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海辺の稲妻 − 旧・小説投稿所A

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海辺の稲妻

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「ん・・・うぅん・・・。」

次の日の朝、背伸びをしながらレイは目を覚ました。

「ん・・・あれ・・・?う、動けないや・・・。」

トクン・・・トクン・・・

周りが柔らか過ぎて動けない上に、何だか心拍音まで聞こえる。口内では聞こえなかったはずなのだが・・・。まさか、胃袋・・・?うむ、胃袋に違いない。

「クゥ?グァルルゥ・・・?」

白ラギさんはレイが目を覚ました事に気付いたようだ。

ジュワッ、ジュワワワ・・・。

突然、変な音がしたかと思うと、足に激痛を感じる。

「っがぁ!!し、白ラギさんっ!?」

「クウッ!?グルルルゥ!!」

白ラギさんが焦ったような鳴き声を上げる。すると、レイの体の周りの肉が規則的に動き出す。

グニュ、にゅるり、ぬるぬる・・・。

「ふんっ!ふああああ!!き、気持ちいい・・・あぅんっ!」

しばらくもがいていると、少しざらざらした柔らかい肉の上に放り出される。

「クルルッ・・・。」

グパァッ・・・ニチャ・・・。

どうやら白ラギさんが口を開けた様だ。レイの、さっき激痛が走った所は舌に包まれている。痛みはもう感じない。舌に優しく巻き付かれながら、そっと地面に下ろされる。

「うう・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

「ク、ガルルルルゥッ!(泣」

白ラギさんは泣きながらレイの足を舐め回している。必死に謝っているのたろうか。

「白ラギさん・・・僕は・・・大丈夫だよ♪」

「クルッ、ルルル♪」







・・・さて、今は東ノ島に居るはずだが・・・。

「ん・・・?この植物、何処かで見覚えが・・・。」

その植物は直線を書くように咲いている。レイは下を見ながら、それを追いながら進んで行く・・・。


ゴツン!


「だああ!」

「ガァ・・・?クゥン・・・。」

レイは何か固い壁に頭をぶつけた。彼は顔をあげる。

・・・そして、言葉を失った。

「ガゥ・・・?」

「な・・・。」

なんと・・・目の前に自分の家があったのだ。

「し、白ラギさん!?これって・・・!?って、聞いても意味ないかw」

周りにはいつの間にか人だかりが出来ている。

「オイ・・・レイだよな?・・・な、何でラギアクルスがいるんだ・・・?」

「ええと・・・多分、このラギアクルス亜種がここまで連れてきてくれたんだと思う。」

「グルルルル♪」

白ラギさんはご機嫌そうに尻尾をゆったりと振りながら喉を鳴らしている。

「へぇ・・・で、どうするんだ?」

「え?何を?」

「このラギアクルスだよ!!」

レイはちょっと戸惑ったが、こう答えた。




「・・・もちろん、一緒に暮らすよ?」




「な・・・!?」




・・・この日から、この村にラギアクルスが住み着いた・・・。


<2013/03/21 21:54 ファウスト>消しゴム
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