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ボクノイロ[The color] − 旧・小説投稿所A

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ボクノイロ[The color]

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俺の世界は灰色の何も無い世界だった。


怒りや悲しみ、喜びや恐怖、始まりも無ければ


終わりさえない。


そんな中、一つだけ俺の中である感情が芽生えた


一人の人間に興味を持った。何故知りたいかは


わからない。


ただ、その人間を知りたい、



だから声をかけた、



でも、返事は帰って来ない。



そのまま興味を持った人間はどこかへと行ってしまった。



俺は腰を落とし、何故なのか考えた。



そんな中、笑っている黄色い人間がいた。


とても幸せそうに笑っている。


俺は思った、その人間は俺に感情が無いから振り向いてくれないと


だから、俺は黄色の人間を喰った。



すると、俺の体は灰色から黄色に変わった


不思議と笑顔が溢れてきた


これであの人間は俺の方を向いてくれる。


だが、振り向いてくれなかった。


俺は考えた。


感情が足りないからだと思った


だから、悲しそうな青色の人間を喰った


赤色の怒っている人間を喰った


緑色の穏やかな人間を喰った


いろんな感情が生まれた


それと同時に体はどんどんドロドロして、黒く変化していく


だが、それでその人間に振り向いてもらえるなら



俺の体なんていらなかった。


だけど、俺が興味を持っていた人間の姿はなかった


その人間は、最初の俺のように灰色の姿をしていた



俺は泣いた。赤ん坊のように沢山泣いた



それでも、その人間は戻って来ない



俺は感情を持つ意味を無くした。


だから今まで喰って来た色のある人間をすべて


吐き出した。



体は灰色に戻り、



もと来た世界に帰ろうとした。


その時、後ろから肩を叩かれた


振り向くとそこには



俺が興味を持った人間が笑顔で俺を見ていた


















<2012/11/25 16:20 クロ砂糖>消しゴム
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