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我は口を大きく開いた、鋭い牙の牢獄が開く、唾液が溢れ出て、それは人間に降りかかる。
とめどなく流れる唾液を振りかけて人間の顔を覆い尽くし、何も出来なくさせてしまった。

『…!!』
バクッ…

我は上半身を一息にくわえ込む、そのまま持ち上げると、獲物がじたばたと足を動かして抵抗をしてきた。
愚か者め、もう逃げられないのになぜ抵抗する？

ハグッ…クチャッ…クチャッ…バクン…

我は天を仰ぎ、くわえた獲物を活きの良いまま口内へと、何度かくわえ直してから収めてしまう。
口内から聞こえる叫び、助けて欲しいと言っている、誰の耳にも届く事は無いのに…耳障りだ。

…ムグッ…ズチュッ…

我は口を動かし、獲物を舐め回し、唾液を塗りつけ、甘噛し…少しずつ獲物の抵抗を奪っていく…
やはり美味い…人間ほど美味い生き物はおらぬ…
しばらく舐めまわしたりしていると抵抗すら無くなった。

我は再度上を向き…

ングッ…ゴクッ…

獲物を喉に送り込む、上を向いたまま我が喉を獲物がゆっくりと下ってゆく感覚に我は…心地良さそうにする。
獲物が胃袋に落ちたのを感じると

《ごちそうさま…》

満足だ…なかなか美味かった、うっとりとした表情、だが、我の腹からは未だに声が聞こえる。
真っ暗な中、身体を灼かれる苦しみに悶えているのだろうか…

グチュッ…グギュッ…

胃袋を激しく動かし、中の獲物を消化し始める、しばらくは抵抗の音や声が聞こえていたが、やがてそれも聞こえなくなり、グチャッ…クチャッ…と言う音しか聞こえなくなっていた。

ググッ…ゴパアッ!!

我はゆっくりと獲物の衣服を吐き出す、粘液にまみれ、ドロドロになったそれは…人間１人分の衣服だ、今ごろ獲物もこのように…

グルル…ギュルル…ゴポッ…

腹の中で響いた音、獲物を溶かし、腸へと流し込む音、我はこの音を聞き、支配感に酔いしれた。

これでしばらくは腹が減るまい…む？

まさかこんな所にも獲物が居るとはな…ククク…

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