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「め…恵…さん？」

私の目の前には、シャチになった間宮恵がいる。とても苦しそうにしている……とりあえず私の知識で薬を作ろう。
「薬品がいろいろある………これと……これと………」
次々と薬品を取りだし、調合していく。
αをβに混ぜ、χとγをすりつぶし…さっきの薬品に入れ…

注射器に入れれば…
千春特製の薬が完成する。

注射器を持って恵に近付く。恵はまだ不安定で、自分の研究道具等を壊したり、暴れたりする。
しかし…それに驚きや怖がりをせず、恵に近付いて
「恵さん……ちょっと我慢して…」
と言う。すると暴れるのやめ、少し落ち着いたようだ。

ﾁｸ……



「これで…大丈夫かな。」
注射器を外し、恵の頭を優しく撫で撫でする。すると…少しずつ元の人間の姿に戻っていく。

「ぁ……ぅぅ…」
「め…恵さん！！」
思いきり恵を抱き締める。
「私……何を……」
「恵さん。…気にしないで。……あ。」
「……あ…き…キャ！」
裸の恵さんだった。私はあわてて恵さんにダイバースーツを渡す。少しの間重たい空気になる。

「恵さん…」

「気にするな。とりあえず…変身能力を身に付けたし…脱出するわよ。」

「はい…私…恵さんについて行きます！」

こっから…恵目線

「なら…貴女もダイバースーツを！」
ﾎﾟｲ！
「はい！」

ｶﾞｻﾞｶﾞｻﾞ………

「しかし…何処から脱出するのですか！？」
キョトンと首を曲げ、考えている。
「ここから出れるわ。」

水槽のそこに脱出用の出口が…

「行くわよ！」
恵と千春は同時に水槽に飛び込む。

ドポン！

恵は、底の脱出用出口のハッチを開ける。
ガキン！ギギギギ…
ガバン！！

ハッチを開けると、勢いよく脱出用出口に吸い込まれる。
もちろん千春とシャチの子供も……

ゴポゴポ……










ある程度流されると…地下水路に出る。
「プハァ！……みんな…大丈夫？」

「恵さん…大丈夫です。」

『きゅ〜ん…』

さて…地下水路に出たので、あとは港に出る道を……
恵達は、泳いで港に出る道を進む。
すると…後ろから…
「ギャァァァァ！！！」

「うわぁぁぁ！！」


「恵さん！あっちこっちから悲鳴が！………ギャ！」
ドプン！
千春の方を振り向く。
「千春！！」
ドプン！！
急いで潜り、千春を探すと…

ガポガポ……

千春の足が大きなシャチにくわえられている。
私はシャチに近付き、千春を助けようとシャチの口に手を突っ込み、口を開こうとする。

すると…千春から私を狙いをつけた。
千春の足を離し、私の腕をくわえる。
「ん！んん…」

「プハァ！！め…恵さん！！」
水面に出て思いきり息を吸い、再び潜る。するとシャチの子供も一緒に潜る。

恵はすでに上半身までシャチの口の中に。私は恵を助けようと近付く。
そこにシャチの子供がやって来る。
それを見た大きなシャチは、恵さんを離す。どうやら…親のシャチのようだ。
兎に角、恵さんを掴み水面へ…

「プハァ！…恵さん。大丈夫！？」
「プハァ！…ありがとう。」

とりあえず…助かったので再び港に出る道を泳ぐ。すると…
親のシャチが私と千春を背中に乗せる。どうやら…親なりのお礼のようだ。






しばらくして、港につく。

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