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暇潰しと言う名の大戦争ーー発端は暇を持て余した誰かの思いつきから…ーー − 旧・小説投稿所A

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暇潰しと言う名の大戦争ーー発端は暇を持て余した誰かの思いつきから…ーー
− 招待状 −
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「俺に招待状?」

それは俺が椅子に腰掛け、テーブルからコーヒーを取ろうとした時だった。後ろから掛けられた言葉に持ち掛けたコーヒーカップをそのままに、後ろを振り向いて俺は呟いた。

ここはイッシュ地方、ホワイトフォレスト。広大な森の中に出来た集落の一角にあるこじんまりした平屋の家。小さい家だけど俺の家だ。自然豊かで住み心地が良いから、結構この場所は気に入ってるんだよ。

俺が振り向いた先には、純白の毛に腕と一体になった大きな翼を持つ巨大なドラゴンのようなポケモンーーここイッシュ地方の伝説にも語られるレシラムが俺の方を見下ろしていた。天井とすれすれで少し窮屈そうに身を屈めているが、それでも俺の背丈の倍はあるためなかなかの迫力。まぁもう俺は慣れたけど、たまに訪ねて来る人が悲鳴を上げる程だ。

そんなレシラムは、何処から持ってきにたのだろうか?白い封筒を器用に大きな翼の爪に持ってこっちに向かって差し出してくる。

「何の?」

「前に知り合いに呼ばれて出ていた時があっただろう?その時その知り合いに、盛大な遊戯(ゲーム)を主催するから、参加する人間を集めてくれないか、と頼まれてな。ちょうど良かったから主(あるじ)の事を話したら是非ともと言われてな。」

話を聞いて、数日前の事が頭の中に蘇る。傭兵業を休業してのんびり生活を始めて早二週間弱。レシラムが突然、「知り合いと会う用が出来たから出掛けてくる」と1日家を開けた事があった。

つまりその知り合いが主催するなにかに参加してほしいって事な…。

招待状を受け取って封を切り中を見ると、招待文が書かれた招待状とチケットがでてくる。ひとまず招待状の方を広げると、俺は文に目を通した。

《はいけー。真白竜也殿。レシラムから話を聞いて是非とも私の主催する遊戯会に参加してほしいなぁと思って招待状を送ります。貴方の参加でこの遊戯会を大いに盛り上げてくれる事を期待してるよ。て言うかぶっちゃけ参加してくれないと始まらないから絶対参加してね♪良い返事を待ってるよ!!♪」

なんだ…?随分とラフな招待状だな。なんか胡散臭いと言うか、怪しいと言うか…?

「なぁレシラム。これって拒否権は無しか?」

「無しだ。私が紹介したのに断られてしまったら私の顔がたたなくなるからな。それに主。今は暇をもて余して居るだろう?丁度良いじゃないか」

痛いとこついてくるな…。まぁ確かに、傭兵業を休業してからのんびりを通り越して暇をしてるのは間違いないし、レシラムがせっかくもらって来た話だ。不意にしてしまうのも勿体無いかもしれない。

「冗談さ。なんか面白そうだし、参加する事にするよ。」

「本当か!なら良かった。お前に出ないと言われると、別の人間を探さなければならなかったからな。」

「主催者は随分張り切ってるみたいじゃないか。一体誰なんだ、レシラムの知り合いって…。」

満足げに笑みを見せるレシラムに、俺は招待状を見ながら聞いた。何処を探しても、差出人の名前が見つからない。

「まあすぐに会える。中にチケットが入っているだろう?」

「あぁ、こいつか。」

手紙と一緒に入っていたチケットを拾い上げる。チケットは三分の一の所に切り取り線が入った紙で、方半分には《遊戯会会場直行特別券》と書かれている。…良く見たら、なんだこれ?

「そのチケットを切り取り線からちぎって見ろ」

「なんで?」

「やって見ればわかる」

レシラムに促されて、俺は首を傾げながらチケットの半券を切り取り線から切り取った。

その瞬間、チケットが眩い光を放ち部屋を包み込んで行く。

「うわっ!?」

目が開けられない程の眩しさに、俺はチケットを投げ出し手で目を覆った。そして何故だか突然、目の前がぐるぐると回るように遠くなっていく…。




いつの間にか、俺は意識を失っていた。


<2012/10/22 18:30 黒猫>消しゴム
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