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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A

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エンペラーフェスティバル
− 束の間の笑い声 −
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お勧めBGM:『EVA Soundtrack - 1 Misato』
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ロンギヌス、カイオーガ、ラティオス、レムリア、そして…ギラティナ。
彼らが集結したリビングは、いつにも増して狭く感じられた。特にギラ
ティナがロンギヌスの身体を離れて実体化すると、一人分のスペースは
さらに窮屈になる。


ギラ「すまないな…私には縮小能力がないんだ…」

カイオ「別に平気だよ、こうしちゃえばさ♪」

本来の姿に戻ったギラティナの背中に、ピョンと飛び乗るカイオーガ。
懐かしい友の肌に触れ、嬉しそうにギラティナと顔をくっ付ける。


ギラ「や、やめろ恥ずかしい…」

だが八年前に出逢った時とは、ギラティナは身体の様子が違っていた。
無地だったはずの黒い翼には、目を模ったような模様がいくつも刻ま
れていた。ギラティナ曰く、『気持ち悪い』らしい。なぜこれが描か
れたのか聞こうとすると、ギラティナはそっぽを向いて黙ってしまった。


カイオ「どうでもいーよそんなのw 助けてくれてありがとね♪」

ギラ「ど、どういたしまして…」

大勢を相手に話すのは、やはり慣れていないようだ。その時、彼の
背後の扉がピシャーンと開き、バビロンがシロナを連れて帰ってきた。



シロナ「あら…またお客さん?」

バビ「シンオウ図鑑No.210、反骨ポケモンギラティナ…か…」

ロンギ「お前がプロフィール紹介すんなよw」


シロナはリーグの東側で、因縁の相手、アカギが率いるギンガ団と
闘っていたらしい。何とか力押しで切り抜けたらしいが、ポケモン
達は全員負傷。しばらくは絶対安静らしい。


ロンギ「すみません…僕が誘わなければ…」

シロナ「こんな事態、誰も予想できないわよ…気にする事ないわ。」

ラティ「それで? マスター。当然、このリーグは閉鎖してますよね?」

ロンギヌスはポーチに手を突っ込むと、愛用のiPhoneを取り出した。
特別仕様で、これでクォークシステム(リーグを統括するコンピュ
ータ)も操作できるという。



ロンギ「大丈夫。十七枚の装甲防御をフルで使ってる。核兵器でも使わなきゃ、あと12時間は入って来られないよ。」

バビ「クォークの警備は私がやろう。ハッキングされたら一大事だからな…」

ロンギ「頼むよ。」

敵に回すと恐ろしいが、バビロンが味方にいるのは何とも心強かった。
問題はタイムリミットまでの12時間を、どのように使って過ごすかだが・・



グギュルルゥ…グゥ…

誰かの腹の虫が騒いでいる。
全員がとっさにカイオーガを見たが、どうやら違うらしい。

結局、誰が犯人なのかは謎だったが、全員一致で夜食を取ることにした。
女性陣(シロナ&レムリア)が厨房へ向かい、男性陣(残り五名)は
二人の帰りを待つしかやる事がなかった。もし彼女達がいなかったら、
恐らくカップ麺 or ロンギヌスが夜食になっていただろう。



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ラティ「マスター、相対性理論ってアインシュタ…」
カイオ「マスター! バビロンが僕のぷ○ちょ奪ったぁ!!」
バビ「私がそんな卑怯なことするはずがない。なぁマスター?」

ロンギ『だぁーっ、やかましい!!!! お前らギラティナを見習えっての!!』

オリジンフォルムで宙に浮いたまま、何やら考え事に没頭している。
閉め切られた窓のフチを見つめて、独り言をブツブツと呪文のように繰り返していた。


ロンギ『ほらーw あいつ勤勉そうだろ? やっぱああいう仲間が必要…』

ラティ「…相対性理論についての質問が勉強じゃないんですか?」

カイオ「僕だってぷっ○ょの解剖実験やってたんだ!」

バビ「クォークの監視…やめてもいいんだぞ?」

ロンギ『え…ちょ…ま、待て待て…話しあおう…な? な?』


ジトーッと蔑むような視線(×3)に晒されて、ロンギヌスは身の危険を
察知した。キッチンに逃走する準備をしつつ、身ぶり手ぶりで彼らの気
を逸らそうとした・・・が。


ラティ「…覚悟できましたよね。」
カイオ「…お仕置きだぁっ!!」
バビ「死刑だ。」

ロンギ『あっ…ら、らめえええぇえええっ!!!!!!』

三匹が一斉に飛びかかり、主人の体を揉みくちゃにする。断末魔の
悲鳴に耳栓をしながら、ギラティナは黙々と考えに耽っていた。とて
つもない悩みを、一人で抱え込んでいるようにも見える。






ロンギ「うぶぅっ…やべっ…どけ…」

バビ「フン…やなこった。窒息させてやる。」

バビロンはうつ伏せに寝転がり、ロンギヌスは腹の下敷きとなっていた。
窒息の恐怖を教え込まれながら、鼻にむぐっと密着している彼の腹部が、
妙に膨らんでいるにに気づいた。


ロンギ「…さてはお前、また人間を食ったろ。」

バビ「なんだ…まだ慣れないのか? いつもの事だろう…」

『日常になったら困るんだよ!』と反論したかったロンギヌスだが、
巨体の重みに耐えられず撃沈する。どうせ抵抗しても無駄ならば、ここ
は押しつぶされるのを、素直に楽しんだ方が合理的かもしれない。ロン
ギヌスは肩の力を抜き、見かけに寄らず柔らかい彼の腹に身を任せた。


ロンギ「うぶふぅ〜…結構クセになるな…」

レム「SMプレイを堪能中のところ申し訳ないけどね……夜食できたわよ。
早く食べないと時間が勿体無いでしょう?」

バビ「フフ…続きは食後だなw」

レムリアが呆れたような口調で言い、バビロンの下からロンギヌスを
引っ張り出した。バビロンも惜しそうに立ち上がると、そそくさと食
卓へ歩いていった。


ロンギ「おーいギラティナ、腹減ってないか? カイオーガがお前の分、血相変えて死守してるぞw」

ギラ「…分かった、今行く…」




<2011/07/05 23:16 ロンギヌス>消しゴム
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