「すまん。さすがにこの階までは来ないだろうと思って寝てた。ここ最近寝てなくてな。ハハハハ!」

罪竜はそう言ってなぜか笑い出した。

サバ「言ってることが全然分からないんだが・・・」

???「何?所長からこの階について何も聞いてないのか!?」

サバ「????」

カルからは何も聞いてないけどな・・・・

???「あの気まぐれ所長は・・・少しは副所長を見習ってほしいもんだな・・・」

罪竜は腕を組んで言う。
竜が腕を組んで悩んでる姿ってなんか萌える。

サバ「って何を考えてる!今はそんなことよりこの階についてだ。おい・・・」

???「そうだったな・・・実は所長から『この階まできた参加者がいれば出迎えてくれ』って言われていてな。出迎える準備はしてたんだが・・・」

サバ「なかなか来なくてそのまま居眠りしたと・・・・」

???「ハハハ!すまん。」

さっきまで全速力で走っていたから疲れていてツッコム気力もない・・・・

サバ「ハア〜・・・それより副所長って・・・?」

???「そこも聞いてないのか!?たく・・・所長は現竜のカルで、副所長は冥竜のプルートだ。何で俺がこんなことまで説明しなきゃならんのだ。」

サバ「ごもっともな意見だ。普通ならカルから言うことなのにな・・・」

ほんとに一発殴りたい・・・・

???「俺はこの階の監視をする罪竜ゾヌンだ。よろしく。」

サバ「よろしく・・・」

俺は床に大の字で倒れながら挨拶した。

ゾヌ「大丈夫か?立てないんだったら所長室まで連れて行くぞ?」

サバ「それじゃあ肝試しにならないと思うが・・・」

ゾヌ「それ言ったらここまで上の階でも同じこといえるんじゃないのか?」

サバ「確かに・・・・だったら甘えさせてもらおうかな。」

ゾヌ「素直はいいことだ。ホレ。」

ゾヌンはそう言って俺を抓みあげると頭に乗せてくれた。

サバ「そういえば・・・なんでこの階の悪霊は俺に触れたんだ?プルートがくれたこの服はそういうものを払ってくれるって行ったのに・・・」

ゾヌ「それはだな。この階の悪霊は他の階のと違って力が強すぎるんだ。だからお前に触れることが出来る。」

ゾヌンは俺にわかりやすく説明してくれた。

キュルルルルルルルルルル・・・・ギュルルルルル・・・・

サバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ゾヌ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ゾヌンはお腹を押さえて立ち止まった・・・・

ゾヌ「片付けるついでにサバランが仕留めた悪霊でも食うか。」

ゾヌンは悪霊の側に行くと悪霊を2体抓み上げた。そして、悪霊を放り投げ口でキャッチする。
俺はその動作について行けずゾヌンの頭から落ちてしまった。

ドサ!

サバ「イテテテ・・・」

ゴクン・・・・

ゾヌンは悪霊を2体同時に呑み込み、喉を膨らました。

ゾヌ「ゲフ・・・・すまん。我慢ができなくてお前を乗せてたことを忘れてた。」

サバ「別にいい。今度は俺も食ってくれ。ゾヌンの腹の中はどうなっているのか気になって・・・」

ゾヌ「それは出来ん!所長から『絶対に生きてる者は食うな』って命令されていてな・・・」

サバ「何で?罪竜だからか?」

ゾヌ「そうだ・・・俺は食っても体調不良とかは出ないんだが・・・」

サバ「だったら・・・」

ゾヌ「暴走してしまうんだ。酔っ払いみたいに・・・前に所長たちと一緒に宴会してる時に誤ってフェラガイが捕まえた侵入者を食ってしまってそれ以来所長たちから禁止された。」

サバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

言葉が出ない。罪竜それぞれだと思ってきたけどさすがにここまでとは・・・

ゾヌ「まあそんなことよりさっさと所長室に向かうぞ。」

ゾヌンはそう言って俺をまた頭に乗せてくれた。
なんとなくだけど乗り心地最高・・・

ゾヌ「ちなみに扉のヒント聞くか?」

サバ「ああ・・・別に良いや。赤色の鍵はまだやから・・・」

ゾヌ「そうか。だったら心配無しだな。それじゃ改めて所長室に向かうか。」

サバ「おう!」


<2011/09/23 21:20 リオ>消しゴム
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