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出会い − 旧・小説投稿所A

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出会い

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ー数十分前ー

「ここ、何処…。」

ゼロンと別れて数時間の間、ただひたすらこの森から抜け出そうと歩いていた。
しかし、出口の光は一行に見えず同じ道を何度も通ったかのように思えてきた。

ハァ…ハァ……。
(胸が…)

心臓がある左胸部当たりが締め付けられるように痛くなり苦しい。
徐々に呼吸が荒れ、とうとう動いていた足が止まった。

(や、やばい…。力が…意識が…)

視界がボヤけ、足に力が入らなくなる。
ゼロンに会ってから一度も休憩をいれずに歩き続けてきたせいだろうか?
何にせよ、危険な状態というのは確か。

そこへ、追い打ちをかけるかのように後ろから茂みを掻き分けるような音が。
恐る恐る振り向くとそこには大きな口に、餌を見つけるために必要な鋭い目。

…&#12436;っ!…。
…バタンっ…。

その目と合った瞬間、今まで保っていた意識が消え、気を失ってしまった。

「……。」

その場で倒れた獲物はピクリとも動かない。
しかし、大蛇は慎重に少しづつチビ助に近づく。
ある程度近づくと、尻尾の先端でチビ助を刺激した。
無論、獲物であるチビ助はピクリとも動かない。

なにも反応がないと知るとそのままチビ助を持ち上げ、どんどん尻尾で締め付けていき
そして、チビ助の顔もとに大きく開いた口が近づく。

グパァ…

顎が外れ、さらに大きく開く口は小柄なチビ助などすっぽり入ってしまうぐらいだった。

ハグっと優しくチビ助の頭を咥えると、どんどん上半身を口へと入れていく。
腰回りまですっぽり口の中に入ると、尻尾の締め付けが緩み、足がダランと口元から垂れている。
そして、顔を上に上げ大きく口を開けると、一気に口元から垂れてた下半身を口内へと入れた。

外からみるとチビ助の身体は見えず。
大蛇の口が少し膨らんでる。
最後には大きく口を開き、すっぽり入ってるチビ助が覗ける。
そして食堂に続く入口、喉が大きく開きそのままズルズルと闇の中へとチビ助が呑み込まれる。

ゴクン…

とうとう呑み込まれ、大蛇は満足気にペロッペロッと舌を出す。
蛇腹が喉元から膨らみが出て、どんどん腹元へと下っていく。
チビ助自体が小柄なため、そんなに大蛇のお腹に変化はないが確かに収まっている。

食事が終わった大蛇は巣へ帰ってゆっくり消化してやろうと茂みに入ろうとした。
その時、ふと辺りが暗くなった。
上を振り向くと、途轍もない早さで黒い何かが近づいてきた。

…!?
「こらぁ!俺の餌を取るなぁぁ!!」


<2012/10/14 22:47 きくズ>消しゴム
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