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漆黒のいる毎日 − 旧・小説投稿所A

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漆黒のいる毎日

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クロの部屋

「お前ら、大事な話がある。」

マスターが言った。

まぁ、手持ち全員(ファウスト(自分)、グラム、ラグ、クロ、ラティ兄妹のアオ、ユウ)を集めてまで言うのだから、それぐらい予想できる。

「聞いて驚くなよ・・・?今日、実は・・・。」

「焦らして無いで言ってよマスター!!」

ラグが言った。まさにそのとうり!

「わかったよ!今日、新しく仲間が出来た。・・・どうだ?おどろいたか〜?」


・・・。


しらけた。

「だあ〜っ!じゃあ呼んでくる・・・。」

マスターは部屋を出た。実は、クロが扉を設置してくれた。この部屋のたったひとつの出入り口が、これだ。

「グラム、どんなのが来ると思う?」

「フフフ、そうねぇ・・・。」

「ボクは、なるべく美味しいのがいいな♪」

「ユウ、言うなよ?」

「兄さんこそ!」

誰が来るかを知っているのは、アオとユウだけである。

「あー、連れてきたぞー!」

部屋にマスターの声が響いた。無駄に。

マスターの前に、ぞろぞろと四匹のポケモンが出てきた。

「えーと、この色違いのラティオスが、ライト。」

「・・・よろしくお願いします。」

色違いの、標準より一回り小さいラティオスは、深々とお辞儀をした。

「・・・で、こいつがエンペルトのコウテイだ。」

「よろしくお願い致します。」

エンペルトは丁寧に頭を下げた。

「このジャローダが・・・」

「リンと言います。よろしく。」

マスターより先に名前を言った。皆笑いそうになるのを堪えている。

「以上だ。」

あれ、はじっこにいる・・・僕と同じバクフーンは・・・?

「あの・・・。」

「よぉし!各自散っていいぞー!」

ソワソワ・・・。

あの背中の毛が黒いバクフーン、めっちゃ困ってるwww

「ファウスト、あの子魔力持ちね。」

「あぁ、分かってる。でも、何か変だよな。」

「何処が?」

何て言うか・・・印象が薄いと言うか・・・。

「・・・。」

「まあいいわ。今日はどうする?また皆でバトルでもする?」

新入り四匹を除く、皆が一斉にこっちを向いた。

「・・・いや、止めておこう。」

「えーっ?楽しいじゃん♪」

昨日、グラムがバトルをしたいと言い出したので、皆でやったら怪我人が出た。大変だった・・・。

「あ、そうだよみんなぁ!新入りさんに、自己紹介しないとぉ♪」

クロ!ナイス提案!

「そうだよ!グラム!良いよな!な!」

「むーっ!!」

よし、これで怪我人は出ないな。

「じゃあボクから♪」

いつも影の薄いラグが飛び出した。

「僕はラグ!気軽に話し掛けてね!」

ラグが手を差し出した。二秒の間の後、黒毛のバクフーンがラグと握手をした。

ペチャ・・・。

「んぇ・・・。」

ラグと黒毛のバクフーンの手の間に、粘液の糸が見えた。ラグの体の表面の体液だ。

周りの三匹も、ラグと握手を交わした。気まずい顔をしている・・・。

次は僕か。

「あ〜・・・。僕は、ファウストって言うんだ。よろしく。」

僕は黙って引き下がった。新入りの手には粘液が付いている。握手はしたくない・・・。

「私はグラム。仲よくしてね♪」

グラムは新入り達に黙って手を差し出した。

新入り達は、気まずそうに自分の手を見ている。

ギュ・・・!

「わ・・・!?」

グラムはライトの手を握った。

「あ、あの・・・手が・・・。」

グラムは小声で、

「気にしたら負けよ♪」

と、言った・・・。

他の新入りも、同じ様にグラムと握手をした。


クロ、アオ、ユウも、同じように握手をした。皆、手のひらがヌルヌルしていた・・・。

「あの・・・、僕の名前・・・。」

と、黒毛のバクフーンがもじもじしながら話し出した。


やっぱり、気まずいよねー・・・。
<2012/12/31 20:35 ファウスト>
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