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凍りついた時間を溶かす者 − 旧・小説投稿所A
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凍りついた時間を溶かす者
− ウワサ −
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――僕は、ここで死ぬのかな……――

朦朧とする意識のなかで、僕はそう思った

“ミシッ”っと骨が軋む音を体の中に感じた

あと少し力を抜けば、僕の体はまるで豆腐のように潰されるかもしれない

でも、それもいいかな。とも思った

どのみち僕が生きて帰れるわけないんだから……いいよね、もう…疲れたよ……

体から力が抜ける、それに比例して肺を圧迫され、中の空気を絞り出されていく

霞んできた視界の奥に、やけにはっきりと怪物の赤い目玉が、僕を嘲笑うかのよ
うにスッと細められた

僕は、すべての始まった日のことを思い出していた……

――一週間前――

「えっ! それって本当なの?」

あの日、僕はいつもの仲間といつもの場所で楽しく過ごしていた
いつもと変わらない日常、唯一違ったのは、仲間の一人の『ゾロア』が、やけに
興奮していたことだった

「あぁ、嘘じゃない。今回はガチだ」

目を貪欲に光らせながらゾロアは言った

「噂には聞いていたけど、まさか本当とはね……」

額に少しばかり冷や汗をかきながら『ラルトス』は答えた

「でも本当なら、一大事だよ」

両腕で抱え込むのがやっとな程の数のリンゴを食べながら、『ゴンベ』は言った

先程から僕らが話しているのは、この村では少し有名な噂話の事である

ずっと昔、僕らのおじいちゃん、おばあちゃんが生まれていなかった頃、この村
の近くで大きな戦いが起きた

草原の草花や木々は燃え上がり、地面には既に戦いで息絶えた戦士が無造作に転
がり、辺りはまるで地獄のようだったという

結局、この戦いは両者共倒れにより終戦をむかえた

しかし、その結果に腹を立てているかのように、その無惨な場所で悪霊が現れて
は、旅の途中ですれ違ったポケモンを手当たり次第に殺しているという

あくまで、噂だと思われていたことだったが、どうやら最近その場所で何かに必
死で抵抗した痕跡や、既に黒く固まった血があったらしい

「で? 何で今その話をするのさ。まさか……」
僕が思った事は、見事に的中した
「あぁ、そのまさかだ」

“フゥ…”と一息置いてから、

「みんなで、その場所に行ってみないか?」

一瞬、時間が止まったかのように静まり返ったが、すかさずラルトスが口を開い


「じ、冗談でしょう。あなた気はたしか?」

「そうだよ、そんな危険なところにわざわざ行くなんて死にに行くようなもんだ
よ」

ラルトスに続いてゴンべが早口でそう言った

二人の言いたいことは、当たり前といえば当然なのだが、逆に僕は面白そうな気
がしていた

「まぁでも、面白そうと言えば、そうかな……」

「おぉ! リオル、やっぱりお前は分かってくれるのか!」

ゾロアが目を輝かせて言った

「ちょっと、二人とも大丈夫? あなた達死にたいの?」

「男は無茶な事をするのが大好きなのさ」

ゾロアが間髪いれずにそう言うとラルトスは、ハァ……とため息をついた

「仕方ないなぁ、二人だけじゃ心配だから私もついてってあげる」

「本当か! お前の念力はいろんなところで役に立つからな、ありがとう」

「ほんとは、僕らと同じで興味があるんだろ?」

僕がそう言うと、ラルトスは僕の足を思い切り踏んづけた

「ぼ、僕は…その……」

「いいよ無理しなくて、俺ら三人だけでいってくるから。ゴンべはここにいても
大丈夫だよ」

「あ……うぅ……」

ゴンべにそう言って、僕らはその場所に向かおうとゴンべに背を向けて歩き始め


「……や、やっぱりぼくも行く!」

リンゴを抱えながら、ゴンべは走ってきた

その様子を背中に感じながら、僕らは少し笑った



<2011/09/19 19:45 ルカ>消しゴム
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