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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A

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エンペラーフェスティバル
− 起爆 −
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本日のお勧めBGM:『One Piece Best Soundtrack 03』

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真夜中の月光に照らされて、オリジンフォルムの彼が白銀に
煌めいている。まるでプラチナの輝きを残すその身体が、鷹の
ように素早く動いた。




『四帝…カラザバンッ!!!』

ギラティナは金の槍を四本出現させ、サカキの胸を狙って飛ば
す。しかし槍は彼の身体を突き抜け、壁にドスドスと突き刺さ
るだけだった。
どうやら物理的な攻撃で、サカキを倒すのは難しいらしい。


「なぜだ…なぜ効かない…」

「それを発見するのも君の仕事だろう。
出来なければ…敗北するだけだ」


挑発的なその言葉に、ギラティナはありとあらゆる策を巡ら
せた。幽霊だけあって特殊攻撃は苦手ではない….が、効果
は薄いように思える。


「来ないのならこちらから行くぞ…」

「…!!」

サカキは右手の平から、緑色の泡らしきものを生み出した。
見るからに毒々しいそれを、全身から次々に
作り出して
いく。そして彼が右手を前に突き出すと、無数の泡はギラ
ティナめがけて発射された。


プクぅ….パンパンパンパン!!!

バブルはギラティナの近くに到達すると、針で刺したように
破裂した。異臭があっという間に広がり、ギラティナはその
怪しい気体に包囲される。あまりの濃さに、緑色のカーテンが
掛かっているようだ。


「んっ…こ、これは…?」

「『塩素』だ。それも五倍に濃縮してある。
君の体がいつまで持つか、見物させて頂こう」

毒性の高い気体、塩素。
それが今や、倉庫中に充満していた。ギラティナ
は翼で口を覆い、息を止めようと試みる。


「…くっ、余計なことを…!!」

もう一方の翼で空気を扇ぐと、塩素はその風に
ビュゥッと流されていった。息を最低限に持ち
こたえながら、650キロの巨体で頭突きを繰り出す。


「フン…野蛮な技だ……」

キチッ…『ROCKET(ロケット)!!』

避けようともせず、サカキは二本目をヒジに突き刺した。
彼の周囲に数本のミサイルが現れ、ギラティナを照準に撃ち
出される。鼓膜が破れるほどの爆音が、埃まみれの倉庫に響いた。


ドシュンドシュンドシュン…!!!!
ズギュァァァァァァァァァン!!!

「……喰らえぇえええええっ!!!」

ミサイルに真正面からぶつかりながらも、ギラティナは勢いを
弱めない。霧のような爆煙の中を抜けて、サカキに突進した。
彼の頭部が、しっかりサカキの腹を捉える。


「ぐぬッ…!!!」

気迫にあふれた攻撃を受け、放置されたダンボールの山に
突き飛ばされるサカキ。煙とホコリを舞い散らせながら、
折れた肩を押さえて立ち上がった。



「少し…油断しすぎたようだ….」

「…今さら言い訳か? 命乞いなら聴くだけ聴いてやる」

「ハハ…そんな餓鬼のような真似、私にはできない」



ガチャン…!!
『ATOM(原子)…MAXIMUM DRIVE!!』

「消え失せたまえ….!!」

サカキの身体から、無色の気体がシューッと音を上げて噴き
出した。タマネギが腐ったような悪臭が、辺りを包み込む。



プシュゥゥゥゥゥ・・・

「何がしたいのか知らないが…隙だらけだぞ!!」

彼から噴き出している気体に疑問を持ちつつも、ギラティナは
攻撃する道を選んだ。大きく息を吸い込み、口内に熱を溜め込む。



『冥炎!!』

肺がいっぱいに膨らむまで吸い続けると、口から空気も焼ける
ような業火を吐き出した。しかしサカキは、それを待っていた
かのように歯を見せる。


「甘すぎる判断だ…攻撃はまれに仇となるぞ?」

「なに…!」



次の瞬間、ギラティナの視界を光が覆った。
地響きと衝撃波がリーグ全体にまで広がり、軽い地震を起こす。





<2011/07/27 21:21 ロンギヌス>消しゴム
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