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硝子玉 − 旧・小説投稿所A

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硝子玉
− 大きな存在 −
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ガラガラ!...
やかましい程開いたとき音が鳴る教室の扉を少し勢いよく開ける。
「おっはよー」

「「おー、まっつん、おっはよー」」
クラスのメンバーの7割ぐらいはもう集まっているらしく、いろいろな話題で溢れかえっていた。
最近発売されたゲームの話や、ニュース、部活の愚痴、もはやロッカーではしゃいでいる者もいる。

とりあえず自分の席に行き背負っていた10kgはありそうな重い青カバンとエナメルバックをドスンと音が鳴るぐらい叩きつけるように机に置く。
こんなものを毎日背負っていると肩も凝るものだ。

そんなことを感じながら大きなため息をつきながら椅子に座ると、

「まっつん、ほら。」
といきなり後ろからノートがスッと差し出される。ノートの表紙には『国語』と書いてあった。

「なにこれ」

「なにこれって、前んとき寝てたっしょ?だからこれちゃちゃっと写しちゃいなよw」

「え、いいん?まじで。」

「そーじゃなかったらノートなんて出さないっしょw」
昨日寝る前に思ったことがまさか本当に...。
そうそう、この人は数少ない僕の親友で幼馴染の木野長 友人(きのなが ゆうと)だ。
昔のことはよく覚えていないが幼稚園生からこんな感じで人に何気なくヒントや、手を差し伸べていたのだと思う。

「ありがとっす。」
言うが先にノートを開き、綺麗に並んだ文字を自分のノートに汚く変換した文字を書き写し始めた時、

ガラガラ...
僕が開けた時よりも小さい音で入ってきたのは担任だった。

自分の運のなさを呪いながら渋々綺麗なノートと汚いノートの両方をとじた。

「青かばんはもう片付いていますよねー。」
だいたい急かすような言葉が先生の第一声だ。
ほぼ1年間この言葉で通すつもりなのか。いや、だらしがないから言っているだけか...。

クラス編成は30人ぴったりで6組ある。
その中でもこのクラスは落ち着きがなく、いつもはしゃいでいてうるさいクラスと周りの先生に認識されている。

苗字が珍しい者もいて、寿と書いて「としなが」と読んだり、賀と書いて「いわい」と読んだり、
身近な苗字では服部(はっとり)と書くが神服となっていたり...随分と長生きするようなおめでたいような苗字である。

「それでは日直の二人、朝の会をお願いします。」

「「はい」」
二人は朝のせいであまり大きな声ではない返事をした。

「「起立、注目...礼」」


《おはよーございます。》



時は移り行き― p.m.4:12

ガチャリ...
ゆっくりと家のドアが開き、ちょっと汗ばんだ哲が帰ってきた。まだ小3だから帰りが早く、だいたい1番に家に入るのが哲だ。

「ふぃー...春なのに暑いぃー...こんなに着てかなきゃよかったよぉ」
そう言うやいなや黒いランドセルをほおり投げ、ジャンパーをサッと脱ぎ捨てる。

...がそのままというわけにもいかず、フゥとため息をつき、右手にランドセル、左手にジャンパーを持ってリビングに入る。

僕がリビングに入ってまずすることと言えば...

「ポチっとな」
どこかで聞いたことのあるような声で言いながら、ランドセルをテーブルの横に置き、リモコンの電源ボタンを押すことだ。
やっていたのはニュースの小コーナーだった。

[今回は、全国の林実さんにご用心というちょっと奇妙な事件です。]
にこやかな顔で喋るアナウンサー。今さっきまで事件のことを言っていた顔とは大違いである。
[はい。この2日間で林実さんという名前の人ばっかりが、警察沙汰になるという珍事件が発生しました。]

「へぇ。」
僕にとっては普通のニュースよりもこのようなちょっとしたコーナーのほうが面白い。まだまだ教育テレビも面白く感じられる頃だ。

[1件目は杉並区、2件目は原宿...4件目が札幌、5件目が沖永良部島で事件が起こっています。このように何人もの林実さんが捕まってるんですよねぇ。]
とアナウンサーがだいたいのことを説明すると、コメンテーターが勝手に喋り始める。
[おかしいよねぇ。本人たちは憑依されたって言ってんでしょ。]

松田たちはしらないがこのとき未詳では焦りに焦っていた。


そして20分過ぎ―

ピンポーン...

「ふぇ?おばあちゃん鍵忘れってったんかな?」
この時間になるとおばあちゃんが来るがどうやら鍵を忘れていったらしい。
確かに玄関に鍵が置いてあった。

「はーい!今いくよー!」
ドタドタと廊下にでて走っていき、ロックとドアを同時に開ける。

「ど、どちらさまで...?」

「一人で留守番なんて偉いねぇ、坊や...」

ただただ後悔した。お兄ちゃんに出る前には必ず確認しろと言われたのに...

黒いフードを被った男は一瞬にして布を取り出し、僕の口にその布をあてがった。

そして景色と意識がだんだんとまどろんでいき―。


ガチャッ

「ただいまーっ」
相変わらず教科書とノートや資料集等の重みと制服が入ったエナメルバックがずっしりと肩に食い込むほどの重さを誇っており、この異常な暑さの中体育着なのに汗だくになっていた。

今日は弟の声ではなくお婆ちゃんの声だった。
「おかえりなさい。ねぇねぇ、哲どこいったか知らない?カバンとかは置いてあるんだけど...」

え...今日は何も言っていなかったはず...。

そのままカバンなどを玄関に下ろし、外にでてポストの中を見てみると、

〈あれ、なんか届いている...〉
一枚の黒い封筒が届いていた。お婆ちゃんは気付かなかったらしい。
何か嫌な予感がする。手や足、背中すら汗をかいているのが自分でも感じられた。

封筒は丁寧にも両面テープが貼っており開けるのに結構苦労してしまった。
ガサガサ...
黒い封筒の中には真っ白な紙が2枚入っており三つ折りにされていた。
手汗で少し湿った手で2枚を取り出し、1枚を開ける。

〈くそっ!やっぱりか!〉
予感は当たってしまった。誘拐という2文字が確定された。

〈2000万...だれが用意するかっつーの〉
請求の値段には0が8個も並んでいた。そして哲を奪還することも確定した。

〈ばあちゃんはもちろん知らないよな...よし。〉
「ばあちゃーん!これからちょっとさがしてくるー!もしかしたらそのまま遊ぶかもー!!」

「はいよー!8時までには帰ってきてねー。あと雨が降るかもしれないから一応傘持ってったほうがいいよー」

「はーい。行ってきまーす!!」
2枚目のGoogleマップを印刷されいた地図を見ながら、哲がいると思われるところに体力テストに走ったスピードの3倍近い速さで狭い通りを爆走していった。




テスト三昧のこの頃ですw
やっと書けましたwまだテストは終わっていませんが(←

<2013/03/07 01:02 Mth>
消しゴム
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