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アニヲタ君とアイドルちゃん − 旧・小説投稿所A

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アニヲタ君とアイドルちゃん

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無言で宙に浮いて進むミツモリの後ろをついていく冬夜。
その顔には、何をするのかという不安が見えた。

すると、ミツモリが突然止まった。
そして、

「いろいろ気になる事があるんじゃろ?
ならば、儂が知っている事なら教えようと思っての」

冬夜を見てそう言った。
一瞬驚いた冬夜は直ぐに落ち着いて質問をした。

「…何で、それを知っているのですか?」

すると、ミツモリはニヤリと笑い、

「先程、お主の考えと記憶を除かせてもらったからじゃよ。
あの子達が騙されてないか心配での。
…それと、敬語は無用じゃ。
お主の事はなかなか気に入っておるでの」

そんな事をあっさり言った。
冬夜は意外そうな顔でミツモリを見て、次の質問をする。

「なんで、そんな事が出来るんだ?」

すると、ミツモリは少し考えてから口を開いた。

「この家の裏にある山は少し特別での。
儂のような、この世の理から外れた者が住んでおる。
…まあ、普通は見えんがの。
そして、儂は、その山の主なのじゃ。
だから、少し特殊な力があるのじゃよ」

その説明を受け、何回か頷いた冬夜はさらに質問する。

「あの子達の親は?
それと、何であの子達は働いている?」

すると、悲しそうに目を伏せ、言葉を紡ぐ。

「…亡くなってしもうた。あの子達が六歳の時に」
「!?」

冬夜が思わず息を呑む。
ミツモリは続きを喋った。

「あの子達の親は大企業の社長での。
この山にも一度来たことがあっての。
とても仲の良い家族じゃった。
じゃが、ある日、仕事の帰りの車に、飲酒運転をした車が突っ込んだのじゃ。
あの子達の両親は、病院に着く前に死んでしもうた…」
「………」

冬夜は目を見開いたまま動こうとしない。
いや、ショックが大きすぎて動けないのか。
どちらにしても、ミツモリの話は続く。

「そして、あの子達は、この山に来たのじゃ。
最後の思い出の場所に来て、悲しみをまぎらわそうとしたのじゃろう。
じゃが、その時、この山に大量の男がやって来て、この山を開発しようとしたのじゃ。
儂がそれを力ずくで止めようとした時じゃった。
あの子達が両親の遺産を全部持って来て、この山を買ったのじゃ。
当然、遺産は全部無くなったが、親戚に持ってかれるより、思い出を守る方が良いと泣きながら言っておった」

冬夜は黙ってその話を聞いていた。
ミツモリは懐かしむように言葉を繋げた。

「そして、儂はあの子達にお礼として住む場所を提供したのじゃ。
…この屋敷は山の者が人里に来る際の住居だったのじゃよ。
じゃから、ここをあの子達に譲り、儂と、レブルと、その他もろもろであの子達の面倒を見たのじゃ。
そして、三年後、あの子達は、あの時の自分達と同じような気持ちの人を助けたいと言って、オーディションを受け、見事合格して、アイドルをやっているのじゃ」

ミツモリの長い話が終わり、冬夜は溜め息をついてから、

「…ありがとう」

と呟いた。


明日からテスト週間になるので、小説の投稿が不定期になります。
というか、出来ないかも知れません。
するとしたら、休日になると思います。

すみません!
<2013/01/07 15:34 ラムネ>
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