---

翌日、俺達は、夜の森でクリスマスパーティーを開いた。
一本の木に電飾と飾りを付け、電気を溜める魔法具で電飾を光らせ、早苗とコメトが作った料理を食べて過ごした。

途中で、王が二人共来てくれた。
今日の朝食われた二人は緊張したが、「今日は無礼講だ」と言う王の言葉のお陰で、リラックスして楽しんでいる。
すると、早苗が、

「あの…、皆さんの生きる意味って…何ですか？」

そんな質問。
昨日のアルセウス達の考え方に、少しショックを受けた…のだろう。

「そうだな…。…私は、今、この国が発展していく様子を見るのが楽しくてな…。
それを見守り、支える事が、生きる意味…だな」

と、ロギア王。

[私も同意見だ。…それに、最近、行く末が気になる奴も居るしな]

と、ガウル王。

「そうですね〜。…昔、助けて貰った人みたいになって、皆の安全を守る事…ですね」

と、コメト。

「僕は…。僕を受け入れてくれたこの国と、この国に住む人の笑顔を守る事…です」

と、ツキカゲ。

最後は俺か。
生きる意味か…。

「…人生は一期一会だから、一つ一つを大事にして、楽しく生きる事…だな」

全員がそう言うと、早苗は、

「…良かった…。ここにいる人達は、皆、素敵な人だった…。
…ありがとう」

涙を浮かべながら、花のような笑顔を見せた。
この日から、早苗は俺達に敬語を使わなくなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ツキカゲ目線です。


最初は、悔しくて、修行の為に旅に出た。
けど、いつの間にか、ずっとこの国に居たくなっていた。

故郷に居る親や、友達には悪いけど、ずっとここに居よう。
出来るなら、この人達の側で、ずっと戦っていよう。
そう思いながら、眩しい電飾を見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメト目線です。


初めて会った時から、早苗さんにずっと憧れて、二つ夢を持った。
この前、一つ目の『一緒に戦う』って言う夢は叶えた。
今度は、二つ目の『同じくらい強くなる』って言う夢を叶える番だ。

出来ないかもしれないけど、頑張って行こう。
そう思いながら、電飾に照らされた早苗さんを見ていた。

---