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交錯する証 − 旧・小説投稿所A

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交錯する証

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「!? いかん、呑んでしまった……」

妖虎の喉が生々しく膨れ上がった。
未だに抵抗を続けているようで時折、膨らみから手形や足形が出てくることもあった。
しかし、数秒もすると完全に胃袋へと落ち込んでしまう。
不謹慎に獲物が胃袋に落ち込んだ際に妖虎の腹は膨れ、どこか心地よさを感じていたようで、体を震わせていた。
一拍置いてすぐに妖虎は正気に還り狼狽えた。

「は、吐き出さねば……っ!」

焦る気持ちを抑えることなく吐き出した言葉。
妖怪は肉体をあまり糧としない。
寧ろ、獲物の精気や魂を糧とする物が多い。
精気や魂は死後、時間の経過で次第に薄くなっていく。
その為に大抵は胃袋に落ち込んですぐに消化が始まってしまう。
だからこそ、妖虎は異常に狼狽していた。
すでに消化に巻き込まれているかもしれない……
そんな考えは拭い捨て、妖虎は反芻を試みた。
グロテスクな生々しい水音が妖虎の体内に響き、胃壁が凜を大量の粘液と共に押し上げ始めた。
腹上部がボコボコと膨れ上がり、凛が逆流していく。
妖虎も已然として苦しんでいた。
呑み込んだ獲物を吐き出す事など生涯で体験した事が無く
吐き出す過程に酷く苦しんでいた。
目尻に涙を溜めながら何度も嗚咽を漏らす。
その度に凛より先に押し上げられた粘液が舌を伝って地面に滴り落ちる。
そうしている内に”凛”という膨らみは食道、喉と次第に口腔に向かって吐き戻されていった。



どれだけ、間が空いていたのだろう……
本当にお待たせしました。申し訳ないです。
ゲームやらリアルで忙しいので
更新が非常に遅くなっております。
よろしくお願いします
<2012/06/06 12:42 セイル>
消しゴム
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