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探検の中で.... − 旧・小説投稿所A
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探検の中で....

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目の前に広がる神秘の森。

一面に緑の絵の具をぶちまけたような青々しい木々を見上げた時、

その小さなポケモンは後悔の念に襲われた。

???「ハア.....どうしようかなぁ....。」

ポケモンは小さくため息をついて、足元の石を軽く蹴った。

森の風が彼の茶色く柔らかい体毛を揺らす。

彼、イーブイの「ブイ」は、

ピクリと長い耳を動かすとふたたびため息をついた。

「やっぱりやめようかな....」

ダンジョンに来ると、いつもブイは後悔してしまう。

またこんな所に来てしまった、と思う。

来るんじゃなかった、と自分を呪う。

自分より大きなポケモンとの激しい戦い。

絶望のモンスターハウス。

どこまでも続く迷宮。

正直、探険家をやりたいなんて思ったこと考えたこともなかった――。



毎日、近くの森で木の実を拾い、

それを食べながらブイは生活していた。

探険隊に入っていないため

友達も家族もおらず、ひとりぼっちで生きていた。

木の実を拾っている時、ブイはたまに探険隊に出会う。

色々な種族のポケモンがいたが、いつも皆ニコニコとしていた。

時には誰かが冗談を飛ばし、全員で笑っていた。

その幸せそうな彼らを、

ブイは寂しそうな、ちょっぴり羨ましそうな顔をしながら

いつもじっと見つめていた。






























<2012/10/06 19:36 ちびりんご>消しゴム
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