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とある研究者の日記 − 旧・小説投稿所A

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とある研究者の日記

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しばらくして、千春の方を向くと…千春は水槽に寄り掛かりスヤスヤと寝ている。その隣で見守るように見つめるシャチの子供。

「…徹夜でまとめ、早く脱出しよう。」

レポートはほぼ完成している。あとは、シャチのDNAを取れば…

私はダイバースーツに着替え、水槽に飛び込む。

ザパァン…

「さて…覚悟を決めて………」

近づくシャチの子供。すると私は口を開くように伝えると。

クパァァ…

大人しく私の指示を聞いてくれて、大きく口を開く。その中に私は頭から突っ込む。

「ごめんなさい。ちょっとの間我慢してて。」

ポケットから道具を取りだし、唾液や頬の皮膚を薄く取り、ビーカーに入れ蓋をする。

カジカジ…

「キャッ!…ちょっと…くすぐったいよ。」

足をばたつかせながら、口から出ようとする。
ガボガボ…




「プハァ…ハッハッ…」

ダイバースーツの腹部ら辺が少し穴が開いてしまっている。
兎に角、実験を再開しないと。
台に登り水槽から降りようとすると…

「♪♪」

ズシン…

「イタタタ…お…重たい。」

シャチがいきなり私の背中にダイブ。子供でも結構重たい。

「甘えん坊さんね…」

そっと頭を優しい撫でる。するとシャチの子供が私の頬に…チュッ!

「な…い…いいいきなり!」

突然の出来事に焦ってしまった。…懐かしいような。昔、水族館でシャチのショーか何かでやってもらったな〜…
ゆっくりとシャチの子供を水槽に戻し、私は台から降りる。

さてさて…始めるか。命をかけた実験に…
装置の電源を付け、先程のシャチの唾液と頬の皮膚を機械にセットする。

「次は…私のDNAね。」

ナイフを持ち、指先を切る。
ツゥゥゥ…
指先を強く押し、血を流す。その血を試験管に入れ、先程の機械にセットする。

「上手くいくかな…」









しばらくして、ようやく人間とシャチのDNAが混ざった液体が完成する。
あとは…それを注射器で体内に入れるするのみ。


ジリリリリリリリリリリリ…

「な!…なに!?」

「…う?…恵さん!?何が起こったの?」

「分からない!」



ー研究施設の近くにある港ー
「た…大変だ!!シャ…シャチの大群がこっちに!」
港の監視している研究員が慌てて非常警報を鳴らす。次に船に乗り込み、入り口を閉めにいく。しかし、気付くのが遅いため港の入り口を閉める事が出来なかった。

「シャチがどんどん入ってきます!!」

バシャ!

「うわぁ!…し…しまった。うわぁぁぁぁ!!!」

ドポン…

研究員が船から落ちてしまった。そこにどんどん近づくシャチの大群。
研究員が陸地に上がる梯子に向かって泳ぐ。当然シャチの方が速い。シャチは口を大きく開けながら近付く。そして、研究員はシャチの口の中へと消えていく。

「嫌だ!嫌だぁぁぁぁ!!!」








ー研究施設ー

「おい!施設内に繋がる水路の水門を閉めろ。」

「だめです!14匹ほど侵入しています。」

「糞が!」


ー恵の研究部屋ー*途中で、千春目線に…

「やるしかない。」

注射器に先程の液体を入れ、自分の胸元に向かって刺す。

ドスッ!

「うぐ…」

「め…恵さん!」

カランカラン…

床に落ちる注射器。胸元を押さえながらもがく恵さん。一体何を…
私は机にのっている恵さんのレポートを見る。

「ま…まさか…」

私はもう一度恵さんの方を向く。

「はっ!!」

なんと…背中から背鰭が…少しずつ肌の色が…白と黒に…
とても信じがたい光景に何も言えず、口をパクパクと動かす。




<2013/01/12 15:57 シャビー >消しゴム
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