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魔女達の晩餐 − 旧・小説投稿所A

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魔女達の晩餐

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薄暗い森の中

空には明るい蒼色が広がっているにも関わらず、森の中は暗かった

そこは普段『魔女の森』と呼ばれ、入った者は必ず人喰い魔女に食べられてしまうという噂があった

その為森に入る人間は少なく、それによる静寂さがよりいっそう森の不気味さを掻き立てていた

「ねぇ、何処に行くの?早く帰らないと狼姉に怒られる…」

そんな暗く、静かな森の中に声が響き渡る

「少し私の食事に付き合ってもらうだけだ。フローラには私がちゃんと言っておく」

小さな少年の声と女性の声

少年の名前はソーマ。そして女性の名前はこの森に棲む人喰い魔女トレゾアである

食事という言葉に引っ掛かりながらも、手を引っ張られ、ソーマは怪訝な顔を浮かべていた

それでも魔女トレゾアは不適な笑みを浮かべながら自分の家へとソーマを連れて来た

森の中に建ついかにも魔女が住んでいるという雰囲気を放つ家にソーマは思わず息を呑んだ

「フフフ、そう怖がるな」

目を細め、扉を開けると少し怖がる様子を見せるソーマを中へと案内する

中は普通の家と変わらないものだった

テーブルに椅子と本棚、奥には暖炉と2階へ続く階段。魔女のイメージとは少し違ったシンプルな部屋だった

「何するの?」

特に何もない部屋を見てソーマは不安そうに聞いてみた

「だから言っているだろ?食事に付き合ってもらうと」

そう言うと再びソーマの手を引き、部屋の奥へと進む

するとフローリングの床に何か取っ手のような物が見えた

トレゾアは魔法でその取っ手を引くと、地下へと続く階段が現れた

そしてその階段の下に広がる暗闇へと、ソーマを連れ込む

「お、お姉ちゃん…?」

暗い地下へと一段ずつ階段を降りていくソーマの耳に何かが聞こえた

子供の泣き声のようなものが。

「ね、ねぇ!お姉ちゃん!」

最初は空耳だと思い込んでいた彼だったが、次第に大きくなる声に焦りを感じていた

「着いたぞ…♪」

不安な表情を浮かべるソーマとは対称的にトレゾアは笑顔だった

目の前にある扉を重い音を立てながら、ゆっくりと開いていく

「っ!?」

さっきまで聞こえていた泣き声のようなものが重い扉が開く音と同時に消えた

静寂に包まれた地下室。その中の光景にソーマは目を見開き、言葉を失った

それは…

沢山の子供が手足を縛られ、更に目隠しをされて閉じ込められていた

その時ソーマは自分がこれから何をされるのか読み取った

逃げようとするが、時既に遅し

「お前達は私の夕食だ…♪」

次の瞬間、ソーマの視界は白い布に覆われ暗闇となった



今回は交互に書いていきます♪

読んでいただきありがとうございます♪
<2012/04/02 16:41 どんぐり×セイル>
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