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魔女にかかれば − 旧・小説投稿所A
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魔女にかかれば

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カレン達を見送った直後に目つきが変わるトレゾア
冷たく、何処か恐ろしさが感じられる瞳だ

どんなに震えようが、彼女から逃れる事は出来ない
それを教えるように巨大な前肢が隊長を押さえ付けていた

「分かっただろ?
 お前達人間がいくら束になってかかって来ても、勝てないという事が…!」

周りは赤色に染まっていた
炎と血の色だ
その色と同じ赤の瞳が細められ、炎に照らされた口元から牙が顔を覗かせる

「ぐぁっ!」

反論の言葉を出そうした瞬間、鈍い痛みが隊長の体を走る
彼の胸を押さえていた前肢に力が込められたようだ
体を守る為の鎧が、今では拷問器具のようになってしまっていた
メキメキと音を立てながら、彼を圧迫していく

すぐ殺すつもりは無いようで、その攻めはゆっくりと行われた
酸素不足に陥り、彼は口をパクパクと動かす
その口元に金狼の吐息がかかる

「お前はすぐ殺さない、フフフ…
 ゆっくりと、時間をかけて嬲ってやる」

その直後に前肢の中から鋭い爪が飛び出した
他の騎士を殺めた際に付いた血が嫌でも目についてしまう
それが赤く光り出し、先端が鎧の首元に宛がわれる
スッ…と爪が鎧の上を滑り出す

一体何が起こるのか…
そんな疑問はすぐに消えた

「溶け…!?」

「動くな」

爪でなぞられた場所から煙が出てきたかと思えば、堅かった鎧がドロッと溶け出した
本来なら彼もその熱で苦しんでいるところだが、ダメージは全くない
これが魔法なのだろう

首から腹部へかけて、細い溝が出来る
トレゾアはそこに手を入れると、引き裂くように鎧を破壊した

これで、食事の邪魔になるものは消えた
ニヤリと笑いながら、そう思った彼女は彼に舌を這わせた


ベロォ……


獣特有の平べったい舌
そこから絡み付く唾液が彼に不快感を与える

「フフッ…」

「な、何がおかしい?」

「思ったより不味くてな」

食べられる事に恐怖と不快感、そして屈辱的な気持ちで溢れ返っていた
けれど、今の言葉も彼の心に冷たく突き刺さる
せめて美味しく頂かれたいという気持ちでもあったのだろう

「まぁ良い。味は悪くとも、まだ楽しみはある…!」

そう言った直後に彼女が隊長の頭を勢いよく咥え込んだ
突然視界が暗闇に覆われ、血の臭いで満たされた空間に投げ込まれた彼は逃げようと抵抗する
だが、金狼の牙が逃がさないと彼の肌に食い込んでいた
手加減しているようで、出血はない

そのまま彼女は何度も彼を咥え直し、自分の中へと入れていく
数分もかからない内に隊長は見事にその中に収まってしまった

先程も言ってたように、彼の味はトレゾアの口には合わなかった
だから味わうという行為は飛ばされ、すぐに奥へと運ばれていく

命乞いをする時間すら無い
何も出来ないまま、彼の体は狭い肉洞へ運ばれていき…


ごくっ


金狼の腹の中に収まってしまった
入ってすぐに激しい胃壁の歓迎を受ける

「間違って殺してしまった人間達の分まで、楽しませてもらうぞ。フフフ…♪」

狭い空間で、柔らかい肉壁に弄ばれながらの死…
逃げられないと分かっていながらも必死に抵抗をする人間
モゾモゾと中で動かれるのは、捕食者からしてくすぐったくも、中々面白いものである


トレゾアがそう思うように、シャドウもそう思っていた



「まだ生きてるの?」

「はい、よく動いております…」

帰宅途中のカレンとシャドウ
彼の腹もまた大きく膨らんでいた
満腹の状態となった彼は何処か辛そうであり、動きも鈍かった

カレンはそんなシャドウのお腹に軽く触れ、ニッコリと笑う
トレゾアと会ってから…いや、それ以上前から可笑しい彼女にシャドウは違和感を抱いていた

乙女心と秋の空という言葉がある通り、女性の気分はコロコロと変わる
だから一々気にしていても仕方ない、とシャドウは思っていた

「ねぇ、シャドウ」

「何ですか…!?」

カレンが何か言おうとした刹那
彼等の近くにあった茂みが大きく動く

隠れていたのだろうか
茂みからは、先程の騎士団の一人が飛び出してきた
その手に握られている剣が鋭い光を放っている

そして、それがシャドウに向かって振り下ろされた


魔法って…便利ですよねw


<2012/11/26 21:10 ミカ×どんぐり>
消しゴム
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