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「じゃあレルゴ君、後は頼みましたよ。私は仕事があるので。」
「分かりました、ナーサさん。では行きましょうかお二人さん。」

レルゴは片手で僕達を掴むと重厚な扉をゆっくりと押し開けた。
少し進むと、広いロビーのようなところへ出た。

「ここであなた方の審査を始めます。簡単な審査なので怖がらないでくださいね。…ではハルさんから。」

…審査って何をやるんだろう?

レルゴに両手で体を押さえつけられた。そして大口を開けると…

「では、失礼します。」

パクッ!

僕の視界が真っ暗になった。生臭く、そして生暖かい。ヌチャヌチャと何かがうごめいている。
そして、
ベロォォォ…
ゆっくりと顔をなめあげてきた。
息が出来なくて抵抗するもレルゴが押さえているためピクリとも動かない。
意識を手放しそうになったその瞬間、僕はレルゴの呪縛から解放された。

「うはぁ♪やっぱり人間の子供は旨いですねぇ…♪。ハルさんは文句なしのAランクです。」

「その『ランク』って何ですか?」
「お!いい質問ですねタクトさん。わが社の商品にはA〜Dまでのランクが存在しまして、Aになるにつれて高値で売れる獲物ってことです。」
「…なんであなた達はそういうふうにしか人間を見られないんですか。俺達は商品とか獲物なんかじゃない!」
「いえ、私達『竜』から見ると人間など獲物に過ぎません。まぁナーサさんはちょっと違いますが。…とりあえずタクトさんも審査させていただきます。」

アグッ、ヌチャヌチャ…

「あなたも十分旨いですが、Bランクってとこですかね。」
「うえっ……ネバネバしてて気持ち悪い…。」

「さぁ。ハルさんは私と一緒に行きましょう。Aランク担当は私ですから。タクトさんは、Bと書かれた部屋に入ってそこの竜の指示に従ってください。」

え?ここでタクト兄ちゃんとお別れ?いやだよ。一緒に居ようよ…。
僕はタクト兄ちゃんを見つめた。これで二度と会えないかもしれない。

「ハル…。元気でな…。」

そう言うとタクトはBと書かれた部屋に入っていった。



短くてすいません…。
<2012/12/16 11:39 ピヨ助>
消しゴム
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