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『ああ、楽しきかな日常』外伝〜幼き頃の思い出〜 − 旧・小説投稿所A

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『ああ、楽しきかな日常』外伝〜幼き頃の思い出〜

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ある日の朝…

?「昨日の嵐はすごかったのぅ…畑は無事だろうか…。」

一人の少し老いた男性が山道を老いてもしっかりとした足で上っていた。

老人「良かった。そこまでひどくやられてはないようだ。」

少し野菜が暴風で倒され駄目になってしまったが、昨夜の嵐は凄まじく、これぐらいですんだのが不思議なくらいだ。

老人「そろそろ帰るとするか…む…なんじゃろうこれは…」

畑の作物を全て確認し終えた老人が帰ろうと先程の道へと戻ろうとしたとき、ふとやけに大きい泥の塊を見つけた。

老人「こんなところに土をためておいたかのぅ…むむ!これは…!」

目の前にある泥の塊をまじまじと見て考えていると、泥にまみれて分かりにくかったが、小さな手の様な物が泥の塊の中から出ていることに気がついた。

老人「子供か…可愛そうに…」

泥の中から手の主をひっこぬき、泥々になった小さな子供を見て言った。

老人「もう死んでしまっているだろう…帰ったら弔ってやるか…とんでもないものを拾ってしまったのぅ…」

そう言って子供を抱き抱えた瞬間、その子供の指がかすかにピクリと動いた。

老人「むむ!息がある!こうしてはおられん。急がねば!」

慌てて老人は我が家への道を急いだ。

老人「しっかりしろ小僧!必ず助けてやるからの!それまで少し辛抱せい!」

そう言いながら今にも消えそうな小さな命を懸命に励ましながら大急ぎで我が家へと足を運んだ。


<2012/08/26 14:10 カイル>消しゴム
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