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ケンケンパァ!だよ、人生は。 − 旧・小説投稿所A

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ケンケンパァ!だよ、人生は。

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自分が来た道から どこか聞き覚えのある声。
そこに現れたのは、
なんとまあ この洞窟を訪れる前に立ち寄った
あの村の茶屋の店主、ルカリオだった。
バクフーンは驚きのあまり 目を見開いてのけぞった。

「な、なんでこんなところに……バータ様が」

「だれがバータ様だよ!
 だれがギニュー特戦隊の青いハリケーンだよ!
 似てるって言われたことすらねぇよ!」

「……おぉ、いつぞやの茶屋のおやじではないか。
 なぜここにいるのだ。」

真剣な眼差しに戻り、
まずは一番初めの疑問を問う。

「……話すと ちょっとばかし長くなるがな、」

「まぁ、立ち話もなんだ、
 ちとゴツゴツしているが座って寛げ。」

「あんたの家じゃねぇだろうがよ……」


※  ※  ※


「で、話ってのは?」

「おぅ、実はよ、
 俺ぁつい昔まで一匹狼の探検家だったんだがよ、
 それ故に、前から この洞窟の謎を明かしたくてたまらなかったわけよ。
 だが、幾度とこの洞窟に挑んで消えていく奴らを見てたら
 足が竦んで前に進まなくてよ……
 情けねぇ話だが、流石にもうあきらめようかと考えてた。そのときだ。
 あんたが俺の店にやってきたんだよ。
 普通の旅人なら あんな話聞いて行くなんて言う奴はいねぇ。
 だがあんたは冷や汗一つ垂らさず、ホントに入っちまいやがった。
 そんなあんたを見てたら自然と勇気がわいてきてよ……
 その勇気が決心へと変わった時、
 気付いたら洞窟に入ってたってわけよ。」

「……んあ? 終わったか?」

バクフーンは目を擦りながら グッと両手を上にあげて
欠伸交じりに背を伸ばした。

「あんた、オレの話聞いてたかよ。」

「ん? とにかく俺と一緒に行くんだろ?
 だったらちょいと負ぶってくれねぇかな。
 右膝がこんなんでさ……」

胡坐をかいていた足をのばし、
上目遣いで わざと痛がって見せる。
実際 歩くこともままならいほどの痛みがあったにもかかわらず、
それ以上に演技したために 少し嫌みたらしい行動に見えてしまっているが……。

「うっ……
 出会って早々なんと図々しい奴だ……」

まさに体格差が不幸を呼んだといえる。
バクフーンがルカリオの背にヒョイっと飛び乗った瞬間、
たまらず出た苦痛の声が 洞窟に深く響いた。

「で、早速なんだが 分かれ道だ。」

「おいおい、旅人が分かれ道で悩んでどうする。」

しばらく黙然した。
しかし、その間 巨体を負ぶさったままの彼にとっては
終始 辛苦極まりない時間である。

「しょうがない、一つずつ道を潰していくしかないか……」

切りだしたのはバクフーンの方だった。
少々頼りの無い案だが、今は他に良い案も思いつかない。

「よし、んじゃあまず一番右の道から……」

「おい待て!
 こういうときは左からと相場が決まっているだろう!」

「知らねぇよ……」

こうして、世界がひっくり返っても仲がいいとは言えない二匹の
短い短い旅が幕を開けたのであった。
“先が思いやられる”という言葉がぴったり似合う。




「あれ?捕食要素は?」

……(゜ω゜)

「ねぇ、捕食要素は!?」

……゜( ∀ )゜


<2012/08/20 14:43 ギン鶴>
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